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悲しい程痛い映画

100点 2010/12/14 9:19 by バナバナ2

ラスト、コーション

チアチーのモデルになったテン・ピンルーのドキュメンタリーを、以前テレビで見たことがあった。
それによると、テン・ピンルーの父は検事で、かなりの良家のお嬢様だったが、母親が日本人だった為に女学校でいじめられて退学。その後、ホステスに転落するが、抗日運動家と知り合い活動を開始。最初のターゲットは東條英樹の外交官の息子だったが、日本軍部に感付かれて息子は急遽日本へ帰国。イー(実際はなんて名前の人だったのかな?)は二番目のターゲットだった。

本当だったら、テン・ピンルーの史実をほとんど残して書いても、相当深い話になったと思うが、この原作者は主人公チアチーらを、苦労知らずの学生から端を発した抗日運動家として始動させている。

私は映画の結末はどうせ現実と同じ顛末になるんだろうから、この女主人公はテン・ピンルーや『ブラックブック』のヒロインとは違って、学生劇団でちやほやされてた素人女優が、勘違いして荷の重い仕事を安請け合いしちゃったから、ミイラ盗りがミイラになったっていう話なんじゃないのー、と最初から斜めに構えて見ていたのだが、私のとんでもない間違いだった。

チアチー役をやっていた主演のタン・ウェイは、本作が映画初出演でありながら、学生時代は可憐で初々しく、挫折してからは、まだ十分若いのに疲れ果ててしまい、痛々しくて見てられない位落ちてしまったチアチーを、熱演してました。

トニー・レオンも、アップで出てきた時は「わぁー、老けたな…」と思ったが、祖国の為にと闘っている抗日運動家達を逮捕して拷問、殺しながらも、今の自分の立場はアメリカが参戦してきたら露の如く消えて無くなる事を知っている男。
今自分のしている事は、虚しく、諸刃の剣である事を分かっている男。
だからこそチアチーに「彼はへびの様に心の中まで入ってくる」と言わしめた男を、ほとんど台詞もないのに、冷たく、厳格な雰囲気だけで体現している。
その彼がラストにあんな顔したら、そりゃあ、あのマージャン大好きの疎い奥さんだって、「何かあったのね!」と悟りますよ。

元々家族と疎遠な上に、三年前の大失敗で深い失望感を抱えているチアチーと、この冷酷でありながら深い孤独を持つ男との、体だけでなく魂もぶつかりあう激しい邂逅。

原作は短編ということなので、この映画は絶対アン・リーが、原作をより深く広げて見せてくれたのだと思います。
こっちまで心が痛くなる作品でした。

 

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  • 戻れない二人

    2010/12/14 9:18 by バナバナ2

    自レスで申し訳ないのですが、この映画を観た後の余韻がすごかったので、最初90点だったのを100点に訂正させて頂きます。

    イーは党学校の同期をも仕事の為には拷問して殺す非情な人間だが(きっと学生時代は仲良かったんじゃないかな)、単なるS的性的思考の持ち主ではなく、一瞬の表情だけで、この人も悲しい部分を持っている人間なんだな…と匂わす、「さすがレオン様!」と思えるトニー・レオンの演技もすごかったし、
    新人のタン・ウェイも、チアチーが完全メイクをしている時は、任務中の戦闘態勢状態だから能面みたいな顔をしているけど、学生時代や3年後のスッピン時の表情は、その時その時のチアチーの気持ちが顔を見ただけで分かったので、素晴らしいと思った。

    私がこの映画にここまで惹かれたのは、イーとチアチーが、
    ‘もう昔の自分には絶対に戻れない、変わってしまった事を自覚している二人’
    だったからここまで共鳴したのだろう…、というところがよく描けていたからだと思う。

    そして余談だが、チアチーを引き入れたクァンが、「君を傷つけるなんて許さない」とか言っていたが、クァンの顔が昭和の正統派二枚目といった整った顔だったので、
    “もう十分傷ついとるんじゃ! こんな事になったんはいったい誰のせいやねん。どの口が言っとんのじゃ、このボケ!!!”
    と、余計怒りが煽られてしまったのには、

    アン・リー…、いったいどこまで緻密な計算してるの?

    と思いました(爆)。

  • Re: 悲しい程痛い映画

    2011/6/26 18:01 by 流離

    こんにちは。

    DVD、買っちゃいましたよ・・・素敵でした。
    体力を使い果たし、ようやくレビュー投稿しましたが、書きたいことの半分も書けなかったように思います。

    ワン・リーホン、『真昼ノ星空』で見初めまして、この作品にも出ていたので嬉しかったです。彼が演じたクァンが、黄子満にも見えたりして。ワンだったら彼女に手を差し伸べただろうか、指を咥えて見ているだけではなかったのではないか、それとも時代の流れに任せただろうか、なんて、そんなことも考えたりしちゃいました。
    結局は、彼女も独りでしたね。血を吐くような彼女の言葉を、聞いてもくれなかった・・・あそこがラストにつながっていったかな、とも思いました。

    まだ余韻に浸っています。もしかしたら、バナバナ2さんのように、満足度アップか!?ご紹介いただいて、ありがとうございました。

    お邪魔しました!

  • Re: 悲しい程痛い映画

    2011/6/27 12:36 by バナバナ2

    琉離さん、DVDも買ったんですね!
    この作品、長いという事もありますが、その濃密さに、観るだけでグッタリ体力を消耗してしまいますよね。
    私はこれ程薦めておいて、自分では買ってないんです(汗)。

    ワン・リーホンはチアチーを引き入れた昔風のイケメンの人ですね。
    私は、黄だったら、自分ではこういう作戦は立てないだろう、と思います。
    でも、もし同じ反日グループで働いていたとしたら、途中で彼女をかっさらって逃げてほしいな…。
    あくまで願望ですが^^。

    琉離さんにも満足いただけて、よかったです。

  • Re: 悲しい程痛い映画

    2011/6/27 21:55 by 流離

    こんばんは。

    > 自分ではこういう作戦は立てないだろう、と思います。でも、もし同じ反日グループで働いていたとしたら、途中で彼女をかっさらって逃げてほしいな…。

    一票!いや、可能な限りの票を買収してでも投票しますわ!!あー「かっさらう」という発想が出ませんでした・・・
    彼女をかっさらって逃避行するストーリーも観たかったりして・・・彼女の初めてが彼だったら、可能なストーリー展開だったかもしれませんね。あそこで彼に頑張って欲しかったですが、それはチアチーにとっては切実な願望だったのだろうと思います。「なぜ今になって・・・」というような台詞がありましたが、その通りだよって私も突っ込んでました。

    残された方が辛いだろうな、と。でも残された方にとっても運命が優しくないことを、きっと、知っていただろうと思うのです。

    そんなこんなで浸っています(笑)
    たびたびお邪魔しました!

満足度データ

ラスト、コーション
100点
21人(10%) 
90点
34人(16%) 
80点
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24人(11%) 
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20点
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6人(2%) 
0点
1人(0%) 
採点者数
204人
レビュー者数
60
満足度平均
73
レビュー者満足度平均
76
ファン
36人
観たい人
105人

 

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