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原作とは別物として見てください。

60点 2013/3/24 23:05 by 結木ちせ

プラチナデータ

*ネタバレ注意*

まず、原作との相違点を挙げてみます。
・スズランが出てこない。
・電トリが出てこない。
・水上が女。母親のような存在。
・本当の人格がリュウという設定。
・親が死んだことが神楽のせいになっている。
・海に投げ出されるシーンがないので、
陶芸家たちが出てこない。必然的にラストも違う。
・リュウが書いている手が
父親の手であることを早々にネタバレ。
・反転剤を使用しなくても、
アトリエに入れば人格が変わるようになっている。
・原作に見られないような
神楽と浅間の異常な逃走劇の多さ。
・那須、木場、戸倉の出番は少ない。
・白鳥はもともと特殊解析研究所にいる設定。
・志賀の立場が意外と低く、ラストもプラチナデータのことがマスコミに明るみにされてハッピーエンド。
・浅間は蓼科兄弟たちのVIP ROOMではなく、
特殊解析研究所にてモーグルを開く。

今、ざっと思い出しただけでもこれだけあります。
映画化するに際して、少し内容が変わることはあっても、ここまで変える必要があったのか!? というレベル。
正直…まずスズランが出てこない時点でこれは
プラチナデータではないなと思ってしまいました。
ここからは、原作ファン目線で
この映画の感想を述べたいと思います。

まず、スズランが出てこない件。
私は、二人が教会で指輪を交換するシーン、バイクで二人乗りで逃走するシーンなど、プラチナデータの逃走劇に隠れたこの素敵なシーンが本当に大好きだったのですが、そこがバッサリとカットされていたことにもう裏切られた感が満載でした。
これらは、心を閉ざした神楽が徐々に愛に目覚めていく大事なシーンだと思うのですが…映像化するには確かに難しかったのかもしれませんが、そこはどうにかしてでもこのラブロマンスを入れて欲しかった。

また、陶芸家たちが出てこない。
原作では、作品を生み出す手こそ、父の手こそ結果やデータより大切なものなんだと自ら気付くのですが、その過程もまるでなし。
リュウがすぐに教えちゃいました。
でも、それでいくら「DNAが全てではなかったんだ」と言ったって、その考えにつく過程がなければただの綺麗事に聞こえてしまいます。
本当に、ここを描かずにして何を描く!? と思ってしまいました。一番大事な部分が削られてしまっていて、残念というか…もはや唖然としてしまいました。

プラチナデータという作品の魅力は、DNAが全てだと思っている神楽が、父やスズランへの愛、陶芸家やリュウの作品と向き合うことで、その考えを自ら改めていくところだと思うんです。
ところが、この映画ではそれが皆無。
華麗な逃走劇は、そりゃあ大きなスクリーンで見たら絵にもなるでしょう。でも、そういうエンターテインメント性を求めるばかり、この映画は中身が空っぽになってしまっている気がします。

あと、序盤で二宮さんに「プラチナデータ」と言わせていたのですが、あの意味がよく分かりません。
(原作にはないです)
あの時のプラチナデータが何を意味していたのもよく分からないし、何よりプラチナデータが何なのかということは、後々問題になってくることなのに、序盤に「プラチナデータ」という言葉を出してしまうことはよくないと思います。
後半に、初めてプラチナデータという言葉が出てきて、そこで考えて、答えを知って、タイトルの凄さに感動するべきだったと思います。
プラチナデータというタイトルが内容にも関わってることは、隠しておくべきだったのに…本作は、そういう物語に不可欠なドッキリ要素にも欠けていると思います。リュウの絵も同じく。

そして、ラスト自体が違います。世界を変えるものが欲しかった、という理由で小説の水上は事件を起こすわけですが、映画の水上は天才と天才のDNAを掛け合わせて最強の人間?を作り出したかったという理由。
しかし、水上がそれに行き着く理由も、その理由の意味もあまり描かれない! DNAを掛け合わせるにも、当事者が死んでるのにどうやって掛け合わせるのか? そういうシステムを開発したのか? それくらいは言ってよ! と中途半端に死んでいく水上に怒り爆発でした。

長い作品だし、映像化するのが難しい部分も多かったかもしれません。でも、そこはパート1,2を作るとか、そこは監督の作品への愛を見せて欲しかったです。

長らく語ってしまいましたが、それだけプラチナデータという作品が大好きなので、許して頂きたいです。
随分原作ファンとして偉そうな物言いをしてしまいましたが、原作を全く知らない人は楽しめる映画になっていると思います。
キャストは皆さん素晴らしいです。
二宮さんの演技も最高ですし…
(でもだからこそ…いや、もう言いませんが)
原作ファンの方には、小説のプラチナデータと映画のプラチナデータは全く違うということを頭に入れてから観ていただくことをオススメします。

 

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満足度データ

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採点者数
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レビュー者数
44
満足度平均
60
レビュー者満足度平均
60
ファン
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