強面監督
2004/10/4 17:39
by
アキラ
会議室。腰掛ける強面の監督。その手にはゴルフクラブ。
主演女優の変更を要求するプロデューサー達。
一触即発。いつ殴りかかるのかとハラハラして見ていると
切れ気味に要求をはねつける監督。徐に席を立つ。
駐車場でプロデューサー達の車をボコボコにする。
ところが家に帰ると妻がマッチョ男と浮気中。
自分の家にも拘らず、マッチョ男に追い出される。
あの監督のエピソードには爆笑でした。
メインは女優を志す女性が業界の人間関係の
迷宮にハマってゆくという話ですが、
リンチらしいかなり癖のある描き方をしていて
やたらと複雑な意識の迷宮に連れ込まれます。
今更これをやること自体には疑問が残りますが
単純にクオリティとしては悪くない作品です。
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Re: 強面監督
2005/9/14 2:32 by
まるまる
> メインは女優を志す女性が業界の人間関係の
> 迷宮にハマってゆくという話ですが
認識間違ってません?そういう話ではないと思うんですが・・・。 -
如何様に認識しましたか?
2005/9/16 16:47 by
アキラ
興味深い議題なので返信させて頂きます。
と言うのも、確かにこの作品は一概に説明しきれない面を持っているので、様々な解釈を生み得ると思うからです。
私自身、"人間関係の迷宮"という言い回しに厳密には少し飛躍を感じています。もう少し内的世界に偏った物語にも思えます。
ただ繊細な他人の内的世界さえ土足で踏み荒らし踏み荒らされ、互いに侵食し合う人間関係が芝居作りをはじめとする共同制作の現場にはあり
熱く侵食し合う多数の内的世界の裏にはビジネスとしての冷たく大きな流れがあると言う事でこういった言い回しを選びました。
これまでの傾向を見る限り不条理系のリンチ作品では、不可解な現象は構造を作る為の仕掛けに思えます。
この作品では役者特有の人間関係が多面的に見えてしまうと同時に自分が解らなくなる怖さを見る側に疑似体験させる手段として、ブラックボックスという不思議なアイテムを多数の意識のつなぎに使っています。
このアイテムは京劇でいえば虎度門みたいなモノ、或いは舞台体験そのものという位置付けなのだろうと受け取りました。
今敏監督の『PERFECT BLUE』やビリーワイルダーの『サンセット大通り』では劇的に解り易い狂気として脚色されていた部分を、もっと体現的に提示している様に感じました。
特にドンマックリーンの懐メロをオペラ風に歌うシーン等は、複数の表現が交じり合う現場にある自我が零れ出す時に極めて近い感覚がありました。
(自我が零れ出すというのは具体的には新藤監督等のディベートを基礎にした脚本会議等で、よりリアルを追求する為に
取材内容に加えて個々のスタッフが個人的体験すら吐露して意見し合い互いの心に無防備な形で創作する感覚を指します)
と、これが私の解釈です。あくまで私的体験と結びつけて考えています。なので違う角度からの解釈もお聞かせ願えれば幸いです。 -
Re: 強面監督
2005/9/28 4:38 by
まるまる
返信ありがとうございます。
えっと、少し論点がずれているのかもしれませんが、この映画は一言で表すなら「ハリウッド版のマッチ売りの少女」だと思うんですよ。悲惨な死を遂げた女性が最期に幸せな夢を見ると言うのがテーマなんじゃないんでしょうか?
