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映画情報のぴあ映画生活 > 作品 > マンチェスター・バイ・ザ・シー > 感想・評価 > l can't beat it

l can't beat it

90点 2017/5/21 8:53 by 小波

マンチェスター・バイ・ザ・シー

辛い過去を背負い、黙々と日々をやり過ごして生きてきた男リーと、リーの死んだ兄が遺した思春期の甥。タイプは異なるが、共に人付き合いが不器用に思える。しかし、不思議と互いの不安定な心を理解しあっている。

死んだ兄の願いでもあり、甥の気持ちに寄り添おうとするが、リーにとっては、追い払おうとしても過去の記憶が纏わり付いてくる故郷で暮らすことは、あまりにも苦しい。

「乗り越えられない (l can't beat it)」
甥を残して故郷を離れる理由を問われて、リーが短く答える。この言葉が沁みた。甥のためだけではなく、リー自身が乗り越えたいと切に願っていたのだ。だが、どうにも乗り越えられないとわかったならば、逃げなくてはならない。自分を追い詰めすぎることが、人をも苦しめてしまうことになりかねない。ごまかさず、自分の弱さを真摯に打ち明けるリーの気持ちを、それまで反抗的な態度をとってきた甥はすぐに理解する。

説明をそぎ落とした脚本と、なんとも言えない陰鬱をまとったケイシー・アフレックがうまくはまって、深い味わいの作品になっている。静かな描写が続く中で、リーの別れた妻であるミッシェル・ウィリアムズが激しく感情を吐露する場面に、心揺さぶられた。

 

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  • Re: l can't beat it

    2017/7/8 19:56 by みかずき

    こんばんは。小波さん。
    みかずきです。

    本作、昨夜、鑑賞しました。
    レビュー書きましたので、読んで頂ければ幸いです。

    >「乗り越えられない (l can't beat it)」
    甥を残して故郷を離れる理由を問われて、リーが短く答える。この言葉が沁みた。

    オーバーでなく自然体の台詞だったのですが、却ってリアルさが溢れ、私も心に沁みました。
    弱さを吐露するところから人間の再生が始まると私は日頃思っているので、再生に向かって主人公の気持ちが動き始めた瞬間だと感じました。

    >説明をそぎ落とした脚本と、なんとも言えない陰鬱をまとったケイシー・アフレックがうまくはまって、深い味わいの作品になっている。

    その通りですね、本作は、説経臭い説明は一切ありません。話をまとめることもしません。主人公と周囲の人々の日常を丁寧に描くことで、主人公の心情に最接近しています。
    観終わって、全編が何か温かいものに包まれていると感じました。主人公のような悲劇に遭遇した者への温かい眼差しを感じました。

    <追伸>
    ハクソー・リッジは御覧になりましたか?
    作風は異なりますが、沈黙のように信仰を取り扱った戦争映画です。是非、小波さんのコメントを聞いてみたいです。

    失礼しました。

満足度データ

マンチェスター・バイ・ザ・シー
100点
6人(9%) 
90点
17人(25%) 
80点
17人(25%) 
70点
16人(24%) 
60点
7人(10%) 
50点
3人(4%) 
40点
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30点
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20点
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10点
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採点者数
66人
レビュー者数
31
満足度平均
78
レビュー者満足度平均
79
満足度ランキング
40位
ファン
8人
観たい人
51人

 

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