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企業戦士達の熱闘を描く硬派エンタメ作品
2019/2/4 22:11
by
みかずき
池井戸潤原作作品としては意外な作風だったが、これは面白いと鑑賞中何度も頷いてしまった。本作は社会派作品ではあるが、硬派一辺倒にならず、コミカルな要素を巧みに織り込んだ、上質なエンタメ作品として堪能できる。
本作の主人公は、中堅電機メーカである東京建電の営業一課・係長である八角民夫(野村萬斎)。営業部員たちは北川部長(香川照之)の厳しいノルマ要求に戦々恐々としていたが、八角だけは泰然自若とした仕事振りだった。そんな彼に担当課長である城戸(片岡愛之助)は激高するが、八角にパワハラで訴えられる。その後、この事件は予想外の方向に大きな広がりをみせていく・・・。
主人公を取り巻く俳優陣が豪華である。TVの池井戸潤原作作品ではお馴染みの面々が息詰まる舌戦を繰り広げ、新事実を暴き出しながらテンポ良く事件の核心に迫っていくプロセスは見応え十分であり、画面に吸い込まれてしまう。その分、人物像の掘り下げは弱いが、芸達者で個性的な俳優を揃えているので、彼らの佇まい、表情で人物像が推察できるのは流石である。
本作は何といっても八角の存在感が際立っている。掴みどころがない。得体が知れない。正義なのか悪なのか釈然としない。謎めいた人物である。そんな人物を野村萬斎が嬉々として演じ切っている。八角を演じるとしたら、どこか浮世離れした、飄々とした雰囲気を持っている野村萬斎が最適役である。
ラストの八角の独白は、彼の人生経験から得られたものだろう。仕事人間として日本の産業構造の中で生きている者なら共感できる。理想と現実は決して一致することはない。しかし、理想を目指して不断の努力を続ければ、現実を理想に肉薄させることができる。
ものづくりの原点は、正直であること、真摯であることだと私は思う。簡単なようだが、閉鎖的な日本の産業構造の中で、それを貫くことは、決して容易ではないことを本作は強く我々に問題提起している。
3人がこのレビューに共感したと評価しています。
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Re: 企業戦士達の熱闘を描く硬派エンタメ作品
2019/2/6 20:26 by
猫ぴょん
売って売って売りまくれ〜!!!
香川照之さんピッタリ〜笑笑
お邪魔します
みかずきさん^^
みなさん濃かったですね(≧▽≦)
悪〜い顔のオンパレード(笑)
TVでもお馴染みですね(爆)
ものづくりは大変ですね。
昨今いろいろな「改ざん」がニュースで流れているのであるあるオンパレードでした。
下請けのネジ会社のお話し部分がとても面白かったのでもう少し多めに時間を割いて欲しかったな〜と。
そこら辺が少し残念でしたが面白かったです。
原作を読んだら藤森慎吾さんドンピシャで笑っちゃいますよ〜
そうそう鹿賀丈史さんもイメージぴったりでしたw
大寒波襲来にビビっている猫でした^^ -
Re: 企業戦士達の熱闘を描く硬派エンタメ作品
2019/2/7 20:01 by
みかずき
こんばんは。猫ぴょんさん。
みかずきです。
レスありがとうございます。
豪華俳優陣でしたね。
濃い、個性的な面々でししたので、
彼らの顔芸、舌戦は見応え十分でした。
2時間でテンポよく話は進んでいくので、観易かったですが、個々の事件や人物像の掘り下げが弱っくなった感はありました。
ストーリーがしっかりしていましたし、
池井戸潤作品ならばラストはああなるだろうと予測はできました。
その分、安心して鑑賞できました。
池井戸潤原作作品との相性は良いので、これからも鑑賞していきたいです。
では、また、沢山の作品で盛り上がりましょう。
失礼しました。 -
Re: 企業戦士達の熱闘を描く硬派エンタメ作品
2019/2/9 11:41 by
Stella
みかずきさん(^^)/
おはようございます☆彡
お元気ですか・・
今朝は、雪もふる都内です(^▽^;)
作品、鑑賞しました(^^ゞ
なかなかレビューかけなくて
時間つくって がんばりますね。
社会派ですね。
池井戸潤さん作品は
「半沢直樹」から見ています。
会議シーン
御前会議・・・・もうびっくりでした。
いや〜怖いですね。
豪華俳優陣の存在感
半端なかったです。
目力 全開(笑)
>ものづくりの原点は、正直であること、
真摯であることだと私は思う
同感です(#^.^#)
不正はいけませんことよ -
Re: 企業戦士達の熱闘を描く硬派エンタメ作品
2019/2/9 16:26 by
無責任な傍観者
七つの短編連作を一つにまとめて、一本の映画にしたなら、なかなかよく出来た作品なんでしょうね。
なんのかんので楽しめました。
ちなみに、今年のこんぴら歌舞伎は香川照之と「いだてん」の勘九郎の共演です。 -
Re: 企業戦士達の熱闘を描く硬派エンタメ作品
2019/2/9 16:59 by
みかずき
こんにちは。Stellaさん。
みかずきです。
お久し振りです。
レスありがとうございます。
本作、社会派作品にしては、エンタメ性も考慮されていて、観易い作品です。
洋画派のStellaさんも御覧になったということは、
なかなか面白い作品だということでしょう。
会議の後の雑談で部下に本作を推薦したのですが、社会派作品ということで、反応はイマイチでした。
私も一応、企業戦士ですが、
本作を観ると、色々と、考えさせられます。
現実の厳しさを感じます。
では、また、今度は洋画でお逢いしましょう。
大寒波が来襲していますので、
体調には気を付けください。
失礼しました。 -
Re: 企業戦士達の熱闘を描く硬派エンタメ作品
2019/2/15 7:59 by
悶mon
みかずきさん、こんにちは。
悶monです。
私のレビューへのレスありがとうございます。
久々に同じ作品を鑑賞できましたね。
>本作、私もとても面白い作品だと思いました。
わたしは、モノづくり企業に勤めているので、
ラストの八角の独白は、心に響きました。
確かに、八角の独白は、印象深いものがありました。
日本のモノづくり企業に対する深い洞察と、
鋭いメッセージがあったと思います。
>正統な社会派作品でありながら、コミカルな要素もあり、硬軟のバランスが絶妙な作品でした。
緊迫したシーンとともに、コミカルなシーンが絶妙なタイミングで織り込まれて、退屈することなく、鑑賞できました。
>八角を演じた野村萬斎、ピッタリの役どころでした。時代劇だけでなく現代劇でも、あの独特な雰囲気は生きていました。
今回の作品の成功の鍵の多くは、野村萬斎の力によるところが大きいです。
またひとつ、芸風を広げたようですね。
それでは、今年もまた、共感作で語り合いましょう。
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