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神谷と徳永の友情物語

70点 2017/11/30 12:11 by odyss

火花

原作未読。映画だけでの評価です。

一言でいうと、二流のお笑い芸人の物語です。売れようと必死に努力はするものの、そしてテレビや演芸場への出演もないわけではないけれど、結局一流の売れっ子にはなれずに終わってしまう。

ただ、映画作品としての筋書きや辻褄ということでいうと、首をかしげる箇所が多いんですね。

まず、徳永(菅田将暉)は先輩芸人の神谷(桐谷健太)に惹かれて「弟子入り」するわけですが、具体的にお笑いのツボやコツや技法を教わる場面はほとんどありません。昔風に、「技は先輩から教えてもらうのではなく盗め」ということなのかも知れませんが、それにしては先輩から「伝記」を書くようにと言われて忠実にノートを用意して書き綴っている。でも、具体的に何を書いているのかよく分からない。つまり、お笑い芸人の話である以上、お笑いの具体的なテクニックだとかネタの作り方に触れないわけにはいかないはずなんですが、そこが弱い。

次に、実際に徳永が舞台で演じている場面を見ても、ほとんど笑えないこと。観客(映画の中の観客です)は笑っていましたが、あのくらいで笑ってくれるなら今どきの漫才師は楽な商売だなと思ってしまいました。

実際には、彼らが活動をしていたのはお笑いが一種のブームになっていた時期で、そういう時代性に乗った部分がかなりあったと思うんです。そこが、言葉では或る程度説明されていますが、映像で説得的に描かれているとは言えないのではないか。

神谷がお笑いコンテストで評論家から酷評される場面があります。ああいうのも、お笑いの場合はあまり説得的ではないと感じました。お笑いは反社会的な部分を必ず含んでいます。いい例が、時代的には少し前になりますが、ビートたけし(北野武)でしょう。「赤信号、みんなで渡ればこわくない」など型破りの、毒を含んだお笑いで一世を風靡したビートたけし(ツービート)は、当時は良識派の評論家などからさんざん叩かれました。でも、たけしはそれで潰れることはなかった。何が面白いかを決めるのは聴衆だからです。評論家がいかに良識や「お笑いはこうあるべき」という古い常識ををタテに攻撃しようと、とにかく客を笑わせることのできる芸人こそが最高なのであり、笑わせられない芸人は消えるしかない。お笑いは、建て前が最も通じにくい芸能領域であり、ひたすら実力だけが求められるのです。そして誰に実力があるかを決めるのは評論家ではなく客です。

この映画では、神谷がその辺でどういう存在なのかが分かりにくい。なぜ徳永は彼を師匠にしたいとおもったのかが説得的ではないのです。

・・・と、色々不満を並べてみましたが、実は見終えてみるとそんなに悪い印象が残らない作品でもあったのです。

どうしてか。
この映画は、お笑い芸人の話というより、神谷と徳永という青年同士の友情物語なのではないか。そういう見方をするなら、桐谷健太も菅田将暉も役にぴったりで魅力的であり、お互いの関係の変遷も自然に捉えられているし、それなりの映画になっているんですね。

一流の芸人は、二流の芸人がたくさんいるからこそ生まれると最後近くで言われていますが、芸能界に限らず世の中はそういうもの。会社に入った同期生で社長や取締役になれるのは、大企業なら一人かせいぜい二人だけ。あとはほどほどで終わってしまう。でもそういう多数の人間が生息するのが会社・社会なんです。

一流になれなかった若者の軌跡を、単なる挫折譚として描くのではなく、温かい目で肯定的に描いている・・・そのような映画だからこそ、見終えてそれなりの満足感が残るのではないでしょうか。

 

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満足度データ

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採点者数
46人
レビュー者数
30
満足度平均
70
レビュー者満足度平均
68
ファン
2人
観たい人
37人

 

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