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アメリカン・ミュージカルへの引導

30点 2017/3/6 1:00 by くりふ

ラ・ラ・ランド

La La Landは蔑称でもあり、「あの娘はLa La Landにいる」との表現はアタマお花畑の意味だとか。終わってまず、監督自身がその意味でLa La Landの住人かと思った。いま在るべきミュージカル映画を素直に作ろうとした、その心意気はわかります。またエマとライアンは、役柄や演技ではなく、素材としての本人がよかった。でもねえ…

急に踊り出すのがミュージカルの欠点とも言われるが、よい作品なら物語の流れは無視しない。のに、本作の冒頭群舞には前提がない。LA名物である渋滞が原因には見えず、鬱憤あるならその溜めがない。すごいシーンでしょ!とのドヤ顔にしか見えず引き込まれなかった。この後主役の登場場所にもびっくり。皆で盛り上げているのに我関せずかい!んじゃココ、なくても成立するよね。…でその後いつ面白くなるかと耐えていたが、凸凹ある路面でズルズルなタップダンスもどきを始めた辺りでダメだこりゃ、と萎えてしまった。

本作でアメリカン・ミュージカル大作は復活したか?…私はゼンゼンそう思えなかった。むしろ、死亡通知を延々書いているように映った。言えてもせいぜい、残り物使ってまあ旨い賄飯ができました、というレベルじゃないだろうか。

踊りが素人くさいのはプロ以前の夢追い人の話だから、と言い訳されそうだが往年のミュージカルにそんな役、普通にあったよね。ラストでパクリ…オマージュを捧げたらしい『巴里のアメリカ人』だって、主役のジーン・ケリーは売れない絵描きだった。そもそもこのうすボンヤリした話にダンスが必要だったのか?少なくともプロのダンサーは不要でしょう。シネスコという大舞台が勿体ない。

エマとライアンはいいのに役柄に魅力なし。そもそもレベルで、まずエマ演じるミア、今の仕事を舐めてるヤツが夢など語るなと思った。そして、上映中のスクリーンを塞いで観客の夢を遮るヤツが映画女優など目指すなと思った。真似するバカが湧くと困るので、上映前のマナームービーに「NO STANDING」と加えてほしいと思った。

そんな女とくっつくライアンのセブも似たようなものだった。で、ジャズのことはよくわからないが、彼を見ていると本作の音楽観って、どうにも幼稚に思えて仕方なかった。

でそんな二人、本当に愛し合っていたのか疑問。愛情あるなら何故ああまで基本的な情報交換さえできないのか。二人の決裂喧嘩はアホらしくて見ちゃいられなかった。後でミアが♪どうか乾杯を〜夢追い人に〜たとえ愚かに見えても〜とか歌うけど、見えるんじゃなく真性の愚か者でしょ。パリ川ダイブの話があったが、あなたもパリじゃなく近所の川でいいから沈んだまま浮かんで来ないで、献杯してあげるから、と思った。

私が本作で惹かれるミュージカルナンバーは「皆無」でしたが、上記の歌は、ミアがようやく自分の心を顕わそうとするので期待したら…え、歌いながら彼女の世界…周囲はそうなっちゃうの!?ここ、取りようによったら文字通りブラック。ひょっとしてこの監督の本音って…。

『シェルブールの雨傘』も意識しているようだけれど、改めて、アチラには確固たるスタイルがあったこと…台詞を全て楽曲にする徹底ぶりや、緻密な色彩設計…そのスタイルが映画の信念ともなっていたのだなと思った。比べるとコチラは根無し草のようです。

…なんか、文句ばかりしか出て来ません(涙)。

ホント、エマとライアンの、地の魅力は感じたのですが。特にエマは、少し生々しくもある本人らしさ?が、画面から飛び出るように迫ってきた。比べるとライアンはちょっと引き気味で、二人に火花が散るような熱さはなかったけれど。

いっそ、ボリウッドから人材招いて米印ハイブリッドなミュージカルを目指したらどうだろうか?新しい血を入れないと、最早どうにもならないところに来ている気がします。…もちろん、個人的なミュージカル観から思うところ、なのですけどね。

 

