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愛と死に真摯に向き合った青春ドラマ

90点 2017/7/30 3:38 by みかずき

君の膵臓をたべたい〈2017年〉

病魔に侵された女子高生と彼女を支える男子高生の甘く切ない王道の青春ドラマだと思っていたが、全く違っていた。そんなベタな作品ではなかった。作品のクオリティが高く、心の奥深くまで染み渡る感動が得られる秀作だった。

本作の主人公は本好きの地味な男子高校生“僕”(北村匠海)と、陽気でクラスの人気者である女子高生・桜良(浜辺美波)。“僕”は、ふとしたきっかけで、桜良が病魔に侵されていることを知る。そして、同じクラスの図書委員になった二人は、次第に親しくなり、お互いに惹かれ合っていくが・・・。その後、同じ高校で教師になった“僕”(小栗旬)は、図書館の本の整理をしていく中で、当時の彼女の本当の想いを知ることになる・・・。

前半は、主人公二人の会話劇が中心である。一見、病気のことは忘れ去られ、仲良しカップルの恋の行方を追っているようなストーリー展開である。太陽のように明るく、時に思わせ振りな桜良に振り回される“僕”の心境は描かれるが、肝心の彼女の本心は描かれない。しかし、桜良の仕草、表情の僅かな変化から桜良の抱える闇が僅かに垣間見える。物語は直線的ではなく、現在と過去を往復しながら、螺旋階段を上るように、徐々に核心に迫っていく。二人は好対照であり、陽と陰、光と影のバランスが絶妙。何といっても桜良役の浜辺美波の演技が素晴らしい。屈託のない明るさの中に憂いを秘めた演技が出色。“僕”が惹かれるのも納得できる小悪魔振りも御見事。

従来作では、二人の会話と本心は、ほぼ同時進行して描かれるので、全編を通して切なさが充満する。しかし、本作では、桜良の本心は前半では明かされない。前半は“僕”の視点で描かれる。したがって、我々も“僕”の視点で“僕”と同時進行で桜良と向き合うことができる。“僕”の気持ちに感情移入することができる。“僕”の桜良への想いを疑似体験することができる。ここが、従来作とは一線を画した本作の特徴であり、真骨頂である。

後半、彼女の日記を通して、彼女の視点、本心が一気に明かされる。彼女の本心は、生きること、彼への想いに溢れていて、前半の会話シーンを再現して描かれるので切なさが倍増し心の隅々まで染み渡り、涙が自然に頬を伝わって流れてくる。

ラストで、教師になった“僕”は、時を超えて、当時の桜良の本当の想いを知ることになる。本作の過激なタイトルの意味深さに得心し、静かではあるが確かな感動とその余韻に浸ることができた。

本作は、青春ドラマではあるが、本作の、特に、前半の二人の会話劇は奥深く、青春時代真只中の世代ばかりではなく、かつて青春時代を過ごした世代が観ても、十分にその味わい深さを堪能できる作品である。

 

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  • Re: 愛と死に真摯に向き合った青春ドラマ

    2017/7/30 10:03 by あらぼ〜

    みかずき様

    キミスイ、さっそくご鑑賞で高評価。
    うれしいです。

    > 病魔に侵された女子高生と彼女を支える男子高生の甘く切ない王道の青春ドラマだと思っていたが、全く違っていた。そんなベタな作品ではなかった。

    そうなのですよね。いつものベタな余命お涙ちょうだい系ではありません。

    > その後、同じ高校で教師になった“僕”(小栗旬)は、図書館の本の整理をしていく中で、当時の彼女の本当の想いを知ることになる・・・。

    ここが、たまりませんでした。
    謎解きのように真実が解き明かされた時、号泣。

    > 二人は好対照であり、陽と陰、光と影のバランスが絶妙。何といっても桜良役の浜辺美波の演技が素晴らしい。屈託のない明るさの中に憂いを秘めた演技が出色。“僕”が惹かれるのも納得できる小悪魔振りも御見事。

    正反対の2人が補い合うように、短い時間を生きるところが切なかったです。

    > 前半は“僕”の視点で描かれる。
    > 後半、彼女の日記を通して、彼女の視点、本心が一気に明かされる。

    どとらも、同じ気持ちでいたことが分かった瞬間。
    涙が溢れました。

    とても早時期に観たので、来週は料金を払って観てきます。
    また、細かなところに気付けるかもしれません。

    では、また。
    失礼しました。

  • Re: 愛と死に真摯に向き合った青春ドラマ

    2017/7/30 13:32 by みかずき

    こんにちは。あらぼ〜さん。
    みかずきです。

    レスありがとうございます。

    想像していたよりは、大人向きの作品でした。

    特に、前半の二人の会話劇は、考えさせられる台詞が多く、味わい深かったです。
    お互いの気持ちを探り合うところなんか青春時代に誰もが経験したことだと思います。

    桜良の病気の進行にフォーカスせず、感傷的になっていないところもGoodでした。

    今日も余韻が残っています。

    作風がしっかりして、軸ぶれしていないのは、原作の影響だろうと思い、今朝、早速、原作本を買いました。

    失礼しました。

  • Re: 愛と死に真摯に向き合った青春ドラマ

    2017/7/30 18:14 by ぱおう

    みかずきさん、こんにちは。
    (あらぼ〜さん、お邪魔します。)

