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映画情報のぴあ映画生活 > 作品 > 火天の城 > 感想・評価 > 施主のことを真剣に考えた宮大工

施主のことを真剣に考えた宮大工

70点 2009/9/22 23:29 by 出木杉のびた

火天の城

少し前には、建築物の手抜き工事がかなり発覚したものだが、この『火天の城』を見ていて、いかに施主のことを考えて建てるのが、本当の職人なのかと痛感させられた。

西田敏行演じる宮大工・岡部又右衛門は、施主の要望を変更してまで、その安全性を優先する。相手はただの親父ではない。天下の織田信長だ。もう、首切りも覚悟の上だ。

又右衛門の願いは一つ。とにかく良い城を造りたい。何千年も残る城をこの手で造り上げたい。この戦乱の時代に生まれて、日本一の城を造るなど、職人冥利に尽きるではないか。

又右衛門が、再び命を危険にさらしても手に入れたかったのは、敵地に生えている千年檜。この決死の旅も見物であった。敵地に堂々と乗り込み、抜け抜けと樹齢2000年の神木を伐れなどと、よくも言えたものだ。

木の伐採には、心が痛むものがある。二千年をかけてこれだけ成長した巨木。信長の城の為とはいえ、やはり大自然を破壊するようで、辛い。二千年分の命を頂戴するほど信長は、いや人間は、それに値するだけの生き物なのだろうか。

この千年檜がなかなか届かないのが、ハラハラさせる。本当に神木は届くのかと、職人たちの疑心暗鬼。

リーダーのお手本みたいな又右衛門だが、彼も完璧ではなく、悩める男なのも良い。妻に八つ当たりしてしまう。そんな夫を支える、大竹しのぶ演じる田鶴が更に出来た女房だ。いつも笑っている理由を聞いた時、又右衛門でなくても涙を堪え切れないだろう。少なくとも、僕は泣いた。大竹しのぶは昔から、その演技には定評はあったのだが、最近これといって目立った作品が無かっただけに、その復活は嬉しい。辛さ、哀しさを隠したその笑顔は、表情は、並の女優では出せない。

織田信長を演じた、椎名桔平が堂々たるものだ。信長に相応しい、迫力、風格を持ち合わせている。

上手い下手ではないが、又右衛門の娘・凛がとってつけたような役で気になった。後で聞いたが、彼女の役は原作にはないようだ。最初から凛がいつも画面の中でウロチョロしていたが、特に何するでもなく浮いている感じがしたのだ。折角原作にない人物を登場させたのだから、もっとうまく物語と絡ませなければいけない。

そうは言っても、全体的には泣かされる映画に仕上がっていて良かった。大雨の日のお城の危機に、全員が一丸となって、血を流しながら踏ん張るシーンも力が入った。

それにしても、これだけ多くの汗と涙、そして人の命と大樹や多くの木の命をもらって建てた、この安土城も、今はもうない。

世の無常を感じる。

 

3人がこのレビューに共感したと評価しています。
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  • Re: 施主のことを真剣に考えた宮大工

    2009/9/23 13:49 by HALU

    のびたさん。
    お久し振りにございます♪
    またまた、久し振りに、のびたさんの鑑賞なされた映画を私も8月下旬に試写会で鑑賞して来ました。
    ですので、私。HALUは、いの一番でレビュー投稿致しました。

    > 少し前には、建築物の手抜き工事がかなり発覚したものだが、この『火天の城』を見ていて、いかに施主のことを考えて建てるのが、本当の職人なのかと痛感させられた。
    > 西田敏行演じる宮大工・岡部又右衛門は、施主の要望を変更してまで、その安全性を優先する。相手はただの親父ではない。天下の織田信長だ。もう、首切りも覚悟の上だ。

    たしかにそうでしたよね。
    施主は、あの天下の織田信長ですものね。
    余程の覚悟が無いと、あの様な進言は出来ないですよね。

    > 又右衛門の願いは一つ。とにかく良い城を造りたい。何千年も残る城をこの手で造り上げたい。この戦乱の時代に生まれて、日本一の城を造るなど、職人冥利に尽きるではないか。

    そうですよね。
    熱田の一介の宮大工に過ぎなかった岡部又右衛門が信長から直々に仰せつかった<巨大建築物・安土城>の建造ですから、さぞや職人冥利にも尽きたのではないでしょうか??