4人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • こんなの見つけました

    2017/3/9 10:07 by Baad

    くりふさんのレビューを読んである程度覚悟はしていたものの、前半のミュージカルシーンのあまりにあまりなルール破りにあっけにとられました。

    でもってこういうの見つけたんですが、

    <リンクURL>

    あんまり擁護になっていないような気がしますが、この作品の本質は監督の意図に関わらずこんなものかと。

    でも、(実はインド映画見るために)Netflixを契約してgleeにはまってなんども見ているんですが、高校のshow choir(歌とダンスを12人で競う演技)クラブの活動を描いたこのドラマでもあんな下手なミュージカルシーンはありませんでした。200本以上見ているインド映画でもあんな唐突かつ意図不明なダンスシーンは皆無ですし、突然踊り出すシーンにはその突然さに匹敵する熱量が必ずあります。でも冒頭のはひたすら平凡。

    過去を顧みることの少ないアメリカだから通用する手法で、インドでこれやったら批評家に袋叩きにされるよなあ、と思った次第であります。

  • もう知ランドぅ

    2017/3/9 19:02 by くりふ

    どうもー。本作に対する負のエネルギーはまだ残っているので、便乗して少し語らせて頂きます。

    ワイヤードのカタカナ乱舞記事ご紹介ありがとうございます。ジャズに関しては書いた通り、知見がないためふぅむ、と思える部分はありました。『セッション』未見なので、みた後なら、ジャズ視点からなら少し、評価変わるかもしれません。

    可笑しかったのは、ミュージカルとしての質についてひとっことも触れていないこと!(爆笑) ボロが出ることわかっているのでしょうね。でもさあ、コッチはミュージカルとしてヒド過ぎるからまず、映画に入れなかったわけですよ。このご立派な論調でも、その観点からの言い訳としてはまるで成立していません。

    そもそも何故、ミュージカルでないといけないのか?なぜ彼らは歌って踊るのだろう?…そう思わせちゃいけない筈なのに、冒頭から私、それが湧きまくりでした。しかし記事にその答えはありません。

    次に、主役二人が個々に人としてどーよ、という反発から映画に入り損ね、二人の子供じみた交流に付き合いきれず、後これは、個人的な価値観とはなりますが、夢への執着に終始し、他に沢山ある人生大切なことをボロボロ取りこぼす生き方にはまるで共感できないので、本作の幼稚な描き方では物語としてもまったく接点持てなかったわけです。

    だからワイヤードの記事にも知らねード、ですね。てか、この記事だと結局、映画の感想は「人それぞれでしょ」なのだからこれでいいのだ(笑)。

    ミュージカルとしての質に関してですが、別に屁理屈で反発しているわけではなく、Baadさんが「熱量」と書かれましたが、理屈でないパワーで圧倒してくれれば、それでよかったのですけどね…。

    個々のミュージカルシーンへのクレームは色々ありますが、流石に細かくあげつらうのは止めておきます。でも、ちょっとだけ言わせて。

    ●冒頭の渋滞群舞
    ⇒とにかく「逆光」に萎える。晴天のLAでカメラぐるぐる回せば当然こうなるが、始めから「日」常の光に負けている。どこが夢の国やねん。
    ●マウント・ハリウッド・ドライブ
    ⇒ひび割れたアスファルトの凸凹路面でタップやってどうする。これじゃ靴履き替える意味ないじゃん。アステアが墓場で泣いているぞ。
    ●最後のアナザーステージ
    ⇒始めの群舞でようやくミュージカルが見られる…と思ったら何、この一瞬芸。デパ地下の試食か!ちゃんと食わせろ。バズビー・バークレーが墓場で泣いているぞ。

    …その他、負のパワー残り分でまだ書きたいことありますが、とりとめなくなりそうなので、まとまって、書く気があったら、続けます。

    そういえば、ソノヤ・ミズノがルームメイト役で出ていたのは後から知りました。バレエからモデルへと流れた人らしく、そんなに巧いとも思えませんが、少なくともエマよりは踊れるわけだから、何でこういう人材を生かさないのか、とも思いました。それこそ『キス・ミー・ケイト』など、二番手ダンサーの見せ場もしっかりありましたものね。

    Sonoya Mizuno DANCE REEL(vimeoです)
    https://vimeo.com/178632656

    あ、gleeのお話を頂きましたが、アメリカの映像業界は一般的に、映画よりTVドラマにお金と人材が集まる傾向にあるんじゃないでしょうか。知られた映画監督もそちらに進出していますよね。まさか、シネスコの画面で、パンの耳を食わされているのだとしたら…

