世界のナベアツ監督&柴田大輔監督インタビュー/『さらば愛しの大統領』
今秋公開予定の『さらば愛しの大統領』が、沖縄国際映画祭で27日にワールドプレミア上映された。監督を務めるのは、長編映画初メガホンを執る世界のナベアツとCM界の奇才・柴田大輔だ。大阪の独立宣言をした世界のナベアツが大統領に就任後、何者かに命を狙われるようになり、府警の“迷”刑事コンビが捜査に乗り出す。芸人・世界のナベアツらしい、笑いどころたっぷりのコミカルなストーリーが繰り広げられていく。世界初上映を終えたばかりの、世界のナベアツ、柴田大輔ふたりの監督にインタビューを敢行した。
1回でも多く笑ってもらいたい
──ネタ満載の“イッツ・ア・ユニーク・ワールド”な映画でした。 取材・文:ぴあ編集部 PROFILE
ナベアツ:そのことば、嫌いじゃないです(笑)。2時間の単独ライブをするときのように、いろんなジャンルのお笑いを散りばめた方がいいんじゃないか? というように柴田監督と相談し、ふたりの意思統一のもとでやりました。
──それぞれCM映像クリエイター、芸人/構成作家として大活躍されていますが、“映画”ならではの作りこみ方で大きく感じた違いはありますか?
渡辺:これまでにショートムービーの製作は何回かやってたんですけど、映画をやるなんて思ってなかったんでね(笑)。監督はいい意味でも悪い意味でも責任を負わないといけない。それに、1時間半の物語を作ることが滅多にないので、自分の持っているノウハウを搾り出すしかなかったです。
柴田: CM製作の仕事はオンエアされる前提で作っていて、極端に言えば駄作でもCMとして流れてしまう。でも、映画は観てもらわないといけない。映像を作ることはできても、それにお金を払ってもらう、売り物を作るというのがはじめての経験でしたね。だからこそ、1回でも多く笑ってもらいたいという気持ちが大きい。映画製作の期間は東京にいるのに東京にいる感覚がなくて、南極の昭和基地に行ってたような気分でした(笑)。毎朝6時にピックアップされて現場に行って、映画のことだけを考える。これ、いつまでつづくんやろう? となりましたね(笑)。次から次に押し寄せてくるものを形にしていく、そんな作業が連日つづいて……。
ナベアツ:(しみじみと)言うてたな、旅してる感じですわーって。何言うてんねやろと思ってましたけど(笑)。
柴田:友だちに会う機会も減るし、飲みに行くこともない。ほんまに日常とかけ離れてました。こんなのをみんな体験して作るんやと思うと、すべての映画をリスペクトするようになりましたね。
──全国的に見て文化面での大阪は突出した独立性があるので、「大阪独立」はあり得なくない設定にも思えますが、アイデアはどんなところから誕生したんですか?
柴田:ナベアツさん主演なのは決まっていて、大阪が舞台なのも何となく決まっていたんです。それじゃあ、ナベアツさんを何役に仕立て上げようか? というところがポイントになりました。普通に考えたら、知事。今は橋下さん、過去には横山ノックさんがされてたり大阪は独特な知事が出ていたこともあったので、そうしようかとなってたんです。でもひとつの国ってなったら、もっとドカーンと構えた方がええやろうということで大阪合衆国の大統領にしました。それに紐づくようにして、暗殺計画、刑事のエピソードが生まれていったんです。
ナベアツ:はい、(少し溜めて)そうです。まったく、その通りです。「独立宣言したい」と言ってよかった(笑)。
──では、ナベアツさんが“お笑い界の大統領”になったら、どんなマニュフェストを作りますか?
ナベアツ:“お笑い界の大統領”なんて、滅相もないです(笑)。ただ、一流の俳優さんのお芝居もいいですけど、この映画を観ていただいたら芸人もすごいなと感じてもらえると思うんです。なので、この映画を引っ提げて芸人の凄さをアピールします!
柴田大輔
1973年、神戸市生まれ。NOVAうさぎやジョージア「明日があるさ」など多くの人の記憶に残るCMを製作。そのほかに、リゲイン、アジアン・カンフー・ジェネレーションのPVなどを手掛け、ACCやスペースシャワーなどの賞を多数受賞している気鋭の映像クリエイター。
世界のナベアツ
本名、渡辺鐘(わたなべ・あつむ)、’69年、滋賀県生まれ。’91年に山下しげのりとお笑いコンビ・ジャリズムを結成、関西随一のコント師としてカリスマ的人気を獲得。’99年にコンビを解消、放送作家として活動する。2004年にコンビを再結成、その後、ピン芸人として「3のときだけアホになる」ネタで大ブレイク。今回、長編映画の初監督に挑戦した。
「第2回沖縄国際映画祭」
開催中












