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専制君主という名の幼虫は、民主主義の水を好む
2018/11/19 14:49
by
tabula_rasa
タイトルのつけ方が少々強引な気もしますが、大きな問題ではないでしょう。それよりも私自身、今のアメリカのあり方に危機感を持っていましたから、今回はマイケル・ムーアに共感できました。
この作品は2年前の大統領選挙で、なぜこのような番狂わせが起こったかを追及した作品で、私が知らない過去のニュースがいろいろと出てくるのが興味深かったです。特にフリントで起こったふたつの事件に関しては、とても驚かされました。
もうひとつこの作品に好感を持ったのは、単純に大統領を批判しているわけではないところです。彼を選んだのはアメリカ国民に他ならないと言うこと。さらに過去に遡っても、ヒトラーを選んだのはドイツ国民ではあるが、当時の彼らがたいへん聡明なひとたちだったことを挙げ、「まともな民衆からファシズムが生まれ出る」という教訓を今度こそ生かそうと、強く訴え出ています。
これまでのマイケル・ムーアの作品は、プロパガンダを批判するためにプロパガンダ的な手法を使っていて、そこが好きではなかったのですが、本作は監督の真摯な姿勢が垣間見えて、好感を持ちました。
2018/11/08 TOHOシネマズ西宮OS(8)
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