    いつもながら、作品内容がよく分かるレビューをありがとうございます。

    > 病魔に侵された女子高生と彼女を支える男子高生の甘く切ない王道の青春ドラマだと思っていたが、全く違っていた。そんなベタな作品ではなかった。

    ベタになりかねない設定のところ、心情描写が深い作品でしたね。

    > 物語は直線的ではなく、現在と過去を往復しながら、螺旋階段を上るように、徐々に核心に迫っていく。二人は好対照であり、陽と陰、光と影のバランスが絶妙。

    ここがラストに結実するストーリー展開は見事でした。

    > 何といっても桜良役の浜辺美波の演技が素晴らしい。屈託のない明るさの中に憂いを秘めた演技が出色。“僕”が惹かれるのも納得できる小悪魔振りも御見事。

    「死ぬのに笑顔」という、難しい役柄でしたが、自然に感じられる演技力がすごいですね。

    > 後半、彼女の日記を通して、彼女の視点、本心が一気に明かされる。彼女の本心は、生きること、彼への想いに溢れていて、前半の会話シーンを再現して描かれるので切なさが倍増し心の隅々まで染み渡り、涙が自然に頬を伝わって流れてくる。

    ここは、私の場合は「僕あす」でハードルが上がってしまったためか、残念ながら泣けませんでした。

    > ラストで、教師になった“僕”は、時を超えて、当時の桜良の本当の想いを知ることになる。本作の過激なタイトルの意味深さに得心し、静かではあるが確かな感動とその余韻に浸ることができた。

    ラストの伏線回収には、サプライズ的な納得性もあり、頭ではすごく感動したのですが、なぜか涙が湧いてこず、自分でもどうしてしまったのかと不思議です(笑)

    > かつて青春時代を過ごした世代が観ても、十分にその味わい深さを堪能できる作品である。

    初日のレイトショーに行きましたが、結構入っているお客さんの半数以上は中高年でした。
    すすり泣きも結構聞こえてきて、過去の青少年の心にも響く作品なのだなと思いました。
    軽薄なところや、あざとい演出がない真面目な作風ですので、おっしゃる通り大人向きかもしれませんね。

    お邪魔しました。

  • Re: 愛と死に真摯に向き合った青春ドラマ

    2017/7/30 21:15 by みかずき

    こんばんは。ぱおうさん。
    みかずきです。

    レスありがとうございます。

    予想以上に深い作品でした。
    前半の二人の会話劇は、色々な思惑、想いが詰まっていてクオリティが高かったです。詩的な台詞もあってなかなかでした。ぱおうさんがレビューで表現していた文芸作品という言葉がピッタリでした。

    ラストは原作には無い部分のようですが、見事な伏線回収でした。静かでしたが確かな感動がありました。

    全体的に、しっかりとした軸ぶれのない作品で、
    作り手側の真摯な姿勢が伝わってきました。

    この手の作品を見慣れているぱおうさんとしては、
    少々物足りない感があったようですね。

    では、次なる共感作でお逢いしましょう。

    失礼しました。

  • Re: 愛と死に真摯に向き合った青春ドラマ

    2017/8/12 14:55 by 赤ヒゲ

    みかずき様

    こんにちは。みかずきさん、とっても高評価ですね!私は珍しく原作から入ったのですが、ほぼイメージどおりで違和感が全くなかったです。桜良は、私の貧困な想像力を遥かに超えたとても魅力的な美少女で、映画をみてよかったと思いました(笑)。

    >二人は好対照であり、陽と陰、光と影のバランスが絶妙。何といっても桜良役の浜辺美波の演技が素晴らしい。

    本当にそうですよね。こういう構図で書くのは男性っぽいよなぁと思いながら原作を読んでいました。「住野よる」さんだから女性作家だろうけど、意外だな〜って思っていたら、男性なんですよね。やっぱり、と思いました!(笑)

    > 本作の過激なタイトルの意味深さに得心し、静かではあるが確かな感動とその余韻に浸ることができた。

    原作を読み終えたときに、私はなかなか「膵臓をたべたい」があと少し、しっくりきませんでした。二人にとって、この言葉でなければならない強い理由が本当にあるだろうかという部分が、映画を観てから腑に落ちました。それは、浜辺美波さんの表情のせいだったかもしれません。原作ではわかりづらかったのですが、彼女の一点の曇りもないような美しさの中に少しだけ迷いある表情が感じられて、ああ、「僕」になりたいんだなって感じました。いろいろと後からじわじわと考えてみたくなる作品ですね。

    いつもありがとございます。また、お邪魔します。

  • Re: 愛と死に真摯に向き合った青春ドラマ

    2017/8/12 15:57 by みかずき

    こんにちは。赤ヒゲさん。
    みかずきです。

    レスありがとうございます。

    赤ヒゲさんのレビューへのレスと行き違いになってしまったみたいですね。

    住野よるさんって男性だったんですね。
    意外でした。
    そうですね。ストーリーがしっくりきたのは、原作者が男性だったからなのですね。

    本作は、浜辺美波の貢献度が高い作品ですね。
    実際には”僕”に近い性格の女優さんのようです。
    そんな女優さんが桜良役だったので、明るさの中に憂いを秘めた演技が出色だったのでしょうね。

    本作は、ただの青春ドラマではない、味わい深い作品でした。本年は、邦画がイマイチだったのですが、本作は邦画の良さが出た秀作でした。
    今後の邦画の巻き返しに期待したいところです。

    では、楽しい夏休みをお過ごし下さい。
    私は夏休みには第1シリーズから欠かさず観ているスパイダーマンを観る予定です。

    失礼しました。

満足度データ

君の膵臓をたべたい〈2017年〉
100点
17人(13%) 
90点
23人(18%) 
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31人(24%) 
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採点者数
126人
レビュー者数
55
満足度平均
75
レビュー者満足度平均
75
ファン
18人
観たい人
74人

 

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