実際は女優としても成功できずに恋人にもふられ、結果カミーラを殺してしまったダイアンが、前半部分で自分にとってすごく都合の良い、物事が自分の思い通りになる夢を見ます。
自分の恋人を取った監督はボロボロになり、自分は実力や叔母のコネで女優としての成功も見え、カミーラとも恋人としての関係を築けるといった内容の夢ですね。
マフィアの影やすごくマヌケな暗殺者、エスプレッソを吐く人など、現実での恐怖・罪悪感・願望・嫌悪感が夢の中で表されている部分もありますが、前半は基本的にダイアンにとって都合の良い話なんですよ。
そのことを踏まえて考えれば、芝居はただの設定であって、人間関係も至極簡単で迷宮と呼ぶにはほど遠いと思うんですよね。
これが私の解釈なんでご意見頂ければ嬉しいです! -
お返事…のつもり
2005/9/29 16:03 by
アキラ
私の記憶が薄れている部分を補ってくれる丁寧な解説をありがとうございます。
というのは、実は私はリンチ作品はビデオでは『ホテルルーム』『ツインピークス』等のTVシリーズ版を除く
『イレイザーヘッド』から『ロストハイウェイ』までしかコレクションしておらず、『ストレイトストーリー』とこの作品は劇場で一度見たきりです。
よく考えてみればこの監督のシーン以外にもさり気なく笑えるシーン満載だった事を思い出しました。
なるほど、彼女の主観で捉えましたか。ある種の走馬灯という解釈でしょうか。
作品内に渦巻く様々な感情は彼女自身の深層心理であった様にも思えますね。
ビートルズのアイアムウェイラスじゃないけど、私は彼で彼は貴方で…って
現象は夢だとすればユングの"睡蓮の根"と考えると自然かもしれませんね。
スターダムは妬みや生霊の宝庫なのでこーゆー夢に迷い込む感覚は
おそらくリンチ自身も嫌というほど経験済みなのだろうと思います。
彼女の感情は同時に誰かの感情でもあり得るって繋がりが必然になる体験です。
何処までも夢であり同時に現実でもある表裏一体の感覚を見せる上で
ハリウッドという設定は都合が良い。『ロストハイウェイ』ではメビウスの輪状に
繋げた終わりのない悪夢(或いは意識)が、今作品では枝分かれし
複合的な交わりを見せる。それが私に迷宮という感覚を与えました。
視点が誰のものなのか定義を変えながら見てみると、読み幅が広がるかもしれません。
展開として起きている事自体は単純でも、主体を変える事により表現される
そこに渦巻く様々な感情は視点次第であらゆる拾い方を可能にしていると思います。
単にお返事するつもりが途中から自分の解釈の話になってしまいました。ご容赦下さい。
元々は対話を目的に書き込んでいる訳ではないので、勝手ながらこれにて失礼させていただきます。 -
Re: 強面監督
2005/10/2 15:49 by
まるまる
確かに深い作品ですが、本質を見れば決して難しい話ではありませんよ。
リンチ作品の中ではむしろ一番単純明快で筋が通ってると思いました。
解釈は人それぞれで当然ですが、監督の意図していないことまで勝手に解釈して納得してしまうのは悲しい気がします。理屈を並べるより、本質を理解する映画の見方をお薦めします。 -
参考までに
2005/10/9 19:58 by
neko
こんばんわ。
突然ですが『マルホランド・ドライブ』を愛するものとして一言言わせてもらいます。
一般的にデヴィッド・リンチはメディア露出が嫌いとか言われていますけど、ロードショ−の度に色々と雑誌にコメントを出しています。『ナイト・ピープル』なんて映画もあったし。とりあえず、公開当時に言っていた事に近いインタビュー載せてるサイトにリンク張っておきます↓
<リンクURL>
これってもともとゴシップを扱ったテレビ用のネタなんですよね。そこ踏まえて、ここでの批評にコメントするなら下のようになります。
●業界の人間関係→監督の意図は解っているんだろうけど、言い方が曖昧。
●ハリウッド版マッチ売りの少女→監督の意図していないことまで勝手に解釈して納得した悲しい理屈。
双方とも本質を理解する映画の見方をお薦めします。って本質なんてあるのか!?
おわり -
そうですか?
2005/10/22 3:19 by
あつこ
「ハリウッド版のマッチ売りの少女」ってすごく的を得た表現だと思いますが。
私もゴシップを取り扱った作品というのは知っていましたが、映画を見た感じではそのようには思えませんでした。音楽のように感じてほしいと言う事なので、確かに本質という言葉自体に疑問は残りますが、「ハリウッド版のマッチ売りの少女」というのは聞いてなるほどと納得できたし、一番しっくりくる表現だと思いました。
nekoさんも監督の言葉を借りて批判するだけでなくて、ご自分の意見を書かれてはいかがでしょうか? -
Re: 強面監督
2007/8/5 20:12 by
るる
この映画はラブストーリーだと思います。以上。
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Re: 強面監督
2007/10/9 6:06 by
通りすがり
アキラさんのような映画を理解せず、映画を観たということだけで寸評する人がいるということは悲しいことだと思います。
100の映画があれば100の理解があるですが、100の感想はあっても監督の描きたかったテーマは一つです。それをいかに理解できてどう思うかが大切ではないでしょうか。
私はこの映画はみんなが経験したことのある人間の弱い部分がうまく映像化されて素晴らしいと思います。表現にクセがありますが・・
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