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華麗で切ない本格派恋愛ファンタジー

100点 2017/5/28 20:02 by みかずき

美女と野獣

本作は、アメリカ映画の良さが遺憾なく発揮された傑作である。本作はミュージカル仕立ての恋愛ファンタジーであり、アメリカ映画の最も得意とするジャンルの作品である。

物語の舞台は中世のフランス。我儘の限りを尽くしていた傍若無人な城の王子は、美しい魔女の怒りを買い、魔法によって野獣(ダン・スティーヴァンス)に変えられてしまう。臣下たちも家具に変えられてしまう。魔女が持ち込んだバラの花が枯れるまでに、王子が真実の愛を見つけなければ、魔法は永遠に解けない。一方、城のある村に住む美しい娘ベル(エマ・ワトソン)は、その進歩的考え方故に村人から異端視され、孤立していた。ふとした切欠で二人は出会うが、最初は全く噛み合わなかった。しかし、読書という共通の趣味によって、次第に二人は理解し、惹かれ合うようになり、真実の愛が成就するかに思われたが、二人の前には試練が待ち受けていた・・・。

本作の最大のポイントは、ベルが野獣に惹かれるプロセスである。不自然なプロセスでは、ラブストーリーとして破綻してしまうが、そこは抜かりない。ベルを知的好奇心の強い性格にしたことが奏功している。ベルは固定観念を持たずに野獣に近づき、彼の知性、内面に惹かれていく。読書を通した知的な会話の深まりが自然で、内面に惹かれるということを納得させてくれる。

また、本作は、本格的ミュージカルなので歌唱シーンが多く、ストーリー展開が遅くなる感は否めないが、そのどれもが、力感に溢れ、美しい歌声と意味深い歌詞が心に染み渡る。やはり、ミュージカルはアメリカ映画の得意技であることを再認識させられた。

本作のファンタジーとしての真骨頂は、城でのベルの一人だけの晩餐会を盛り上げる魔法に掛けられた臣下達の躍動シーンであり、CG技術を駆使した展開が素晴らしい。不思議の国のアリス、スターウォーズなどを彷彿とさせるが、魔法に掛けられ家具に身を窶しながらも王子を慕う臣下達の想いに胸が熱くなる。

それに対して、進歩的なベルを異端視し、ベルの説得を振り切って、野獣の住む城を襲撃する村人たちの考え方、行動は、閉鎖的、自己中心的であり、人間の驕り、醜さを露呈している。彼らは、魔女狩りの名のもとに自分たちの理解できない者を排除してきた中世欧州社会そのものなので、彼らの存在はリアルで説得力がある。

この様に、両者を対比することで、本作のテーマである、人間の価値は、外見ではなく、その内面の心の豊かさ、美しさにあることが際立っている。

ファンタージーであるので、予定調和となるだろうと分かってはいても、本当に魔法は解けるのだろうかというハラハラ・ドキドキ感が半端なく、ラストは涙が込み上げてきた。王子、臣下達の演技が抜群であり、人間の姿をしていない彼らが最も人間的であり、魔法を巡る彼らの葛藤に素直に感情移入ができた。

本作はラブストーリーではあるが、主人公二人に過度にフォーカスせず、魔法に掛けられた臣下達、ベルを異端視する村人達など、主人公二人を取り巻く登場人物達を丁寧に描写することで、物語のすそ野が広くなっており、しっかりとした土台を築いている。その結果、雄大さ・壮大さと、華麗な美しさを併せ持つ、観る者を魅了して止まない作品に仕上がっている。

本年12月15日公開のSWも本作と同じディズニー作品である。本作がSWのプロローグであることを信じたい。12月が待ち遠しい。

 

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  • Re: 華麗で切ない本格派恋愛ファンタジー

    2017/5/28 23:53 by ぱおう

    みかずきさん、こんばんは。
    さすが、満点評価されるだけの、充実した鑑賞をされたようで、お慶び申し上げます。

    > 本作の最大のポイントは、ベルが野獣に惹かれるプロセスである。不自然なプロセスでは、ラブストーリーとして破綻してしまうが、そこは抜かりない。ベルを知的好奇心の強い性格にしたことが奏功している。ベルは固定観念を持たずに野獣に近づき、彼の知性、内面に惹かれていく。読書を通した知的な会話の深まりが自然で、内面に惹かれるということを納得させてくれる。

    なるほど! と思います。
    読書好き同士→内面の結びつき という構図は、確かに自然で微笑ましかったですね。
    脱線しますが、有川浩さんの小説『阪急電車』にも、図書館通いがきっかけで出会う男女の素敵な逸話があって大好きなのですが、映画化された際に、なぜかこの逸話だけがカットされてしまい、大いに落胆しました。