    では。

  • 擁護しているわけじゃないと思います

    2017/3/9 23:11 by Baad

    こんばんわ。

    この記事、最初に編集部誰一人として良いと思わなかったという意味のことが書いてありますよね。
    で、褒めるところを必死に探したけれどこれしか出てこなかったということなんじゃないかと思います。

    ミュージカルの質についての言及がないのは言わずもがな、誰しも酷いと思っていたからわざわざ言及していないんだと私は理解していました。


    それと、予備知識あんまりなしでこの映画見た結果、普通のヒット狙いの小品だと思ったのですが、いろんなところで前評判が高かったのですね。
    https://note.mu/akiko_saito/n/nde33f82fe97e
    これ読んでちょっと納得しました。

    私も便乗して気になったことを書きますと。

    ●冒頭の渋滞はゴダールの「ウィークエンド」のまねっこでしょう。流れからすると歌のテーマは「夢」ではなくて「怒り」か「イライラ」になるはずなのになんで出てきた人がみんな芸能関係で夢を語るねん。しかも芸能関係の割にはブザイク。ダンスをするにはスペースが狭すぎるのに足元写すので、爽快感ゼロ。お客舐めてるのか!このシーンのダンスは蛇足だったと思います。

    ●「理由なき反抗」のフィルムが途中で焼けたのは、シネスコでフッテージ映写するとそちらの方がこの映画の映像より高品質なのが見えすぎるからじゃないかと疑っています。せっかく美しいフッテージの映像に見惚れてたのに、下手な現実に引き戻されてがっかり。そのあとの天文台のシーン、ひたすら白けました。「オーディションの参考にみる」のがデートの口実なのに、デートの日程がオーディションの後なのも解せない。デートとは別に、見に行ってもいいだろうに。

    ここに限らず、エマの演技は良かったんだけれど、ミアの性格というか人格の設定がちょっと信じられないレベルにダメダメで、感情移入しにくかったです。

    最初のシーンでこの映画のミュージカルは諦めてしまったので、一番気になったのがこの二つでした。

    「ヘアースプレー」で一時低迷していたアメリカのミュージカル映画もある水準まで復活したとホッとしていたんですが、それは優れた演出家をスカウトできた一部の舞台劇の映画化とアニメーションに止まっていたようですね。

    テレビではミュージカルドラマのヒット作結構あるとはいえ、映画はシステム的に難しいんでしょうか。

  • 精いっぱい「褒めてみた」

    2017/3/11 2:18 by くりふ

    頂いたレス読んで、少し思うところあったので、も少し続けます。

    ワイヤードの記事は、“精いっぱい「褒めてみた」”で始まり “あえて(としか考えられない)”を連発したりなんかして、もちろんその二の足踏み感、はわかります。が、そのくせオープンエンドデマルチナラティヴデソーシャルデモアルトカ横文字頼みでヨイショして「本作へのあらゆる批判が的外れに聞こえる」とかナーニ言ってんだ、と思ったのでああ書きたくなったわけです(笑)。あ、言い分の意図もわかった上で、ですが。

    私が本作に思う前提かつ本質は単純で、面白いミュージカルであること、です。で、ミュージカルとしての魅力がないのなら、わざわざリスキーなミュージカル仕立てにした意味がないだろう、と思ってしまいます。

    で、ワイヤードの記事がミュージカルとしての評価を完全ネグったってことは、上記の観点からだと、いいところを見つけようとするどころか存在そのものをシカトしている、ってなりますね。なんだ、私よりもヒデェ (笑)。

    でも改めて、この件や、以下と併せて、思ったことがあります。

    唐突ですが、冒頭渋滞群舞についても、もう少し書かせて頂きます。…自分のスレで頂きますもないか。

    私はこの入り方なら♪渋滞イライラ〜でも耐えるわ〜だってここは夢の国〜私の夢〜皆の夢が叶う国〜となる流れかと思いました。それなら多分納得できた。が、イライラ皆無であっかるく歌い出しちゃう。前提がないんですよね。もっと言えば、頭カラッポのまんま歌って踊ってオシマイ。で思ったのは、主体なきLA教盲信者の盲信まつりだなあってこと。うぁー入信したくねーって。

