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映画情報のぴあ映画生活 > 作品 > ハクソー・リッジ > 感想・評価 > 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

90点 2017/6/25 9:47 by みかずき

ハクソー・リッジ

本作は、“汝、殺すことなかれ”という宗教の信条を信じながらも、第2次世界大戦の戦場に赴き、信念を決して曲げることなく、自らの方法で戦い抜いた兵士の生き様を描いた作品である。本作は、信仰を取り扱っている。この手の作品は宗教が根付いている洋画の得意技であり期待して鑑賞したが、期待を遥かに超えた傑作だった。

主人公デスモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)は、幼い頃の体験から、“汝、殺すなかれ”という宗教の信条を強く信じるようになる。そして、第2次世界大戦中、彼は、信念を曲げずに、志願兵として軍隊に入る。軍隊の中では、武器を持たない彼の信念は全く理解されず、迫害を受けるが、それでも彼は信念を曲げず、ついには、衛生兵として沖縄戦に赴くことを許される。しかし、そこは、彼の想像を遥かに超えた、阿鼻叫喚の生き地獄だった・・・。

入隊するまでの主人公は、特に信心深いところは見受けられず、好きな女性(テリーサ・パーマー)に夢中になる有り触れた青年として描かれる。青春映画を観ているような雰囲気である。いきなり、信仰、信念という題材にフォーカスせず、自然で静かなプロローグとなっているので、作品に素直に入っていける。

物語は、軍隊への入隊から、本題である彼の信念を貫く闘いに突入する。主人公の信念を軍隊が看過するわけもなく、上官、同僚から、除隊を迫られる。しかし、どんな目にあっても、宗教家然とせず、理屈っぽく説明をせず、自然体で、決して信念を曲げない主人公を観て、主人公の信念は主人公の中に根付いていると納得できる。

そして、クライマックスの沖縄戦。今まで多くの戦争映画を観てきたが、その中でも屈指の壮絶な激戦描写である。戦場が画面から溢れ出してくるような臨場感、凄惨で生々しい戦場描写に圧倒される。主人公は、あまりの惨状に、自分に何ができるか苦悩し神に問い掛ける。ここは、今年観た“沈黙”を彷彿とさせる展開であり、主人公も“沈黙”と同じアンドリュー・ガーフィールドだったので、その後も、“沈黙”と同様に、信仰と現実のなかでの激しい葛藤が再現されると思いきや、全く違っていた。主人公は、戦場のなかで自分の使命に気付く。ここは、主人公の信念が、神の教えを守るというものから、神の教えではなく自らの信念に昇華した、自己覚醒、自立の瞬間だったと感じた。もう彼は迷わない。自らの意志で行動して、決死の覚悟で戦場から多くの負傷兵を救出する献身的な姿は、感動的であり、涙が止め処もなく溢れてきた。

本作は、信仰と現実の矛盾に葛藤する主人公を描いているが、最終的には、信念を貫くことの意味、大切さを教えてくれる作品である。エンディングで、実在した本人が紹介され、信念は自分自身であるので、決して曲げてはならないと語る。信念を貫いて生きることの大切さを教えてくれる名言である。

今年観た“沈黙”も、作風は異なるが、洋画の得意技である信仰を取り扱っている。ララランド、美女と野獣はミュージカルであり、これも洋画の得意技。今年は、洋画の得意技を堪能できる年になりそうである。

 

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  • Re: 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

    2017/6/28 0:43 by ぱおう

    みかずきさん、こんばんは。
    本作を観て参りましたので、お邪魔します。

    > 本作は、信仰と現実の矛盾に葛藤する主人公を描いているが、最終的には、信念を貫くことの意味、大切さを教えてくれる作品である。エンディングで、実在した本人が紹介され、信念は自分自身であるので、決して曲げてはならないと語る。信念を貫いて生きることの大切さを教えてくれる名言である。

    私も、信念を貫くことの偉大さには、大きな感動を覚えました。同じく実話に基づく『ブリッジ・オブ・スパイ』にも、ちょっと通じるところを感じましたが、アメリカ風の良心とでも言いましょうか、個人としての信念を決して曲げず、一人の人間として恥じない生き方を貫くところには、心を打たれました。

    ただ、最近の『パトリオット・デイ』でもちょっと乗れなかったのが、善悪の価値判断に持って行ってしまう描き方ですかね。本作でも、終盤は、主人公が神がかって奇跡を起こし、神軍と化した米軍が悪の軍勢を打ち滅ぼすように見えなくもなかったのです。

    > 今年は、洋画の得意技を堪能できる年になりそうである。

    これには同感です。邦画の逆襲に期待したいところです。今のところ、今後のラインナップにこれといった作品が見当たらないのが寂しいのですが。

    それでは、お邪魔致しました。

  • Re: 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

    2017/6/29 23:16 by みかずき

    こんばんは。ぱおうさん。
    みかずきです。

    レスありがとうございます。

    >私も、信念を貫くことの偉大さには、大きな感動を覚えました。同じく実話に基づく『ブリッジ・オブ・スパイ』にも、ちょっと通じるところを感じましたが、アメリカ風の良心とでも言いましょうか、個人としての信念を決して曲げず、一人の人間として恥じない生き方を貫くところには、心を打たれました。

