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意地の悪い見方をすれば

70点 2018/3/9 20:12 by odyss

否定と肯定

田舎の悲しさで、東京に遅れること3ヵ月、ようやく上映された。

ホロコーストがあったかないかをめぐって、裁判沙汰になる実話。

見ていて、あれと思う部分が結構あった。

まず、否定論者が米国ではなく英国で裁判を起こしていること。米国の裁判なら訴えた側に立証責任があるけれど、英国は逆で、訴えられた側に立証責任があるという。裁判で争点になっている件について、証明するのは実は大変。私は裁判沙汰に巻き込まれたことはないけど、裁判では立証責任を負わされたほうが負けるケースが多いと聴いたことがある。

英国の裁判では、裁判長はもとより、弁護士でもカツラをかぶる場合があるんだね。ふうん。

裁判所のそとで、ヒロインに「ジュー」と罵声を浴びせる人がいること。今どきの英国にも反ユダヤ主義者はいるんだなあ。もっともホロコースト否定論者の学者も「ネオナチ」と罵声を浴びてたけど。

ヒロインがレイチェル・ワイズだから美人で、悪役のホロコースト否定論者は中年の醜男。いかにも映画的な配役だなあ(笑)。ちなみにパンフレットで実物のヒロインをみたけれど、残念ながらレイチェル・ワイズには遠く・・・(笑)

裁判のやり方って、国によっても違うし、結局はやり方を知っている弁護士やなんかに従っていれば勝つ、とお話なのか。ヒロインは最初はそれに抵抗するのに、結局英国流に従う。郷に入れば・・・ということかな。実際、ヒロインは裁判所で最初は裁判長に頭を下げるのを拒否している(米国流なのかな)けど、最後には頭を下げているんだね。でも、それで良かったのかな。

・・・思うに、ホロコーストについては研究している人も多いし、戦後の国際政治にも大きな影響を与えている。だから、本作品の否定論者のような変な「学者」がいるにしても、基本的にはその嘘は比較的容易に暴くことができる。

それに、こういう裁判で、もし否定論者を勝たせたら、英国の裁判所は国際的に非難囂々を覚悟しなければならない。だから、はっきり言うけど、結果は見えていたんじゃないか。

でも、と私は思う。
これほど研究者の数が多くなく、肯定論者も否定論者もそれなりにいる歴史上の争点が裁判沙汰になったら、どうだったろうか。
また、そういう問題について裁判で争うことがいいことなのかどうか。

その辺まで考えさせてくれる映画なら、良かったのだけれど。
という点で、「深さ」がちょっと足りない映画じゃないかと。

また、作中引用されているゲーテの「意気地なしは安全な場所でのみ大声を出す」という言葉だけど・・・ホロコーストについて言えば、否定論を語ることのほうがむしろ勇気が要るのではないか。むろん、否定論は嘘だということが第一にあるわけだが、米国ではユダヤ系の圧力団体があって、ホロコースト否定論にはすぐさま抗議などを受けることになる。
それに付随して私が思ったのは、なぜホロコーストの当事者ではない、つまり、やった側でも被害者でもない米国内で、これほどホロコーストが大声で語られるのかについて、米国人はあまり考えていないのではないか、ということだった。いや、ホロコーストを逃れて米国に移住してきた人が結構いることは確か。ヒロインもそういうユダヤ人の子供のようだし。

でも、米国が直接関わったホロコーストといったら、(ホロコーストとは言われていないけど)インディアンの大量虐殺だよね。それと、黒人をアフリカから多数輸入して長らく奴隷としてこき使い、差別していたことも重大な歴史的犯罪行為。
本来、米国はそういう自分自身の歴史をこそ大声で語るべきなのに、ヨーロッパで起こったホロコーストが頻繁に語られるのは、一種の逃げ、ではないのかな。

以上、へそ曲がりの意地の悪い見方でした。

 

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満足度データ

否定と肯定
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レビュー者数
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74
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78
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36人

 

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