    天下?のワイヤードがシカトするほどのミュージカルの質、で実際、オープニングからしてこれだけ空疎なのに、ヒットして多くの人が感動している…らしい。

    で、思ったのは、デイミアン・チャゼルという人は、イマドキの人々をイリュージョンに巻き込む大したマジシャンではないか?ということです。

    アカデミー作品賞発表間違えちゃった事件がありました。直接の原因は渡す封筒間違えたという凡ミスでしたが、そうなってしまうことも含め、作品賞はラ・ラ・ランドだ、とあの場の関係者を錯覚させる力が働いたのではないか。マジシャンの力で。

    そう考えると、監督賞受賞もすごく納得してしまう。マジシャンの力で。


    というわけで、精いっぱい「褒めてみた」。



    …う〜ん、外したか。無理あり過ぎて面白くないですかね?
    まあ、「自分で見出した自分への共感を人様にあれこれ言われる筋合いはない。」ということで(笑)。お粗末さまです。

    Baadさんの渋滞感想には共感しました。
    スペースのお話は私も、これじゃプロのダンサー要らないなあと思い、いや、いても生かせないなあと。むしろパルクールの人なんかを集めて踊らせた方が、一味違う面白さが出たろうに、とか思ってみていました。

    でわ。

  • やっぱりシネスコでパンの耳食ったのかも

    2017/3/11 13:57 by Baad

    くりふさんの「敢えて褒めた感想」、あたらずとも遠からずかと思いました。

    オープンプラットフォームって、適当にやった場合、技能と知識が足りないからそこら辺ぼやかして適当に作ったらみんなに勝手に傑作と誤解されちゃった(苦笑)と隣り合わせで、この作品の場合は前半のパク、もといオマージュ?部分に関してはその通りなんじゃないかと疑っております。

    学生時代、演劇やってた時、資金と社会経験と技能がなかったのでその手の戯曲選んで上演して衣装も演出もミニマムにしてなんとかしのいでたことがあります。おんなじグループに資金が豊富で伝統もある学校があったので。
    最低限の矜持として、足りない部分は調べ倒すとか、できる部分の技能でカバーするっていうの必要だと思うんだけれど、それも、一般観客は分からないから、って適当にお茶を濁して、そのジャンルのファンがモヤモヤしているというのがこの映画の実態かも。
    で、分からないだろう、という推測のハードルが低すぎてちょっとお客を舐めすぎている感じがするのは、監督がハーバード出というのを読むとなるほど仕方ないかもなあ、と思っちゃったりします。

    で、ポストトゥルース、ってこういう意味だそうです。
    <リンクURL>

    事実はどうでもよくて、感覚的に大衆に受ければいいってことらしい。

    この監督、勘はいいらしくて、オマージュ元の選択は的確だったりするので、プロデューサーに回って、監督と脚本は適当な人に任せればより良い作品になった可能性はあると思いますが、いらん部分で自信があるのでしなくてもいい口出しとかいっぱいしたんだろうなあ。なんか勿体無い気はするんですが・・・

    テレビ(連続で鑑賞ほぼ無料だからスタッフをファンをキープしやすい)や舞台やインド映画ではミュージカルってちゃんと機能しているのにハリウッド映画がダメなのは、やっぱり技能の蓄積のいる分野だからなんでしょうね。
    インド映画の場合、閨閥に支えられた業界の閉鎖性がうまく機能している気がする。

  • パンの耳というよりフランスパンの中身だけ、かも

    2017/3/13 12:14 by Baad

    ども。

    あとで見直したら全然意味不明のこと書いてしまっていたようで後味が悪いのでまたお邪魔します。

    オープンプラットフォームは結果論で本人はそれ目指してたわけじゃなさそうですし、ポストトゥルースの方は多少意識して利用していた感じはしますけど。

    なんだ、これ難癖つけてるだけの批評じゃん。
    すみません、こんなの持ってきて。

    しかし普通のやり方でやったら問題なくできることをなんでわざわざ難しい手法で下手にやるんだ(謎)

    上手にやったら話が平凡だから目立たないということはあるのかもしれないけれど。

    ミュージカルオマージュ部分と主役カップルのスキルに似合わない世渡り下手さ、傲慢さ以外はよくできてたので勿体無いと思いますが、監督もスキルや頭の良さに似合わず常識がないので誤解を招くよね。

