ただいまの掲載件数は タイトル60603件 口コミ 1162004件 劇場 588件

映画情報のぴあ映画生活 > 作品 > ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 > 感想・評価 > never

never

90点 2018/5/6 10:38 by 出木杉のびた

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

戦争に突き進んで行くお話なので、敗戦国民としては複雑な思いであるが、ヒトラーに屈しなかった男を描いた映画としての仕上がりは実に見事で、見応え十分なドラマに仕上がっていた。

アカデミーメイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞の辻一弘チームの特殊メイクの完璧さもさることながら、主演男優賞受賞のゲイリー・オールドマンのなりきり演技も素晴らしかった。上映時間125分内の、ほとんどの画面にチャーチルは登場している。毎朝4時間かけてメイクをし、12時間撮影して、1時間のメイク除去作業。これだけでも頭が下がる。画面から伝わる芝居の熱量も半端なく、物語上精神的にもかなり追い詰められた日々だったのではなかろうか。だが、その努力は見事に画面上で実を結び、本物がそこにいるとしか思えないような熱演振りであった。気が短くて感情の起伏が激しい。朝から酒を飲み、誰かれ構わず当たり散らす政界の嫌われ者。多数の兵士の命を左右しなければならない究極の決断。ヒトラーの要求を飲まざるを得ないかも知れない時の追い詰められ感。孤立無援の中での、思いがけない人物との間に芽生えた信頼の絆。そして、市民の声なき声を聞く為に、単身乗り込んだ地下鉄での交流。そして「never」という反応。全ての画面に於いて、全身全霊を注ぎ込んだような演技に魅了されまくった。

脇役としては、二人の女性に注目したい。チャーチルの妻のクレメンティーン(クリスティン・スコット・トーマス)と、秘書のエリザベス(リリー・ジェームズ)。クレメンティーンは、唯一チャーチルに意見できる女性であろう。愛情に裏打ちされた言葉の数々は、彼の支えになったことだろう。エリザベスはチャーチルに怒鳴られながらも、黙々と指示に従う献身振り。そんな彼女が、知らされないことに疑問をぶつけるシーンに心動かされる。全ては市民の与り知らぬところで、事態は進展していく。彼氏の運命と、その真実を受け止めるチャーチル。受けの芝居でも、その思いはしっかりと伝わってくる。

ジョー・ライト監督の演出も当然素晴らしい。現代の『Darkest Hour』のイメージ通り、暗い画面がかなり多いが、真っ暗な部屋からの開けられたカーテン越しの日射しとか、光と闇の使い分けが効果的。また、米大統領との直通電話でのやりとりの小部屋や、閉じられたドアの窓越しだけのチャーチルなど、孤立感を高める為の、画面の切り取り方も巧い。

見捨てられた前線で、報告を受けた兵士からの俯瞰ショットも凄い。そこからの爆撃シーンに、戦争の非情さ、惨さがが際立ってくる。車中から眺める市民たちの姿は、スローモーションで捉えられる。そこはまるで別世界のようで、この時チャーチルはまだ、市民の声を聞こうとは思ってもいなかった。

サイレント・マジョリティーと、信頼してくれる人の明確な意見と後押し。チャーチルは彼らの声を尊重することによって、歴史的決断を下せたのだろう。

 

2人がこのレビューに共感したと評価しています。
ユーザー登録すると、レビューを評価できるようになります。

  • Re: never

    2018/5/6 19:00 by 猫ぴょん

    > 毎朝4時間かけてメイクをし、12時間撮影して、1時間のメイク除去作業。

    気が遠くなります〜

    こんばんわ
    のびたさん^^

    ひたすらゲイリー・オールドマンに魅了された125分でした。
    素晴らしかった〜(#^^#)
    観終った後の満足感
    映画ってイイですねぇ(#^^#)


    話変わりますが
    「ラプラスの魔女」残念だったのですね
    発売当時友達から借りて読んだのですが
    ちょっと変わったお話しでしたが駄作という感じではなかったような。
    劇場に行く気にはなりませんがレンタルで観たいな〜と思っておりますw

  • Re: never

    2018/5/7 5:41 by 出木杉のびた

    猫ぴょんさん、おはようございます。
    かなり遅ればせながら観てまいりました。

    ゲイリー・オールドマンのなりきり演技、素晴らしかったですね。メイクされる方も大変ですが、毎日これだけのメイクを施す辻さんも、相当労力を使ったことだと思います。正にプロフェッショナルですね。ジョー・ライト監督の演出も素晴らしい。『つぐない』が大好きでしたが、また傑作を作ってくれてとても嬉しいです。

    さて、『ラプラスの魔女』にはガッカリしました。原作がどんなかは気になってます。そこは東野圭吾ですから、そこそこ面白いのでしょうね。でも、あの映画での描かれ方だと、青江教授は主人公ではないのではないかと感じました。

満足度データ

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
100点
12人(11%) 
90点
28人(27%) 
80点
28人(27%) 
70点
22人(21%) 
60点
9人(8%) 
50点
2人(1%) 
40点
1人(0%) 
30点
1人(0%) 
20点
0人(0%) 
10点
0人(0%) 
0点
0人(0%) 
採点者数
103人
レビュー者数
59
満足度平均
80
レビュー者満足度平均
83
ファン
7人
観たい人
56人

 

返信を投稿

名前 ※ニックネーム可
メール ※表示されません
見だし
内容
※ネタばれ、個人・作品に対する誹謗中傷はご遠慮下さい。
※ネタばれや質問などは掲示板
オプション この作品のお知らせメールを受け取る(返信をお届けします)
レビューを初心者モードで投稿する



掲載情報の著作権は提供元企業などに帰属します。
Copyright©2018 PIA Corporation. All rights reserved.

Myページ

ログイン

はじめての方はこちらから

新規ユーザー登録
ぴあ映画生活 facebook公式ページ
ニコニコ生放送 週刊ぴあ映画生活


上映情報

他の地域

この映画のファン

  • shiron
  • 出木杉のびた
  • ラッキーココア
  • マリナハート
  • cinerama
  • 猫ぴょん
  • FOXHEADS

 

ユーザ登録をするとこの映画のファンに加わることができます

ぴあの映画特別号「ぴあ Movie Special」、最新号となる冬号が12/1発売!
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 4DX体験レポート
あの映画の“核心”に迫る!話題作のキャスト・スタッフに直撃!【インタビュー記事まとめ】
新作続々、公開中!マーベル・コミック映画ニュースまとめ!
『インクレディブル・ファミリー』特集
ぴあの映画特別号「ぴあ Movie Special」、最新号となる秋号が10/1発売!

クチコミ満足度ランキング

初日満足度 観客動員数 DVDレンタル

満足度 投稿数 観たい ファン

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』まとめ
音を立てたら即死!? 全米大ヒットホラー『クワイエット・プレイス』をはじめ、あの“くまのプーさん”を実写化した『プーと大人になった僕』、豪華キャスト集結の『食べる女』など新作続々更新中! 映画論評・批評の新コーナー“critic”