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茶道と日本の季節感

90点 2018/10/25 20:46 by 悶mon

日日是好日

本作品は、エッセイの原作があり、ベストセラーになっているそうですが、映画公開までその存在を知りませんでした。
鑑賞の動機は、「茶道」という自分にとって未知の領域を題材にしていることに興味を覚えたのと、先日(2018年9月)逝去された樹木希林が重要な役どころで出演しているということでした。

主人公の典子(黒木華)は、大学に通っていたが、自分の将来の道を模索中であった。
そんなある日、近くに住む武田さんに、「お茶」を習ったらどうかと、母から勧められた。
結局、従姉妹の美智子(多部未華子)とともに、武田先生(樹木希林)の茶道教室を訪ねた彼女は、戸惑いを感じながらも、次第に茶道に慣れ親しんでいく…。

本作品のシーンの大半は、茶室の中、という設定で、武田先生の指導を典子が受ける姿にかなりの時間が費やされます。
でも、これが退屈ではなく、私のような茶道についてほとんど知らない人間にとっては、その作法の奥深さに次第に惹き込まれていってしまいました。

「世の中にはすぐ分かるものと、分からないものがある」――これは、予告編の冒頭で流れるセリフですが、茶道の決まり事は、まさにその真の意味がよく分からないものです。
典子は、その所作について、頭ではなく体で覚えるように指導を受けますが、次第に感性が研ぎ澄まされていくことに気づきます。

この茶道と密接に結びついているのが、日本の季節感です。
本作品では、そのシーンがどの季節なのか、テロップで流れますが、これが、春夏秋冬という四つの季節ではなく、二十四節気という、さらに詳細な区分で表現しています。
「夏至」や「冬至」なら、何となく分かるけど、「清明」や「小暑」となると、なかなか難しいですね。
でも、要は、それだけ、日本の季節感が細やかであり、茶道もその細やかな季節感に裏打ちされているということが分かればよいのだと思います。

そして、典子も、例えば、茶室の外の雨の音に季節感があることに気づくなど、段々と五感が鋭くなっていきます。
この過程で、気づくのが、題名にもなっている「日日是好日」の意味するところなのです。

また、本作品に深みを与えているのが、武田先生が典子に語りかけるセリフで、そこには人生哲学のようなものがあります。
私は、人生の極みに達していたと思われる、樹木希林自身の言葉のようにも聞こえてきました。
それほど、人生の意味について、考えさせられるセリフに満ちていました。

典子の人生は、困難ばかりで決して平坦ではないけれど、茶道を通じて得た、人生観によって自分らしい生き方を体得していきます。
ラスト、彼女がどんな境地に達していたのか、是非とも、劇場へ足を運んで確かめてみてもらいたいと思います。

 

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  • Re: 茶道と日本の季節感

    2018/10/26 0:39 by みかずき

    こんばんは。悶monさん。
    みかずきです。

    私の好きな時代劇に欠かせない茶道を取り扱った、樹木希林出演の作品ということで鑑賞しました。

    極めて日本的で心に染み渡るような作品でした。
    仰る様に、茶道の作法についての説明が丁寧で、多くの時間を割いていますが、それが苦にならず自然に受け止められるのは、自分が日本人だからなんだなと実感しました。

    > また、本作品に深みを与えているのが、武田先生が典子に語りかけるセリフで、そこには人生哲学のようなものがあります。
    > 私は、人生の極みに達していたと思われる、樹木希林自身の言葉のようにも聞こえてきました。
    > それほど、人生の意味について、考えさせられるセリフに満ちていました。

    樹木希林が従来とは異なる役どころで茶道の達人を演じていました。主人公を導くような台詞が多く人生訓のようでしたね。

    > 典子の人生は、困難ばかりで決して平坦ではないけれど、茶道を通じて得た、人生観によって自分らしい生き方を体得していきます。
    > ラスト、彼女がどんな境地に達していたのか、是非とも、劇場へ足を運んで確かめてみてもらいたいと思います。

    そうですね。紆余曲折を経て、主人公が辿り着く境地は納得できた。フィクションではありましたが、良かったと思いました。

    では、また、色々な作品でお逢いしましょう。

    失礼しました。

満足度データ

日日是好日
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