    > それに対して、進歩的なベルを異端視し、ベルの説得を振り切って、野獣の住む城を襲撃する村人たちの考え方、行動は、閉鎖的、自己中心的であり、人間の驕り、醜さを露呈している。彼らは、魔女狩りの名のもとに自分たちの理解できない者を排除してきた中世欧州社会そのものなので、彼らの存在はリアルで説得力がある。

    こんな彼らも、城の魔法が解けると本来の姿に戻ったのか、懐かしい再会の中に大団円というのが温かくて良かったです。
    ガストンは、アニメ版に輪を掛けてひどい悪役ぶりで、どうしようもなかったですが。

    > ファンタジーであるので、予定調和となるだろうと分かってはいても、本当に魔法は解けるのだろうかというハラハラ・ドキドキ感が半端なく、ラストは涙が込み上げてきた。

    あの辺は、本当に良かったですね。私も、つい泣けてきました。

    > 本年12月15日公開のSWも本作と同じディズニー作品である。本作がSWのプロローグであることを信じたい。12月が待ち遠しい。

    あちらは、ローグワンでハードルが上がっていますので、現時点では不安の方が優っております(笑)

    それでは、また素晴らしい作品に出会えますように!

  • レスありがとうございます。

    2017/5/29 22:53 by みかずき

    こんばんは。ぱおうさん。
    みかずきです。

    レスありがとうございます。

    ミュージカル、ファンタジー、ラブストーリーとくると、やはりアメリカ映画の独壇場ですね。

    歌もGood。
    荒唐無稽にならないファンタジーもGood。
    二人のラブストーリーもGood。

    多少、ストーリー展開が遅すぎた時もありましたが、全てにおいて、バランスの取れた作品でした。

    ということで、レビューにもいつも以上に気合が入ってしまいました。

    では、また、共感作でお会いしましょう。
    今年は洋画が面白いので、次も洋画でしょうか?

    失礼しました。

  • Re: 華麗で切ない本格派恋愛ファンタジー

    2017/5/30 7:30 by Yosu

    おはようございます。
    みかずきさん
    Yosuです。

    レスありがとうございました。
    ぱおうさん
    ご無沙汰です。

    満点評価ですねー
    私もです。
    ただ、私の場合、
    アニメ版に思い出がある作品で、
    それを見事に実写で復活させた
    作品と思いました。

    もし、あの時間に見ていなければ
    評価は★3前後か
    アナ雪のように鑑賞しない作品かと・・・

    SW前に
    ヒーローコラボ、
    ビギニング的な作品や
    続編が公開されますね!

    中でも、バンブルビーとオプティマスは何で!?
    必見かと

    それでは、次の作品まで
    どうぞ・・・

    Yosu

  • おばんです。Yosuさん。

    2017/5/30 23:14 by みかずき

    おばんです。Yosuさん。
    みかずきです。

    レスありがとうございます。

    先日、姪っ子の結婚式で、郡山まで行きました。久し振りに仙台まで行って牛タンを食べたかったですが、時間が無くて断念しました。

    さて、私は、アニメ版未見でしたので、
    初物として本作を鑑賞しました。

    力強い歌声、意味深い歌詞、に圧倒されました。
    魔法に掛けられた野獣となった王子、家具に変えられたその家臣達が、人間の姿をしていなのに、一番、人間らしかったです。

    彼らの演技力が抜群で、荒唐無稽にならず、絵空事にならず、感情移入できました。ラスト近くで、本当に魔法は解けるのかなって不安になり、彼らの運命に涙が溢れてきました。

    エマ・ワトソンは、ハリーポッターのイメージが強かったですが、本作のような役も似合いますね。すっかり大人の女性になっていましたね。

    ファンタジー、ミュージカル、ラブストーリーと揃うと、アメリカ映画は面白いですね。

    では、また共感作品でお逢いしましょう。

    失礼しました。

  • Re: 華麗で切ない本格派恋愛ファンタジー

    2017/6/1 12:14 by あらぼ〜

    みかずき様

    こんにちは。私の方へもコメントありがとうございます。
    ぱおう様、Yosu様、お邪魔します。

    美女と野獣
    満点レビューですね。
    実は日本語吹替版のイベントに行きました。
    育三郎さんと昆さんの生歌を偶然にも聴き、感激しました。
    まだ字幕版を観られず、レビューアップしていません。
    やはり、そちらも観ないと…本当の良さは語れませんね。

    次から次へと、観たい映画が公開されて
    なかなか追いつきません。

    また、共通の作品で盛り上がれますよう。
    では、失礼します(^^)

