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やはり海坂藩作品は良い。(08.10/10)
2009/5/18 14:04
by
HALU
単館上映で、しかも上映回数が少ないために、なかなか都合が付かず、ようやく半年遅れで、某ミニシアターに父と共に観に行きました。
派手なストーリー展開などもなく、ただ淡々と四季折々の自然や風景・人々の暮らしぶりを丁寧に描き、台詞も極力少なくすることで、藤沢周平さんの原作の時代劇小説では珍しく、不幸な結婚生活に耐える女性・野江(田中麗奈さん)を主人公に据え、その境遇を観る側に自然と感じさせる作りの映画でした。
本作品も、藤沢周平さんの世界観が見事に映像化なされていた作品だったと思いました。
正義感と誠実さに満ちた武士たる手塚弥一郎(東山紀之さん)の立ち居振る舞いと殺陣の美しさには目を見張るものがありました。
弥一郎と野江。山桜に手繰り寄せられた運命の糸が、ただ一度の出逢いが二人の未来を大きく揺るがすことになるのですが、一人の女性の「幸せへの回り道」そのものを描いた作品です。
ただ、惜しまれるのは、映像美を追求し過ぎていたためなのか、獄中にある弥一郎を演じる東山紀之さんの頭の月代や頬に、獄中生活での月日が経過しているにも関わらず、毛やヒゲが生えていないなど不自然さが残った点や、田中麗奈さんの演技力が本作品では今イチ発揮なされていなかった様に感じとれたこと等が挙げられます。
また原作に基づいたためか、獄中にある弥一郎のラストが中途半端に終わったことが、映画的なエンディングのあり方としては惜しまれました。
しかしながら、文庫本の中のわずか20ページほどの短編小説を、これまでも丁寧に仕上げている点は評価に値すると思われました。
私的な評価は、それらを差し引いても★★★★(80点)の高評価の作品でした。
また、一青窈さんの主題歌「栞」も、スゴくマッチングしていて良かったです。
お薦め作品です。
13人がこのレビューに共感したと評価しています。
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ようやくこの映画観れました
2010/6/2 20:54 by
しゅうや
HALUさん こんばんわ。
眼の検査を受けてるのに、PCに向ってたらダメですよ。少しは休んでくださいね。
で、東京単館上映で、満席続き。レンタルも借りられっぱなしだったこの映画。ようやく観ることができました。
「映像の美しさ」に関しては、HALUさん同様、感銘を受けました。さすが篠原監督。春の桜の映像は、心に残りました。
ただ「お話的には見せ場が少ない」ですね。
地味過ぎるというか、殺陣も派手さがなく、これといった見せ場がないだけに、少々、物足りなさを感じました。田中麗奈さん、好きなので、満足はしたのですが・・・
HALUさんは原作をお読みになっているそうですが、あの映画のような話だったのでしょうか?
それでは失礼致します。 -
原作小説は、『時雨みち』(新潮文庫)という文庫本の中の一篇です。
2010/6/3 0:50 by
HALU
しゅうや様。こんばんは(^^)/
HALUです。
この度はコメントをお寄せ下さり、誠に有り難うございました。
>HALUさんは原作をお読みになっているそうですが、あの映画のような話だったのでしょうか?
この作品が映画化なされる、ずっとずっと前に読んだ短編小説ですので、原作小説の詳しい内容までは、そのほとんどを忘れてしまいました(汗)。
ですが、ほとんど原作に忠実に再現しており、且つ、その小説の文面の内容を更に膨らませた様な<素晴らしい映像美>だったとだけは記憶しております。
因みに、書庫を調べてみましたところ、新潮文庫の『時雨みち』という文庫本の中の計11編ある内の第3編(71〜95頁)に、この『山桜』がありましたよ〜☆
しゅうや様が、まだDVDを観られて新鮮なうちに、しゅうや様も、この小説(文庫本)を図書館で、お借りになられるか、若しくは、BOOK−OFFなどにて安価にご購入なされるなどして、ご自分の目で実際に読まれて、確かめられるのが一番かとも思います。
私が、仮に、もしもその内容を未だに詳細に憶えていたと仮定致しましても、このレビュー投稿やコメントの場で、その詳しい内容を書き込みますと、この投稿が、ネタバレにもなってしまいますので(汗)。
詳しい原作小説との違いなどの詳細につきましては、どうかご自身の目でお確かめ下さいませ。
それでは失礼致します。 -
機会があれば原作を確認します
2010/6/9 2:47 by
しゅうや
HALUさん こんばんわ。
レスが遅くなり申し訳ございません。
確かに、自分の目で、原作を確認しないと、分からないですよね。失礼致しました。
ただHALUさんによると「ほぼ原作に忠実」ということなので、大体の雰囲気は分かりました。
ただ、この作品、評価微妙なんですよね。映像は綺麗で、そこは評価するのですが、あまりにも見せ場が少ない・・・レビューの書き様がなくて、一番困る作品です。雰囲気を味わうことはできるのですが・・・
という次第で、この作品の私のレビューは上げませんが、ご容赦頂ければ幸いです。
それでは。 -
本作のあの映像美に関しましては、篠原監督のオリジナルとも言えますね(汗)。
2010/6/9 3:24 by
HALU
しゅうや様。深夜に、こっそりと、こんばんは(^^)/
HALUです。
この度は、わざわざご丁寧なるお返事を下さり、誠に有り難うございました。
本当に光栄ですし、嬉しい限りです♪♪
さて、
>ただHALUさんによると「ほぼ原作に忠実」ということなので、大体の雰囲気は分かりました。
いやはや、たしかに<ほぼ原作に忠実>ではあるのですが、但しながら、原作小説は、心理描写や行動や言動の描写が中心で、あの<映像美>に関しましては、藤沢周平作品の小説を読まれた、篠原監督自らのオリジナルの心象風景ではないかとも思われました次第です。
>ただ、この作品、評価微妙なんですよね。映像は綺麗で、そこは評価するのですが、あまりにも見せ場が少ない・・・レビューの書き様がなくて、一番困る作品です。雰囲気を味わうことはできるのですが・・・
特に<映像美>に特化した<静かな作品>への好き嫌いは、あくまでも、その鑑賞なされた御方々の好みの違いですから、いたし方ないですよね。
私。HALU自体は、<静かな作品>も案外と好きなので高評価を付けているに過ぎませんので、特にお気になされる事はないかとも思われますよ。
>という次第で、この作品の私のレビューは上げませんが、ご容赦頂ければ幸いです。
いやはや、それはしゅうや様の個人のご判断ですから、至って強要などは致しませんよ(汗)。
この度は、ご丁寧なるお返事を下さり、誠に有り難うございました。
それでは失礼致します。
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