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“インドの星”は女がつかむ

90点 2018/4/16 17:56 by くりふ

ダンガル きっと、つよくなる

数少ない、楽しみだった一本。堪能しました。アーミル・カーンに今のところ外れなし。彼の良さ…演者として製作者として…がストレートに発揮されていますね。予想と違ったところが嬉しい驚きでした。マチズモオヤジが娘を女扱いせず振り回し、最後に改心する話…と思っていたら、映画は始めから、性差の先を見据えていました。

アーミル演じるマハヴィルは、ゴーイング強引父ちゃんではありますが、まず娘の素養を見抜き、それを最大限延ばそうとするんですよね。そのきっかけとなるのが、娘が女の尊厳を守ろうとした闘いであったこともポイントでしょう。

はじめは、自分の夢を叶えるという欲望に憑かれたのかもしれない。が、子供自身がトップへ登り幸福を掴める、という確信もあったのですよね。で、その道を進むに性差は関係なかった。この点がはじめに明示され、マハヴィルが全く真っ当な人物に思え、最後までスッキリ併走できました。

気になっていたのは、インドでは同年に公開された『スルターン』との類似性。あちらもレスラーの人生明暗を描き、フェミニズムもしっかりおさえ見事に面白かった。その二番煎じぽかったらヤダな…と思っていたのだがゼンゼン違った! こちらはフェミニズムの先へ行こうとしている。成功したかは別にして、アーミルは一見地味な本作で、ちゃんと挑戦しとるなあ、と感心したのでした。

…だから逆に、欠点として浮いていたのが、マハヴィルがインドの少女たちへの想いを語ってしまうところ。ここは説教くさいね。アーミル自身がそれを願って映画を作ることはわかるが、マハヴィルがあの流れで語るのは唐突過ぎるし似合わない。まあ、アーミル映画はどこか説教くさいからご愛嬌、とは思いましたが。

あと、インド娯楽映画らしいともいえるが、NSAのコーチを単純な悪役にし過ぎですね。流石にここまで酷いのいないっしょ、あの最後の企みとかも(…“娘離れ”のいいシーンを生むわけですが)。大丈夫かインドのスポーツ界(笑)。この人物にはもうひと匙、リアルが欲しかった。

“本音を歌に託す”のもインド娯楽映画の定番ですが、本作も名曲、揃っていますねえ。父ちゃんの無慈悲な特訓シーンに流れる「Haanikaarak Bapu」が楽しい。訳すと“有害父ちゃん”という意味で、インドで上映前に流れる反喫煙・反飲酒キャンペーンの言葉とかけているそうです。これはテーマソング♪ダンガルダンガル…と併せ、覚えて歌いたいぞ!(笑)

改めて全体振り返ると、見事な完成度だと思うのですが突然変異ではなく、映画大国インドではこのレベルの映画は次々作られているのですよね。日本に入って来ていないだけで。昨年末から『バーフバリ』がシネコンで地道にロングランヒットを続けており目出度いですが、またも一過性で終わらずに、こうしたインド映画をどんどん公開してほしいものです。

…その他、また書きたいこと数あれど、長くなったのでこの辺で。

あ、ちなみに、公式サイトに『巨人の星』作者、川崎のぼるさんが、本作へのコメントとイラストを寄せています。このプロモは巧い!
<リンクURL>
イラスト、いい感じだけど、似せようとしたせいかヘンな顔(笑)。星一徹を茶色く塗って、クルタ着せればまんまマハヴィルになったと思うけどなあ…。

 

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  • 「オリジナル版」見ました

    2018/9/13 12:38 by くりふ

    国内発売&レンタルされたブルーレイのみ、公開されたインターナショナル版(140分)ではなく、オリジナル版(161分)だと知り、さっそく借りてみました。

    …私は、コッチの方がいい!

    インタ版再見して比較しないと細部は忘れたが、ハッキリ言えるのはオリジナルの方が、滑らかで無理がない。間延びしてもいない。

    オリジナル特有のものかはわからないが、劇場では雑多で賑やかな印象だったのに、こんなに静謐な映画だったのか…と感じられたことも驚き。ベースが動より静だ。それが映画を上品にしている。スポ根らしからぬが最後は結局、手に汗握ってしまう…やっぱ巧いなあ。

    公開版のオープニングはかなり短かったと思うが、オリジナルはあのテーマソングに乗って、現実のダンガル・コラージュが流れて惹き込まれる。が、上記のベースに乗り、ゆったり始まるところが戦略的だ。

    シャールク&カジョールの某映画を、NSAの皆で見て盛り上がる…って、公開版にあった?悪戯心ある楽しいシーンだが、忘れただけかな?

    ラストは公開版より国威高揚度UP?…インド映画らしいけれど(笑)。

    オリジナルだからというより、再見したことで気付けた収穫は、マハヴィルの説教に違う意図を見いだせたこと。劇場ではクライマックス前夜、インドの少女たちへの想いを語るのが唐突で似合わない…と感じたが、語った相手のリアクションからすると、この説教は相手を鼓舞する戦略として放った…ようにも思えてきた。そう捉えると、ラストまでの流れがまた違って見えてきて、二度美味しい。

    47分?あるプリプロ中心のメイキングも見応えあり。まずモデルとなった姉妹レスラーが登場するが、演じた女優さんに負けず劣らず魅力的。オーディション映像も興味深く、選ばれた女優さん各々、原石として光っている事がわかります。あと、あの少女たちの断髪式…。アーミルが役柄だけでなく、撮影現場でも鬼だった事がわかります(笑)。その他、貴重かつ楽しい情報詰まっており、見て損はないでしょう。

満足度データ

ダンガル きっと、つよくなる
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採点者数
50人
レビュー者数
26
満足度平均
85
レビュー者満足度平均
86
ファン
12人
観たい人
28人

 

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