ただいまの掲載件数は タイトル56188件 口コミ 1109701件 劇場 582件

映画情報のぴあ映画生活 > 作品 > メッセージ > 感想・評価 > トラルファマドール星より愛をこめて

トラルファマドール星より愛をこめて

60点 2017/6/5 1:15 by カケル

メッセージ

元来気まぐれでものぐさな性分なもので、レビューもスルーしようかと思いましたが、無責任な傍観者さんのスレッドで観もしないうちから好き勝手な事を書き散らした経緯もあるので、責任上投稿しておこうかと。



作品の円環構造を暗示する表義文字のデザインも良いし、霧の中の大樹のようなヘプタポッドも気に入った(烏賊だの蛸だの言われていますが、その膚質や歩行シーンから松本零士「ワダチ」の歩く木を連想した)。総じてビジュアル面に関しては十分満足のいくものでした。

しかしフェルマーの定理が語られないあたりから、映画は原作のアイデアを一面的に利用した陳腐なサスペンスとセンチメンタリズムに堕してしまっています。同時的認識様式の獲得による危機の回避と運命の受容という口当たりの良いドラマは、原作にある自由意思の不可能性という過酷さを隠蔽してしまっているようです。しかし、それも無理もない事かもしれません。何故ならそれは、無辜の生命が無限に殺戮される世界を「すべてよし!」と肯定しなければならない戦慄すべき過酷さなのです。歓喜と苦痛の無意味な人生の物語を"あなた"は受け入れることができるでしょうか?
シモーヌ・ヴェイユであれば渾身の力で「ノン!」を突き付けたであろうし、SFにおけるその継承者であるP・K・ディックは全生涯を賭した新たな神学を作品に結実させました。


しかし映画の製作者たちは、この時間認識と自由意思の問題に無自覚だったわけではないようです。

作品中のあのどう考えても非現実的な"炭坑のカナリア"は、この種のテーマの先駆的大傑作であるカート・ヴォネガット・Jr.『スローターハウス5』を示唆する隠された"メッセージ"としか思えません。


製作者たちは、ハリウッド娯楽大作として改変されてしまったこの作品を見る観客たちにこう告げているのでしょう。



「そういうものだ。」

と。

 

このレビューに対する評価はまだありません。
ユーザー登録すると、レビューを評価できるようになります。

満足度データ

メッセージ
100点
8人(8%) 
90点
17人(19%) 
80点
25人(28%) 
70点
21人(23%) 
60点
6人(6%) 
50点
5人(5%) 
40点
3人(3%) 
30点
1人(1%) 
20点
1人(1%) 
10点
1人(1%) 
0点
1人(1%) 
採点者数
89人
レビュー者数
48
満足度平均
74
レビュー者満足度平均
72
満足度ランキング
79位
ファン
14人
観たい人
68人

 

返信を投稿

名前 ※ニックネーム可
メール ※表示されません
見だし
内容
※ネタばれ、個人・作品に対する誹謗中傷はご遠慮下さい。
※ネタばれや質問などは掲示板
オプション この作品のお知らせメールを受け取る(返信をお届けします)
レビューを初心者モードで投稿する



掲載情報の著作権は提供元企業などに帰属します。
Copyright©2017 PIA Corporation. All rights reserved.

Myページ

ログイン

はじめての方はこちらから

新規ユーザー登録
ぴあ映画生活 facebook公式ページ
ニコニコ生放送 週刊ぴあ映画生活


上映情報

立川  東武練馬  品川  六本木  亀有  豊洲  武蔵村山  渋谷  池袋  日本橋  新宿  二子玉川  お台場 

他の地域

 

この映画のファン

  • のんべののん太
  • ぱおう
  • DDDDD
  • 出木杉のびた
  • Yasuo  Tomimoto
  • 81rock
  • KERO
  • da-
  • cinerama
  • なつみかん。
  • jimmy09
  • 猫ぴょん
  • クリス・トフォルー
  • 小波

 

ユーザ登録をするとこの映画のファンに加わることができます

関連動画

日米完全同時放送!『ゲーム・オブ・スローンズ 第七章:氷と炎の歌』特集
凶悪爆弾テロ、解決までの102時間『パトリオット・デイ』特集
池井戸潤の“幻の長編”を豪華キャストで最速ドラマ化!WOWOW『連続ドラマW アキラとあきら』特集
激戦の中たったひとりで75人の命を救った男の真実のドラマ『ハクソー・リッジ』特集
ぴあ Movie Special 2017 Summer ぴあ映画特別号 夏号登場! 夏の話題作の特集や最新情報がいっぱい! ご招待も大量放出!
映画論評・批評の新コーナー“critic”。しかと見届けよ! H・ジャックマン演じる最後のウルヴァリン! これまでと一味違うアメコミ映画『LOGAN…』ほか『ハクソー・リッジ』『セールスマン』など続々更新中!
ユーザーが選ぶ“清順映画ベスト10”投票受付中!

クチコミ満足度ランキング

初日満足度 観客動員数 DVDレンタル

満足度 投稿数 観たい ファン

「水滸伝」のことならなんでも!匿名での書き込みもOK!月刊 水滸伝