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味噌だけは日本の味

50点 2017/4/18 17:01 by くりふ

ゴースト・イン・ザ・シェル

スカジョ主演と聞いた時ああ別モンと思った。で、初めて見たトレーラー…あの華麗なる突入シーン…え、何コレ♪ずんぐりころころ素子さん〜と聞こえて来そうな和み系ボディは!?森三中キャッツアイほどの衝撃はないものの、なぜスカジョ顔で日本女子体型な義体?…コレひょっとして怪作かも?…という期待が湧いたので、行きました。

…が、ハリウッド漂白された凡作でした。話の骨格がまったく『ロボコップ』じゃん。しかも誕生理由が『ロボコップ』よりずっと酷いことになっている。やっぱりというか、フランケンシュタイン・コンプレックスも混ぜているようですね。攻殻シリーズとすれば退化でしょう。

攻殻シリーズはそれなりにみてきているので、言いたいことは色々あって、そのうち幾つかを書きます。

原作漫画の素子さんは、電脳化も義体化も謳歌して、同性と電脳セックスまで楽しんでいた。これらが来たるべき一つの必然として描かれていた。彼女のアイデンティティをお悩みとして強調したのはアニメ化一作目で押井さんがやったこと。独り言が好きだしね。でも、お悩みの質は本作とは違っており、その先に言葉ばかりとはいえ、広大なネットの海があった。…が、本作のお悩みは『ロボコップ』の焼き直しに過ぎず、驚くほどネットの広がりも感じさせない狭苦しいつくり。なんかカプセルホテルで寝泊まりしているような生活感がある。

ヒロインの少佐は脳以外全身義体で、これは製品でもあるから汎用性も必要。アニメ一作目では、彼女の美しさはわかり易くマネキン人形のような美に例えられていた。だから今回のスカジョはピンと来ない。まあ、スカジョ顔に成りたがる人は多いでしょうが、体型はモデル風の方が好まれるでしょう。個人的には『イーオン・フラックス』の頃のシャーリーズ・セロンを推しますけどね。

本作の、わざわざのずんぐり体型はどうにも違和感ありますが、スカジョさんの義体演技は面白かった。何だかしっくり来ないのよねえ、という所作をしますよね。歩き方なんかとても特徴的だし。

が、彼女元来の主義主張などからみれば、本作の結末は最悪の結果とも取れます。本当にあなたのゴーストは納得したの?と聞きたくなる。「殉職」という前提があったロボコップと決定的に違うところ。古典的テーマに退化した分、結末がすごく居心地悪くなっている。

悪の設定も『ロボコップ』近似だが、ずっと子供じみてしまった。政府に食い込む巨大企業でこんなことありえるんか?急成長したベンチャー企業のバカ社長が暴走した、みたいなレベルだと思うのだが。

で、政府が一切出てこないのも悪い意味で特徴的。攻殻シリーズでは政府と公安9課の関係、その変化は毎度描かれてきたことじゃん。それが的確は別にして。本作では無政府状態(笑)だから、公安9課が具体的に何屋さんかもよくわからなくなっている。

で、その課長ビートたけしは最悪でした。私は、映画での彼は見なくなって随分になるのですが、日本語なのに、ここまで台詞をまともに言えなくなっていたのか。明らかに、英語ならすべてNGでしょう。ハリウッドによる日本ブランドへの甘えですね。これはひど過ぎる。

一方の桃井かおりさんは映画に吹き込むいい風、いい感じになっていましたが、やっぱりアメリカのカメラではパサパサに映ってしまうのが残念。もしかして清水ミチコが演じてもあまり変わらなかったかもしれない。

美術・デザインは、アップルよりサムスンという感じ。で、相変らずヘンテコニッポンは混入されていますね。墓石にでっかく「命」って彫り込む人、いるのか?(笑)

あと、攻殻過去作を連想する映像が頻発しますが、オマージュというより最早コラージュになっていて笑っちゃった。ここまで同じくせんでええやん!

…と、悪口ばかり書いてきましたが、ハリウッドの料理法にはまあ感心しました。どんな素材でもやっぱりハリウッドだわ、に変えてしまうその強靭なレシピは大したものだと思います。…アメリカ本国では本作、コケたようですけどね(苦笑)。

 

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  • 再確認と、吹替え版と

    2017/8/30 20:38 by くりふ

    公開時にモヤモヤしたところが幾つもあり、再確認したくなったものの、二度見する程でないからレンタル開始を待っていました。また、劇場では字幕版でみたが、吹替え版も興味あったので併せてチェック。

    概ねはネタバレ掲示板に投稿したので、ここでは吹替え版についてメモります。

    吹替え版、楽しかった!既にイメージが確立されたアニメキャラに、ハリウッドスターが成り切ろうとしていて、そこに実際の声優さんの声が乗ることで “スターかくし芸大会”をやっているような可笑しさが出ている。

    で、字幕版でスカジョがスカジョの声で喋っても、やっぱりスカジョにしか見えなかったが、吹替え版には何だか、人物が分断されるような面白味がある。これが素子のアイデンティティーを問う、本作の方向性にも沿っており面白かったのです。

    そんな点から、吹替え版の方が楽しめました。が、字幕版をみた上で相対的によかった、ということなのですけどね。

    それにしても、アメリカ本国ではコケたこと、改めてわかる気はします。久しぶりにWiki見たら、公開封切り後2か月足らずで終了、国内興収は4千万ドル、1億ドルを超える予算額に対し半分に達しなかった…とありました。

    ・アメコミ映画を好む多くの人たちには、辛気臭い物語では?
    ・スカジョのアクションヒロインは、ブラック・ウィドウによる先行イメージが強く、二番煎じに映ったのでは?

    明確な裏付けはありませんが、個人的にはその辺りが大きな理由かなあ、という気がしました。

満足度データ

ゴースト・イン・ザ・シェル
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採点者数
105人
レビュー者数
54
満足度平均
70
レビュー者満足度平均
72
ファン
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49人

 

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