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大惨事におけるアートの可能性を探る『カタストロフと美術のちから展』が森美術館にて開催中

(2018/10/11更新)
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10月6日(土)より森美術館にて開催されている『カタストロフと美術のちから展』。国内外40組のアーティストによる作品を通して、社会・個人の大惨事にアートはどのように向き合い、どのような役割を果たすのかについて問いかける。


トーマス・ヒルシュホーン 《崩壊》2018年

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大惨事におけるアートの可能性を探る『カタストロフと美術のちから展』が森美術館にて開催中
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※ 各画像をクリックすると拡大表示されます。

2003年のオープン以来、周年となる記念展では全人類にとって普遍的なテーマを掲げてきた森美術館。2003年の開館記念では『ハピネス』展、10周年を迎えた2013年には『LOVE』展を開催。そして15周年を迎える今回は、「カタストロフ=大惨事」をテーマに取り上げる。

東日本大震災をはじめとする自然災害から、テロ、紛争、難民問題などさまざまな社会問題が山積する現代。パーソナルな悲劇も含め、突如として私たちに襲いかかる大惨事をアートはどのように描いてきたのだろうか。また、そんな大惨事から復興・復活する際、アートはどのような役割を果たすのだろうか。同展では、国内外40組の現代アーティストの作品を通して、アートの持つ可能性について2部構成で考察していく。

「美術は惨事をどのように描くのか」に注目する第1部は、スイス出身のトーマス・ヒルシュホーンによる《崩壊》で幕を開ける。2階建ての建物の壁面が崩れ落ち、瓦礫が散らばる様を表現した同作では、「すべての創造は、破壊から始まる」というピカソの言葉の引用がなされ、破壊による惨事を象徴する作品となっている。

また、土壌に含まれた放射線物質を銀塩感光材で可視化させた福島出身の写真家、武田慎平の写真シリーズ《痕》や、3都市に暮らす6人の人生が資本の危機や世界的な金融危機の影響を受ける様を描き出すアイザック・ジュリアンの映像作品《プレイ・タイム》など、さまざまな手法で記録・再現された惨事や恐怖の姿が展示される。

続く「破壊からの創造」を紹介する第2部では、活動家でもある中国出身のアーティスト、アイ・ウェイウェイが難民問題を題材にした約13メートルもの壁画《オデッセイ》、Chim↑Pomが福島第一原子力発電所事故の避難指示区域内で制作したビデオ・インスタレーション《REAL TIMES》、宮島達男が東日本大震災への鎮魂のために10年がかりで制作する《時の海-東北》などが並ぶ。

そして、同展の最後に登場するのが、オノ・ヨーコの《色を加えるペインティング(難民船)》だ。真っ白い展示室の壁や床、そして中央に置かれた難民ボートに鑑賞者が絵やメッセージを自由に描き加えていく参加型アート作品で、開幕初日には近隣小学生や同展参加アーティストたちが平和や復興・再生への願いを込めてメッセージを描きこんだ。

現代アートの最前線で活躍する国内外の作家によるパワフルな作品群に目を奪われ、心打たれる同展。負を正に転ずる美術のちからを実感するとともに、それぞれが新しい未来へのビジョンを描くための契機となるにちがいない。

【開催情報】

『カタストロフと美術のちから展』
2019年1月20日(日)まで森美術館にて開催中

【関連リンク】
森美術館

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