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考えさせられる家族のカタチ

90点 2018/6/14 8:46 by 悶mon

万引き家族

本作品は、「誰も知らない」(2004年)や「そして父になる」(2013年)で、家族の在り方を描いてきた是枝監督が、新たな発想で、家族とは何かを問う意欲作として、興味深く鑑賞することができました。

本作品で描かれるのは、貧しいけれども明るい5人家族。
そこには、日雇いの父・治と、クリーニング店勤めの妻・信代がいて、息子の祥太、信代の妹・亜紀、祖母の初枝がいた。
家族の生活の頼りは、祖母の年金であったが、足りない部分を「万引き」で賄うというのが、家族だけの秘密。
そんなある日、近所の団地の廊下でひとり佇む少女を、見かねた父が連れて帰る。
「ゆり」と名乗る少女は、6人目の家族となっていく…。

「万引き家族」という題名なので、犯罪を何とも思わない人たちなのかと思いきや、そこで描かれるのは、本音を言いながらも、明るく仲良く暮らす家族の姿でした。
住んでいる一軒家からして、どこか昭和の高度経済成長期の、貧しいけれど、強くたくましい家族のような気がしてしまいました。

ところが、この一家のひとりひとりには、ある事情があったのです。
物語が進行するにつれ、次第にこの家族が、「万引き」だけではなく、普通とは違う一家であることに観客は気づき始めます。
このギャップが大変に興味深いところで、家族以上に家族的な一家、それぞれが思いやりの心で、お互いを支え合っているような一家が、その見かけとは全く違う家族であることに戸惑いを隠せないことでしょう。

ここで観客は家族を結びつけているもの、いわゆる絆とは何かを考えさせられることと思います。
万引きを容認するような家族であれば、結びつきは単なる「お金」なのか?
でも、そうとばかりは言っていられないようなことが、物語後半のある事件を通して明らかになっていきます。

家族以上に家族的と言えば、「ゆり」という少女は、両親から虐待を受けていて、その一家は、家族であるはずなのに、家族的でない家族と言え、この「万引き家族」とは、全く真逆の位置関係にあるのも興味深い点でした。

万引き家族のそれぞれの役者たちの演技の素晴らしさ、そしてそれを引き出した是枝監督の力量に圧倒された傑作として、満足度の大変に高い作品だったと思います。

 

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  • Re: 考えさせられる家族のカタチ

    2018/6/15 20:05 by みかずき

    こんばんは。悶monさん。
    みかずきです。

    日本映画らしい日本映画でした。
    演技巧者を揃えた豪華俳優陣の演技が見事でした。

    > 本作品は、「誰も知らない」(2004年)や「そして父になる」(2013年)で、家族の在り方を描いてきた是枝監督が、新たな発想で、家族とは何かを問う意欲作として、興味深く鑑賞することができました。

    斬新な視点で、家族を描いていましたね。
    家族の在り方を考えさせられる秀作でした。

    > 本作品で描かれるのは、貧しいけれども明るい5人家族。
    > そこには、日雇いの父・治と、クリーニング店勤めの妻・信代がいて、息子の祥太、信代の妹・亜紀、祖母の初枝がいた。
    > 家族の生活の頼りは、祖母の年金であったが、足りない部分を「万引き」で賄うというのが、家族だけの秘密。


    怪しげな家族の設定の割に、笑いに包まれた家族の本年の会話に、昭和家族の原点を観る思いでした。
    貧しいけれど、今を懸命に生きているからこその明るさを感じました。

    > ところが、この一家のひとりひとりには、ある事情があったのです。
    > 物語が進行するにつれ、次第にこの家族が、「万引き」だけではなく、普通とは違う一家であることに観客は気づき始めます。
    > このギャップが大変に興味深いところで、家族以上に家族的な一家、それぞれが思いやりの心で、お互いを支え合っているような一家が、その見かけとは全く違う家族であることに戸惑いを隠せないことでしょう。
    >
    > ここで観客は家族を結びつけているもの、いわゆる絆とは何かを考えさせられることと思います。
    > 万引きを容認するような家族であれば、結びつきは単なる「お金」なのか?
    > でも、そうとばかりは言っていられないようなことが、物語後半のある事件を通して明らかになっていきます。


    正しく、家族以上の家族でした。
    家族は形ではなく中身=互いの思いやりだという作品メッセージに胸が熱くなりました。

    > 家族以上に家族的と言えば、「ゆり」という少女は、両親から虐待を受けていて、その一家は、家族であるはずなのに、家族的でない家族と言え、この「万引き家族」とは、全く真逆の位置関係にあるのも興味深い点でした。

    そうですね。「ゆり」の家族は、万引き家族とは対極にありました。2家族の対比が、我々に、家族とは何?と鋭く問い掛けてきました。
    >
    > 万引き家族のそれぞれの役者たちの演技の素晴らしさ、そしてそれを引き出した是枝監督の力量に圧倒された傑作として、満足度の大変に高い作品だったと思います。


    そうですね。演技派を揃えた、これ以上望めない布陣でした。彼らを活かした是枝監督の演出が光っていました。

    エンタメ作品ではありませんが、こういう問題提起型作品も見応えがあっていいですね。

    では、また、色々な作品で語り合いましょう。

    失礼しました。

満足度データ

万引き家族
100点
11人(13%) 
90点
25人(30%) 
80点
26人(31%) 
70点
11人(13%) 
60点
4人(4%) 
50点
3人(3%) 
40点
2人(2%) 
30点
1人(1%) 
20点
0人(0%) 
10点
0人(0%) 
0点
0人(0%) 
採点者数
83人
レビュー者数
47
満足度平均
81
レビュー者満足度平均
83
ファン
20人
観たい人
59人

 

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