  • レスありがとうございます。

    2017/6/1 23:27 by みかずき

    こんばんは。あらぼ〜さん。
    みかずきです。

    こちらにもレスありがとうございます。

    そうですね。本作、ミュージカル作品なので、
    字幕版でないと、ミュージカルとしての本当の評価はできないですね。

    私は、字幕版で観たので、歌唱シーンには圧倒されました。

    野獣との恋に落ちるプロセスが自然で、素直に感情移入できました。ベルを、進歩的で、読書好きな知的好奇心の強い女性に設定のが効いていました。

    固定観念を持たず野獣に近づき、その知性に感心し、次第に惹かれていく過程が自然で、無理がなかったです。

    魔法に掛けられた家臣達の声だけの演技もGoodでした。

    ミュージカル、ファンタジー、ラブストーリーとくると、やはりアメリカ映画は巧いですね。

    では、また共感作品でお逢いしましょう。

    失礼しました。

  • Re: 華麗で切ない本格派恋愛ファンタジー

    2017/6/2 15:40 by Stella

    こんにちは(^^)/

    遅くなりすみません☆彡

    ご鑑賞、嬉しいです(^^)
    エマちゃん、美しくて可愛くて
    歌声も 聴けたりと
    字幕版、とても、楽しめました。

    みかづきさんの仰るとおり
    恋におちるプロセスが自然でしたね。
    (≧▽≦)ベルの勇気も称えたい(笑)

    素晴らしいレビューを
    お届け下さりありがとうございます☆彡
    次は・・・ジャック・スパロウさんかな(笑)

    6月になりましたね。
    紫陽花も美しい時期
    ステキな時間をお過ごし下さいね。

  • Stellaさん、レスありがとうございます。

    2017/6/3 3:45 by みかずき

    こんばんは。Stellaさん。
    みかずきです。

    仕事が深夜に及び、深夜のレスになってしまい申し訳ありません。

    細かいことですが、私のHNは、みかづきではなく、みかずきですので、宜しくお願いします。

    さて、レスありがとうございます。
    ようやくお逢いできて嬉しいです。
    Stellaさんらしく、自分のペースを守って映画生活を楽しんでいるようで、何よりです。

    本作は、Stellaさんも私も満点評価でしたね。
    ストーリー展開に緩慢なところはありましたが、
    王道のファンタジー&ミュージカルに圧倒されました。やはり、この手の作品はアメリカ映画が最も得意とするジャンルですね。

    エマ・ワトソン、すっかり大人の女性になりましたね。進歩的で知的好奇心が強い役を好演していました。冒険者のような行動力は役柄というよりは彼女の若さが滲み出ていると感じました。

    ララランドのような現実的な作品もGoodですが、
    本作のようなファンタジーもGoodですね。

    では、フォースが来る前に、また何本かの洋画の共感作品でお逢いしましょう。

    失礼しました。

  • Re: 華麗で切ない本格派恋愛ファンタジー

    2017/6/11 20:27 by 悶mon

    こんばんは、みかずきさん。
    悶monです。
    私のレビューへのレス、ありがとうございます。

    >メッセージのレスで、私の本作レビューを読んで頂いて、本作を御覧になりたくなったとのコメントを読みました。
    本当に本作を鑑賞して頂いて、
    レビュアーとして嬉しいです。

    こちらこそ、感謝、感謝です。
    ミュージカルに苦手意識がある私は、大ヒットしていることは知っていても、二の足を踏んでいました。
    それが、みかずきさんのレビューがうまく背中を押してくれて、素晴らしい映画と出逢うことができました。

    >ラ・ラ・ランドが、極めて現代的なラブストーリー、ミュージカルであるのに対して、
    本作は、古典的な、アメリカのミュージカル映画の伝統を受け継いだ、威風堂々とした風格あるファンタージーに徹したラブストーリでした。
    両作ともに、見事な出来映えでした。

    そうですね。
    両作とも本当に素晴らしい出来映えでした。
    これで、私のミュージカルの苦手意識も完全に取り払われたように思います。

    今後とも、良作を共有していきたいですね。

    それでは、また。

  • 悶monさん。レスありがとうございます。

    2017/6/11 21:13 by みかずき

    こんばんは。悶monさん。
    みかずきです。

    レスありがとうございます。

    悶monさんのレビューへのレスにも書きましたが、
    私も、今までミュージカル映画は苦手でした。
    しかし、ララランドを観て、ミュージカル映画の面白さに開眼した思いでした。
    美女と野獣は、ララランドの影響が無かったら見送っていた作品でした。
    両作を観て、完全にミュージカル映画は私の好きなジャンルになったようです。

    では、また、ミュージカル映画を含めた共感作でお逢いしましょう。

満足度データ

美女と野獣
100点
44人(30%) 
90点
38人(26%) 
80点
28人(19%) 
70点
22人(15%) 
60点
10人(6%) 
50点
3人(2%) 
40点
0人(0%) 
30点
0人(0%) 
20点
0人(0%) 
10点
0人(0%) 
0点
0人(0%) 
採点者数
145人
レビュー者数
61
満足度平均
85
レビュー者満足度平均
88
ファン
24人
観たい人
138人

 

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