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生と死の境目

70点 2018/12/4 21:15 by tabula_rasa

人魚の眠る家

おもしろかったです。見応えがありました。こういう「答えの出ない問題を投げかけて観客に考えさせる」というタイプの映画はすごく好きです。ただ、意外性はありませんでした。「今この時点でこの題材を扱った場合、こういう方向に展開していくのが妥当だろう」という範囲内に収まっているので。
とはいっても退屈はしなかったので、観てよかったです。

ひとつ興味深かったのは、母親が脳死かもしれない子供といっしょに外出しているのを、周囲のひとが気味悪がるところです。これはたぶん、日本人が神道を無意識に受け入れているからだと思います。神道は死を「穢れ」として忌み嫌うので、死者を連れ出されることに恐れを抱くんだと思います(アカデミー賞外国語映画部門を受賞した『おくりびと』で、妻が納棺師の夫に「穢らわしい」と言うのも、根元はそこにあると思います)。

もちろん、神道が形作られた頃には「脳死」という概念がなかったので、当時の感覚でいうと「あの女の子はまだ死んでいない=穢れているうちには入らない」と思います。しかし現代では、「脳死も死である」という新しい定義が生まれたことにより、ここに神道で規定されている穢れが当てはまるかどうか微妙なラインになっている。「生と死の狭間はどこにあるのか?」という定義を問題として我々に突きつけられているのでしょう。

ちなみにスピリチュアル的には、脳死に至った段階ですでに魂はその肉体から離れている(飯田史彦氏の著書による)ので、すでに死んでいると考えられますし、私もその意見に賛成です。たしかに親御さんの気持ちを考えれば、なかなか受け入れられなくて当然です。でも、それはやはり仏教でいうところの「執着」に過ぎないのです。
ひとは遅かれ早かれ、ひとはいつか死ぬ。いつもどこかで、それを覚悟しておかなければならない。この映画を観て、あらためてそう思いました。

そういう意味でよい鑑賞になりましたが、ひとつだけ気になった点を挙げておきます。後半の修羅場で、警察に電話したあと警官たちが駆けつけますが、彼らの対応がぬるすぎることです。包丁を持って脅迫しているのに、アレはないかなぁと。たぶん、何らかの罪に問われると思うのですが(アメリカ映画だったら、完全にアウトになっていると思います)。あのシーン自体はとてもおもしろかったので、そこはちょっと残念でした。

2018/11/26 TOHOシネマズ西宮OS(5)

 

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満足度データ

人魚の眠る家
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