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特攻隊戦争映画の傑作(三度目の改訂版)

100点 2012/8/31 20:22 by 青島等

娯楽性と反戦思想が見事に共存している。
サスペンスが得意なJ・リー・トンプソン監督の最高作であり
製作者カール・フォアマンの脚本で痛快作だが
根底には「戦場にかける橋」と共通した反戦テーマを扱っている。
従来の描き方は、正義の連合軍VS悪のナチ独軍とは一線を画す。

デヴィッド・ニーヴンの爆発物の専門家ミラー伍長は「戦場にかける橋」のシアーズのアンチテーゼ、
常に将校を批判する傍観者でいる立場に居る教授で皮肉屋だが友人思いの好人物。

独軍への復讐心をもったギリシア軍のアンドレア大佐をアンソニー・クインが好演、
正に水を得た魚の如く行動派の軍人を好演し本作のイメージを力強くし国際派名優の面目躍如である。

負傷したフランクリン少佐(アンソニー・クェイル)に替わって途中から大砲爆破作戦の指揮をとる登山家マロリー大尉をグレゴリー・ペックが得意の深刻な表情で演じる。

ナイフの名人で通信機担当(スタンリー・ベイカー)と若い生れながらの殺し屋(ジェームズ・ダーレン)を加えた特攻隊員は6人だがこれにパルチザンの女二人(イレーネ・パパス&ジア・スカラ)が加わる。
しかしペックとクインとニーヴンの演技合戦が強烈である。

ディミトリ・ティオムキンの勇猛果敢な音楽、
オズワルド・モリスによるエーゲ海+ギリシャ風景が美しいカラー・シネマスコープ撮影、
ジョフリー・ドレイクの美術と特殊効果等、豪華キャストとベストスタッフによる名作。

(初稿は2006.12.25)

 

3人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • グレゴリー・ペックさん生誕96周年〜其の弐

    2012/4/5 0:57 by 青島等

    ご存知の方も多々みえるだろうが
    午前十時の映画祭で上映を記念して

    2011年12月発売された映画情報誌の老舗である
    近代映画社スクリーンに製作裏話の記述があったので
    此処に簡略し少々私の感想を入れて紹介しておきます。

    製作兼脚色のカール・フォアマンは赤狩りでアメリカを追われ
    イギリスへ亡命していた変名で何本かの脚本を書き続け
    「戦場にかける橋」(脚本はピエール・ブール名義)が成功
    その勢いを追い風に復帰を目指した製作費の600万ドル大作
    金額はインフレ補正を換算すれば現在の値なら20倍〜25倍

    @監督交代劇:アレクサンダー・マッケンドリック解任され
    替わってJ・リー・トンプソンが抜擢された
    サスペンス「追いつめられて」の成功が要因だろう
    グレゴリー・ペックの推薦だという説もあるが、
    「真昼の決闘」を辞退した故かペックは第一候補ではなかった

    Aキャスティングも人選に難航した

    _マロリー大尉:
    ウィリアム・ホールデンに当時破格の75万ドル+10%歩合で交渉
    だが辞退されてしまい、同額でグレゴリー・ペックが承諾した。
    この成功で見事に「大いなる西部」以降のスランプから脱出。

    _ミラー伍長もアレック・ギネス、ディーン・マーティンが候補
    デイヴィッド・ニーヴンに落ち着いた
    もしホールデン&ギネスなら「戦場にかける橋」のアンチテーゼ
    興味深いのはマーティン、一見ミスキャストにも見えるが
    原作では『不潔のミラー』と仇名される人物だから
    「リオ・ブラボー」保安官補デュードを彷彿させ
    案外適役だったかも、それに肉屋なのも適合している。
    だが彼は当時ラスベガス〜ハリウッド往復の超多忙であり
    ギリシャロケの長期参加はほぼ不可能だっただろう。
    むしろニーヴンでは清潔高貴なイメージで紳士的過ぎる

    _アンドレア・スダブロウ大佐についての配役変更の記述はない
    最初からアンソニー・クインにオファーしたのだろうか?

