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マザコンですから…

80点 2018/1/29 5:49 by 出木杉のびた

祈りの幕が下りる時

加賀恭一郎シリーズ鑑賞は、映画の前作『麒麟の翼』のみで、テレビシリーズを見ていないのが残念。今年も続々と映像化される東野圭吾原作ものは、押さえておいた方がよさそうだ。さて、本作の映画の作りは、その昭和っぽい語り口や、物語内容から、ある邦画の名作を思い起こさずにはいられない。登場人物の表舞台に立つ職業とか、親と子の物語であるとか、未読ではあるが原作からしてその作品へのオマージュが感じられるのではなかろうか。道行を意識したシーン、感動的な音楽さえあるので、まず間違いあるまい。

阿部寛のはまり役となった加賀が、何故日本橋署に来て、そこを動こうとしなかったのか。新たに起こった事件を解き明かすうちに、その真実が見えてくるという構成が実に見事だ。この手のシリーズものでは、書き手と読み手の暗黙の了解があり、いちいちそんなことは説明しなくても物語は楽しめるのだが、そのタブーの部分を巧みに取り入れて、二組の親子の真実が浮き彫りにされていく。

自らマザコンと言って憚らない加賀は、失踪していた母親の足跡を辿っている。憎んでいた元刑事の父親の死に際を看とらなかった加賀と、その父親の真意。対となるもう一方の家族の娘は、母親を憎み、父親をひたすら愛していた。あまりにも身勝手な母親の態度、行動を見るにつけ、その責を押しつけられた家族への憐憫の情が湧いてくる。

黒コゲ遺体の身元解明に奔走する捜査班の様子、捜査の進展状況は、捜査本部室で見せていく。推理は当たりも外れもするので、観ているこちらも翻弄される面白さ。カレンダーと橋の名前の謎が興味深い。カレンダーにそれ以外の予定が書かれていないのは、やや違和感ありだが…。

やがて解き明かされる真実には、やはり涙せずにはいられなかった。その時代、家族によって形は違えど、親が子を、子が親を愛する気持ちは、永遠不滅である。

 

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  • Re: マザコンですから…

    2018/1/29 22:43 by みかずき

    こんばんは。のびたさん。
    みかずきです。

    本作、大ファンの松嶋菜々子出演ということで楽しみにしていました。

    > さて、本作の映画の作りは、その昭和っぽい語り口や、物語内容から、ある邦画の名作を思い起こさずにはいられない。登場人物の表舞台に立つ職業とか、親と子の物語であるとか、未読ではあるが原作からしてその作品へのオマージュが感じられるのではなかろうか。道行を意識したシーン、感動的な音楽さえあるので、まず間違いあるまい。

    そうですね。私も、昭和のあの名作を思い出して懐かしくなりました。

    > 阿部寛のはまり役となった加賀が、何故日本橋署に来て、そこを動こうとしなかったのか。新たに起こった事件を解き明かすうちに、その真実が見えてくるという構成が実に見事だ。この手のシリーズものでは、書き手と読み手の暗黙の了解があり、いちいちそんなことは説明しなくても物語は楽しめるのだが、そのタブーの部分を巧みに取り入れて、二組の親子の真実が浮き彫りにされていく。

    確かに、この手の作品で、主人公自身の人生に踏み込むことは、あまりやらないですね。
    主人公のイメージが変わってしまうリスクを
    冒して、そこにフォーカスしたのが、
    本作では成功しましたね。

    > 自らマザコンと言って憚らない加賀は、失踪していた母親の足跡を辿っている。憎んでいた元刑事の父親の死に際を看とらなかった加賀と、その父親の真意。対となるもう一方の家族の娘は、母親を憎み、父親をひたすら愛していた。あまりにも身勝手な母親の態度、行動を見るにつけ、その責を押しつけられた家族への憐憫の情が湧いてくる。

    親子について、
    色々と考えさせられる作品でしたね。

    > 黒コゲ遺体の身元解明に奔走する捜査班の様子、捜査の進展状況は、捜査本部室で見せていく。推理は当たりも外れもするので、観ているこちらも翻弄される面白さ。カレンダーと橋の名前の謎が興味深い。カレンダーにそれ以外の予定が書かれていないのは、やや違和感ありだが…。

    仰る通り、
    前半の捜査本部を中心にした真相究明劇は、
    テンポが良く、見応えがありました。
    試行錯誤、紆余曲折しながらも、泥臭く粘り強く真相に迫っていく刑事たちが昭和的でした。

    > やがて解き明かされる真実には、やはり涙せずにはいられなかった。その時代、家族によって形は違えど、親が子を、子が親を愛する気持ちは、永遠不滅である。

    想像を遥かに超える壮絶な真実には絶句でした。
    単なる推理劇ではなく、切な過ぎる人間ドラマでした。

    では、また共感作でお逢いしましょう。

    失礼しました。

  • Re: マザコンですから…

    2018/1/30 6:06 by 出木杉のびた

    みかずきさん、おはようございます。

    松嶋菜々子さんファンだったのですね。僕はエキストラで大勢の女優さんを見てはいますが、松嶋さんにはまだお目にかかったことがないので、是非一目見てみたい女優さんであります。本作ではミステリアスな役柄で、また魅力的でしたね。

    加賀が同じ署を動かない理由など、説明されなくても物語は楽しめるのですが、その理由が本作の事件と密接に関わり合っていたという展開が見事ですね。さすが東野圭吾、素晴らしいストーリーテラーであります。

    あの名作がモチーフであるのは間違いないと思いますが、それを動機的意味での逆転というか、転換というか、ただのオマージュに留まらない発想には完敗でした。

満足度データ

祈りの幕が下りる時
100点
26人(22%) 
90点
33人(28%) 
80点
28人(24%) 
70点
13人(11%) 
60点
7人(6%) 
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3人(2%) 
40点
2人(1%) 
30点
2人(1%) 
20点
0人(0%) 
10点
1人(0%) 
0点
0人(0%) 
採点者数
115人
レビュー者数
60
満足度平均
82
レビュー者満足度平均
83
ファン
13人
観たい人
60人

 

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