    最初は宗教の教義として汝、殺すことなかれを信じていた主人公が、戦場で、神に問いながら、自分の使命を確信するシーンは、教義を完全に自分のものにした感があってGoodでした。どんな困難な局面でも信念を曲げない主人公の姿には心打たれました。

    >ただ、最近の『パトリオット・デイ』でもちょっと乗れなかったのが、善悪の価値判断に持って行ってしまう描き方ですかね。本作でも、終盤は、主人公が神がかって奇跡を起こし、神軍と化した米軍が悪の軍勢を打ち滅ぼすように見えなくもなかったのです。

    そうですね。ラストラスト近くはアメリカの正義という感じが漂っていましたが、話を主人公の所属する部隊に絞り込んでいたので、私にとっては許容範囲でした。

    今年に入って観た洋画は全てGoodでした。
    下期での邦画の巻き返しに期待したいところですが、仰る様に、今のところ、これといった作品が見当たりません。時代劇ファンの私としては、関ケ原に期待しています。

    失礼しました。

  • Re: 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

    2017/6/30 23:31 by みかずき

    こんばんは。ぱおうさん。
    みかずきです。

    ぱおうさん、悶monさん、お勧めの、メッセージを今夜鑑賞しました。今からレビュー書きますので、できたらUPします。

    失礼しました。

  • Re: 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

    2017/7/2 20:53 by 悶mon

    こんばんは、みかずきさん。
    悶monです。
    私のレビューへのレス、ありがとうございました。

    今回も、事前にみかずきさんのレビューを読ませていただいたうえでの鑑賞でしたが、期待したとおりの出来映えでしたので、本当に良い映画に巡り会えたと喜ばしく思っています。

    >私は、沖縄戦に関する邦画を沢山観てきましたが、本作はアメリカ目線だったので、アメリカの正義を鼓舞されると引いてしまうなと心配していたのですが、 主人公が所属する部隊に話を限定した物語だったので安心しました。

    私もアメリカ目線で、「アメリカ万歳」的な映画になっていないか、ということをちょっと心配していたのですが、別に日本を悪者扱いするわけではなく、むしろ冷静な視点で描写していたところに、ホッとさせられました。

    ところで、この映画、アメリカでは2016年11月公開なのに、なぜ半年も遅れて日本公開になったのでしょうね。
    やはり沖縄戦ということで、日本が敗北することが分かっているので、観客動員数が見込めないと思われたのでしょうか。
    私が鑑賞したスクリーンでも、もう少し観客が多くてもよいのにな、という感じでした。

    ただ、みかずきさんだけでなく、映画ファンの間での評価は高い作品です。
    できれば、私は、普段、あまり映画を観ない方にも、鑑賞していただきたい作品だと思っています。
    主人公の「人を殺さない」という信念を貫く姿は、どの国の人が観ても、感動できるに違いないでしょうから。

    本当に今年は、洋画の注目作が多い年ですね。これからも、良作を共有していきましょう。

    それでは、また。

    P.S.「メッセージ」ご覧になったのですね。レビュー、読ませていただきます。

  • Re: 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

    2017/7/8 10:28 by Yosu

    > 本作は、“汝、殺すことなかれ”という宗教の
    >信条を信じながらも、

    プロローグは
    カインとアベルでしたね

    こんにちは、みかずきさん
    レスありがとうございます。
    遅くなりました。

    Yosuです。
    最近、鑑賞される作品、
    テイストが一緒ですね!

    > クライマックスの沖縄戦。
    >今まで多くの戦争映画を観てきたが、
    >その中でも屈指の壮絶な激戦描写である。

    これは「プライベートライアン」がなければ
    出来なかった、描写でした。
    6月23日は8月6日、8月9日と
    同じくらい重い日と
    再認識した作品になりました。

    > 今年観た“沈黙”も、作風は異なるが、
    >洋画の得意技である信仰を取り扱っている。
    >ララランド、美女と野獣は
    >ミュージカルであり、これも洋画の得意技。
    >今年は、洋画の得意技を
    >堪能できる年になりそうである。

    夏、秋と復刻版や話題作がいっぱいですね。
    歳ですが体力よりチケット代が心配です。

    それではまた、次の作品まで

  • Re: 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

    2017/7/8 23:06 by みかずき

    こんばんは。Yosuさん。
    みかずきです。

    プライベートライアンですか。
    確かに、あの作品から戦闘シーンは変わりましたね。リアルで激しくなりましたね。

    そうですね。
    最近は、パトリオット・デイ、ハクソー・リッジ、メッセージと、
    洋画人間ドラマで、アメリカメインの作品を観ていますね。
    昨夜は、マンチェスター・バイザシーを観ましたし。
    それだけ、今年は、この手の洋画・アメリカ映画が面白いということでしょうね。

    そろそろ、邦画に行きたいところですが、
    魔女か関ケ原かといったところでしょうか。

    ここらで、是非、面白い邦画を観たいですね。

    では、また、共感作でお逢いしましょう。

    失礼しました。

  • Re: 武器を捨てた兵士の信念を貫く闘い

    2017/7/8 23:15 by みかずき

    こんばんは。Yosuさん。
    みかずきです。

    追伸です。

    すみません。
    冒頭での、肝心のお礼を忘れてしまいました。

    改めまして。
    レスありがとうございます。

    失礼しました。

満足度データ

ハクソー・リッジ
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