    天然でこういうことができて、資金が集まってしまうというところは監督の才覚というより、時代がこういう変な才能を求めている、というところがあると思うので、マジシャンなのは神の見えざる手だと思います。私はキリスト教の神様には30年ぐらい前からあんまり期待してませんが。

    でも、個人的にミュージカル部分でこういうキワモノは見たくないです。ミュージカルが斜陽じゃないところではスタッフが豊富なので似たものを探せばさほど引っかかりもなく楽しく見られるからつい批判的になっちゃいますが。ボリウッドだと2009年前後に若い監督がこういうダンスも少しありのドラマ映画何本も撮っていて、もう少し見やすい感じでバランスの良い表現してたりして、中には傑作もありますもん。

    それと、引用していただいたソノヤ・ミズノさんのダンスのクリップ、楽しく拝見しました。なんか現代美術っぽいですね。ダンス自体は普通の感じがしましたが、もともと体型が綺麗な人なんでしょうね。

  • ひ弱な夢

    2017/3/15 17:00 by くりふ

    Baadさんが揺らぐのには慣れてますから大丈夫です(笑)。ワイヤードの記事はなんかもうお腹いっぱいって感じですねえ。

    ポストトゥルースについては、見える範囲での映画界全体から、その傾向は少し感じますね。直近では『君の名は。』が思い浮かびます。

    改めてラララ本作を振り返っても、私にはよいところを思い出すのが難しい。根っこの夢語りがあまりに脆弱なところが一番、感心できなかったかも。こんな夢じゃそりゃ現実に負けるし、逆に現実の豊かさをなぜ見ようとしないのか、と思いました。だから叶ったところで別に、で終わり。でも、エマ・ストーン本人はよかった。女優として地の力がこれだけあるのだな、と改めて教えてもらいました。

    『セッション』は未見なので本作のみの印象ですが、この監督は技巧に走るより、役者に直接、愚直にまで迫るような映画の方がよいものが出てくる気がしました。エマの独り芝居の結果がどうなったか?というところに監督の指向も資質も出ているかな、とも思ったりして。

    ミュージカルとして頷けないのは、過去作の基準に教条主義的に当て嵌めたいのではなく、単純に、個々のミュージカルシーンが酷いからですね。これじゃナンデ歌って踊るかわからない。まだ書いてなかったですが、ずっこけオープニングに続くのが確か、パーティーのシーンだったと思いますが、よくあるディスコのアゲアゲシーンと変わんないじゃんと思った。ちなみにオープニングは、私はコッチの方が面白くてよくできていると思います(笑)。
    https://youtu.be/cJDXmHwmX-c

    負のパワーばかりで来てしまったので、過去のミュージカル映画を振り返ってリハビリしたくなりました。ちょいととりとめないですが、以下少し、ただの関連話です。

    AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)が以前ベスト選出をやっていたと思い出し、ミュージカルがどうだったか確認したら以下でした。ちょっとデータ古いですが。Wiki日本語ページの方がわかり易いですが、リンクうまく載るかわからないので本家の方載せます。Wikiの方はミュージカル映画ベスト、の検索で出てきます。
    <リンクURL>

    ほぼ納得。一番新しいのが『シカゴ』ってこのタイミングならでは。『ラ・ラ・ランド』はランクインするだろうか?

    直近では、私は普段まったく見ませんが、米映画サイトThe Playlistがベスト50を選出していますね。本数多い分バラエティに富んでいます。『ラ・ラ・ランド』は14位。で、こちら本家のページがエライのは、50本すべてに動画リンクあり!見ているだけで楽しくなります。また、ササッとミュージカルの質についてもお勉強できますね。
    <リンクURL>

    あ、ソノヤさんの件ですが、最近、名前だけを先に見かけるようになり、
    『エクス・マキナ』
    <リンクURL>
    『ハートビート』
    <リンクURL>
    などに出ているのですが、両方未見なので近々の予定に入れています。後者はダンサー役なので少し楽しみ。リンク載せたクリップは、過去の仕事を自分で?コラージュしたものようです。体が透けるダンスはケミカル・ブラザーズのPVです。
    https://youtu.be/BC2dRkm8ATU

