中途半端
2004/8/30 12:00
by
odys
ベルトルッチの新作というので期待して行ったのだけれど、残念ながら、という結果に終わりました。
問題は、68年のパリを映画化するに当たってどういう原理原則で行くかということなのですが、その辺が曖昧なまま、一方で過去の映画へのオマージュがあるかと思えば、他方では双生児兄妹の異様な関係(これも描かれ方が中途半端な気がする)があり、映像も耽美的と言うにはもの足りず、かといってあの時代の激動を表す激しさもさほど見られない。
いわゆる五月革命を描いた映画としては、ルイ・マルの『五月のミル』という秀作がありますね。あれは、この騒動を徹底的に距離を置いてコミカルに見る、という手法で成功した。ベルトルッチは、最後までそうしたふん切りがつかなかったように思えます。
主人公のアメリカからの留学生にしても、途中では双生児に行動をしなければと吹き込んでおきながら、最後には逆に阻止しようとするなど、どうも矛盾が多すぎる。そもそも、あの時代はフランスだけでなく、アメリカや日本なども学生の反体制運動が盛んだった時期だから、アメリカ人学生だってそうした風潮に染まっていたはずなのに、なぜかその気配が見られない。不思議です。単なる語り手で終わるには重要すぎる人物設定だけに、問題が多いですね。
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