  • 前十時の映画祭にて…二度鑑賞

    2012/8/31 20:31 by 青島等

    DVDやBru−rayで何度も見たが…
    繰り返すがシネスコ画面いっぱいに広がるエーゲ海は絶品
    Eastmancolor by Pateによる色彩は
    Tchnicolorみたいなケバケバしさはない。
    オズワルド・モリス撮影監督が「白鯨」と同じ効果を狙ったのか
    それとも単にポジフィルムPateの特色か

    最近の軽量コンパクト化された手持ちカメラ濫用の
    ブレブレ画面とは全然異なる落ち着いた撮り方
    〜固定して人物や背景を映す手法〜
    なので上映時間157分がまるで疲れなかった。
    体感時間は100〜120分くらいだった。


    _アンナは男勝りの戦士らしく美形にも見えるが顔の骨格が
    (日本人的に喩えれば宝塚の男役みたいな顔立ち)
    男っぽい造りなので好きになれないが印象度は強烈
    アンナを演じたイレーネ・パパスはこの後、
    アンソニー・クインと相性が良く何度か共演、
    特に「その男ゾルバ」が傑作だと思う。

    _ジア・スカラは(ショートカットヘアー鬼門も加算され)魅力がない
    「誰が為に鐘は鳴る」のイングリッド・バーグマン類似品イメージ
    マリアはどこか謎めいて、いや、かなり不気味で台詞は僅か数行…
    こんな女に沈着冷静なマロリー大尉が惹かれる心理が理解出来ない。
    明日は死ぬかも…の恐怖心が狂気の沙汰を引き起こしたと解釈すべきか

    ☆特攻隊員が、(ジョン・フォードの描く騎兵隊みたいに)与えられた任務と
    自分の行動に迷いを持たず全員一丸となって…ってな単純でさはなく、
    お互いの不協和音も巧く入っている。

    _フランクリン少佐;アンソニー・クエイル、
    「アラビアのロレンス」でも一緒だったゾルバ氏と紛らわしいが
    体型も演技型も全然違う、出世欲と自責の念は紙一重を好演

    _ブッチャー・ブラウン;スタンリー・ベイカー、無線、機器エンジン修理専門家だが
    ‘私、個人的に…平和を誓っています’…なんて…失態を…?
    どうもこの陰険な顔はナチのスパイか?いつ裏切るかの危険因子に見える
    別版でも記したが、やっぱり頭部はやっぱりズラっぽい。

    _生れつきの殺し屋パパデモス(マリアの弟);ジェームズ・ダーレン、
    一見素直で任務に忠実、上官にとって扱い易い兵士だが、実は殺しが快感で
    任務遂行は殺しを正当化できる格好の場と割り切る青年
    歌も巧いから一時期人気が沸騰したらしい

    _アンドレア・スタブロ大佐;アンソニー・クイン
    実戦経験充分な行動派、クインは全篇を寡黙で抑えた演技で通すが
    或るシークエンスだけは…巧い、言うことなしの出来映え。
    「ワーロック」もそうだが主要キャラの中で際立つ個性
    多くの友人が指摘の如く一番印象に残る人物になっている。

    _キース・マロリー大尉;グレゴリー・ペック
    まるでペックありきの役柄だが、二番候補と知って吃驚!
    「白鯨」以降ヒット作がなく、この頃は多くの作品〜
    「北北西に進路を取れ」のロジャー・ソーンヒル(C・グラント)
    「リオ・ブラボー」のジョン・T・チャンス(J・ウェイン)も
    ペックはスタジオ側の二番候補だった。

    _ミラー伍長;デヴィッド・ニーヴン
    彼を真打に持って来たのは、そして一番記述量が多いのは
    今回、私はミラー伍長を通して全体を冷静に見られた事
    皆がよく使う表現〜正しい意味で『感情移入』〜できたから
    そしてミラー伍長こそカール・フォアマンの主張だと思えるからだ