    でわ。

  • ちょこっとリハビリ

    2017/3/16 23:37 by Baad

    こんばんわ。

    なんだか楽しそうなミュージカルっぽいアニメのレビューが大量に投稿されていてお返事すっかり見逃していました。

    この映画、私はミュージカルシーンがなくなってからは普通に楽しんじゃったので、ついつい良いところを探したくなってしまうので揺らいじゃうんでしょうね。
    映画ではともかく、実生活ではこの映画のカップルのような子供っぽい人、結構周りにいますので(苦笑)。

    でもすごく言いにくいんですが、ミュージカルは好きでもこの監督ミュージカルシーンを撮る技術実は全然ないんでしょうね。それ以前にミュージカル映画きちんと鑑賞できていたかどうかにも疑問符がつく。こちらは段々確信に変わってきつつありますが、最初はそうではなくて、「ミュージカルが好き」の方を疑ってました。インドだったらミュージカル監督に丸投げすればいい部分なので、ばれなかっただろうに。

    あんまり確信を持って下手な演出されると何か別の意図があるんじゃないかと勘ぐってしまいます。

    偏屈で社会経験も浅く、そのくせ目指す方向のスキルだけは高い男女が出会うことによりお互いになんとなく大事な一歩を踏み出すことができ、再会してそれを再確認したってだけの映画ですよね。成功したかどうか、二人が恋に落ちていたかどうか、全て微妙です。競争が厳しい時代、でも路頭に迷って飢え死にするのは稀な程度に社会が豊かだから受ける物語かもしれません。

    でもまあ、ミュージカルシーン以外はするっと見ちゃったのはドラマ部分の演出とか、くりふさんもおっしゃっているように、役者の持ち味をすくい上げるのはうまい人なんだろうと思います。脚本なしの即興が原則のカサヴェデスみたいな映画だったらストンと落ちたかもしれませんね。

    リハビリのミュージカル映画リスト、最初のは、ずいぶん優等生的な感じですが、50本の方のは素晴らしいです。(結構興奮しました)
    「ヘドウィック」とか「夢のチョコレート工場」が入っているのは嬉しかった。選び方が映画ならではの面白さがあるミュージカル映画にマトを絞っているようで、映画としてそつなくできていても、舞台そのままに近いようなのは入ってませんね。「ヘアスプレー」が抜けてるのはそのせいかも?

    すでに少し見ましたが、しばらく楽しめそうです。ありがとうございます。

    実は私も少しリハビリしてました。
    この映画を見た後、ちょっと退屈だったので積んであったボリウッドの内幕物映画を、「ララランド」のミュージカルシーンを耐えて見たのでもう怖いことはない、と思って最後まで見ました。
    実はこっちもかならずしも見て楽しい映画ではなかったんですが、どうでもいいミュージカルシーンは本当にどうでも良く撮ってあったので少しほっとしました。
    原題Luck by Chance、東京映画祭で上映された時の邦題は「チャンスをつかめ」です。

    https://youtu.be/XphAPuNppQA

    予告編ですが、ミュージカルシーンのサブヒロインの女優さんの曲芸並みの体の動きがすごいでしょう?
    奇しくもこちらもアート系のダンサーから女優に転じた人だそうで、ダンスシーン相手役はリティックです。

    映画界の外の出身者がスターになるのが極めて難しいボリウッドでスターを目指すバックのない男女の物話で、やっぱり話はあんまり楽しくないんですが、実名でのカメオ出演がすごいのと、主要部分を映画界内部の人たちでがっちり固めた資料的な信憑性の極めて高い実直な作りが売りです。

    こちらも力作だけれどイマイチ華なく、予告編につられてみると「あれっ?」と思うのは一緒ですが、『ララランド』とは方向性がまるで逆で面白かったです。

    これ見て、映画が題材のバックステージもので恋愛が絡むのって、暗くてしんどい話のが多かったなあ、というのに気がついたんですが、それでも実直な物を見たいのが映画好きだよね、と一方で思ったりもします。

満足度データ

ラ・ラ・ランド
100点
45人(18%) 
90点
87人(34%) 
80点
51人(20%) 
70点
38人(15%) 
60点
10人(4%) 
50点
11人(4%) 
40点
4人(1%) 
30点
1人(0%) 
20点
2人(0%) 
10点
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0点
0人(0%) 
採点者数
249人
レビュー者数
151
満足度平均
82
レビュー者満足度平均
84
満足度ランキング
6位
ファン
31人
観たい人
135人

 

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