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ポップでキッチュ!
2015/1/25 21:23
by
玉川上水の亀
この作品でアスペルガー症候群という障害を初めて知った。
この障害を持つ主人公シモンが巻き起こす騒動を中心に、兄弟愛や恋愛、そして青春がポップでキッチュな色使いの映像で描かれていく。
物理や宇宙、SFが好きで、人に触られるとパニックを起こし、気に入らないことがあると寸胴鍋のような「ロケット」に引き籠ってしまうシモン。
このシモンを唯一理解出来るのは兄のサム。
シモンはそんな兄を慕い、頼りとしているのだが、彼のせいで兄は恋人に去られてしまう。
自分のせいで兄が恋人に振られたことに責任を感じた彼は、兄の恋人探しを始めるのだが…
このシモンを演じたのが、スウェーデンの名優ステラン・スカルスガルドの息子のビル・スカルスガルド。
彼は広汎性発達障害者という複雑なキャラクターを、時にユーモアに、時に繊細に演じていて共感する。
この作品にはシモンをはじめとして個性豊かなキャラクターが何人も出て来て、パッチワークのようにストーリーを彩っていく。
障害者をテーマにした映画でありながら、カラフルでキュートな映像や展開で暗さを微塵も感じさせず、シモンとサムの兄弟愛の温もりが作品全体を包み、それに恋愛を絡めた切なさや甘酸っぱさが胸をキュンとさせる。
優しさや幸せが感じられるラストに思わず笑みが漏れてしまいます。
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