    要所要所で辛辣で一見自嘲みたいで実は挑発的な台詞を吐き…
    脚本がディーン・マーティンを想定したキャラらしい態度の悪さ
    船着場でも右腕を‘くの字’にして寝そべっていたり
    作戦会議の時も一人だけベッドに横になっていたり…
    しかし流石は、ニーヴン、大学教授らしい風格を漂わせている。
    味方なのにヒーローには程遠くむしろヒールに近いキャラであり
    「80日間世界一周」に代表されるイメージ=粋で高潔な紳士ではない

    彼の繰り返す“I can’t swim”
    字幕では単に直訳の‘私は泳げない’だが
    ‘この作戦は巧く行かない’又は‘君の考えには賛成できない’
    という皮肉と本音が含まれている。

    終盤近くでミラーがマロリーに訴える言葉
    ‘仮にこの作戦が成功したからと言って世の中から全ての戦争が終結する訳じゃない!
    人間がお互いに殺しあってこの世から居なくならない限り戦争は終わらない!!’
    「旅路」(1,958年度アカデミー主演男優賞獲得)の大佐よりずっと主役らしい演技を披露している。

  • グレゴリー・ペックさん生誕97周年

    2013/4/11 18:39 by kotorin

    夢寝さん、こんにちは。やっと見ました。すごいスケール!
    「特攻大作戦」とか、その後の作品に与えた影響は大きかったでしょうね。

    >_マロリー大尉:

    ロック・ハドソンやケイリーも候補でしたが、ケイリーは高齢を理由に断ったようです。
    これはペックで正解。

    >_ミラー伍長

    最初はケネス・モアも予定されていたようです。
    ニーブンは最初はミスキャストと感じたものの、自己ベストの一本となったそうです。

    >_アンドレア・スダブロウ大佐
    >或るシークエンスだけは…巧い、言うことなしの出来映え。

    あのシーンですね。見た目、完全に地元漁師ですから。
    クインはいつもプロデューサーのカール・フォアマンの第一候補だったそうです。

    >_ジア・スカラ

    「Z旗挙げて」でグレンの相手役してます。
    彼は共演女優を引き立てるのが巧いと思うのですが、彼女は今ひとつでした。

    ここのところペックの作品を続けて見ましたが、誕生日に微妙にずれたアップになってしまいました。

  • このキャスト 誰が一番 儲けたか?

    2013/4/12 6:33 by 青島等

    まぁ、あなた、朝から何て厭らしい!(20世紀最大の評論家談)

    おはようございます、
    kotorinさん、レスをありがとうございます。

    >「特攻大作戦」とか、その後の作品に与えた影響は大きかった…

    鋭い…って言うか極自然なるその推察…うん、間違いない!

    “グレッグに追い着け追い越せ”の合言葉の如く

    スキーで有名な「テレマークの要塞」は同い年のカーくん主演
    おそらくバートも悪役ナチ繋がりで「大列車作戦」を製作兼主演
    ホノルル基地でウォーデン曹長の部下マジオ二等兵が「脱走特急」
    そしてリズの5人目亭主とハリー・キャラハン君は「荒鷲の要塞」

    >クインはいつもプロデューサーのカール・フォアマンの第一候補

    やっぱり、そうでしたか!
    憶測だったのですが、情報に感謝
    9年前「世界を彼の腕に」→<リンクURL>でグレッグと対峙
    何度か殴り合ったり腕相撲を演じた同業者=密漁船の船長。
    その際の待遇格差(ギャラ+ポスターネーム・サイズ)を見事雪辱

    >>_ジア・スカラ

    >「Z旗挙げて」でグレンの相手役してます。

    出たぁー、ハリウッドの三橋達也…いや拳銃が二番目に巧い役者
    今後は本篇に無縁のスターを挙げるのはイエローカードですよ!
    …実は、とっくに3枚超過のレッドカードだったりして
    (上記スター以外にビルやディーンを挙げた私も五十歩百歩か)


    >ここのところペックの作品を続けて見ましたが、
    >誕生日に微妙にずれたアップになってしまいました。

    では、6月12日=永眠10周年で…私もどれかにか自己レスを

満足度データ

ナバロンの要塞
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