    > 又右衛門が、再び命を危険にさらしても手に入れたかったのは、敵地に生えている千年檜。この決死の旅も見物であった。敵地に堂々と乗り込み、抜け抜けと樹齢2000年の神木を伐れなどと、よくも言えたものだ。
    > 木の伐採には、心が痛むものがある。二千年をかけてこれだけ成長した巨木。信長の城の為とはいえ、やはり大自然を破壊するようで、辛い。二千年分の命を頂戴するほど信長は、いや人間は、それに値するだけの生き物なのだろうか。

    たしかにそうですね。
    信長の意向を反映するためとは言えども、樹齢2000年分の命を頂戴するとは如何なものかとも思えましたよね。

    > リーダーのお手本みたいな又右衛門だが、彼も完璧ではなく、悩める男なのも良い。妻に八つ当たりしてしまう。そんな夫を支える、大竹しのぶ演じる田鶴が更に出来た女房だ。いつも笑っている理由を聞いた時、又右衛門でなくても涙を堪え切れないだろう。少なくとも、僕は泣いた。大竹しのぶは昔から、その演技には定評はあったのだが、最近これといって目立った作品が無かっただけに、その復活は嬉しい。辛さ、哀しさを隠したその笑顔は、表情は、並の女優では出せない。

    そうでしたね。
    私。HALUも大竹しのぶさん演じる田鶴の演技や台詞には、思わず涙を誘うものがありました。

    > 上手い下手ではないが、又右衛門の娘・凛がとってつけたような役で気になった。後で聞いたが、彼女の役は原作にはないようだ。最初から凛がいつも画面の中でウロチョロしていたが、特に何するでもなく浮いている感じがしたのだ。折角原作にない人物を登場させたのだから、もっとうまく物語と絡ませなければいけない。

    この点は、
    私。HALUと、のびたさんとは、ご意見が異なってしまいましたが、私。HALU個人的には、娘・凛の役柄が、最終的に家族愛をも描いていて良かった様にも感じましたが、やはり無駄な配役を追加したミスキャストでしたでしょうか??

    > そうは言っても、全体的には泣かされる映画に仕上がっていて良かった。大雨の日のお城の危機に、全員が一丸となって、血を流しながら踏ん張るシーンも力が入った。

    そうでしたね。
    あのシーンは思わず、力が入りましたね。

    本当に素敵な素晴らしいレビュー投稿ですね。
    流石にのびたさんです。
    巧くまとめられましたね。

    最後の一文の、

    > それにしても、これだけ多くの汗と涙、そして人の命と大樹や多くの木の命をもらって建てた、この安土城も、今はもうない。
    > 世の無常を感じる。

    の一文は鋭いですし、スゴいです。
    本当に惚れ惚れするレビュー投稿ですね!
    流石にお見事です!
    このレビュー投稿には座布団を2枚くらい進呈したいところですが、権利が1枚分しかないので、座布団1枚を進呈させて頂きます。

    のびたさんが、もしお暇な折にでも、私の場合は稚拙なレビュー投稿ですが、私。HALUの『火天の城』のレビュー投稿も、是非とも、のびたさんにお目を通して下されば幸いです。

    それでは失礼致します。

  • 原作読み始めました

    2009/9/25 21:43 by 出木杉のびた

    HALUさん、こんばんは。

    >私。HALUと、のびたさんとは、ご意見が異なってしまいましたが、私。HALU個人的には、娘・凛の役柄が、最終的に家族愛をも描いていて良かった様にも感じましたが、やはり無駄な配役を追加したミスキャストでしたでしょうか??

    今日から山本兼一さんの原作を読み始めました。どうして娘の設定に変更したのか気になったからです。原作では息子として登場しておりまして、これがかなり又右衛門と密接に行動しております。息子ですから、後継ぎですよね。

    父親を超えたいと思う息子と、まだまだ修行が足りないと思っている父親。この親子間の葛藤に、その描写もかなり割かれていまして、僕はやはり原作通りの設定で観たかったなあ、と思いました。

    しかし、HALUさんが家族愛が描けて良かったと思われたのなら、それはそれでこの映画の成功だったと思います。人によって感じ方は様々ですからね。

    >このレビュー投稿には座布団を2枚くらい進呈したいところですが、権利が1枚分しかないので、座布団1枚を進呈させて頂きます。

    あ、これってそういうルールだったのですか…。ああ、そうか「共感」の権利のことですね。やっと理解しました(汗)。それでは座布団返しに行きませんとね。

  • 原作者の山本兼一さんも、娘・凛への変更については反対だったそうです。

    2009/9/26 2:43 by HALU

    のびたさん。こんばんは(^^)/

    私が、試写会でご一緒になって親しくなった御方から、上映までの待ち時間に話を伺いましたところ、その御方は、試写会の前に、山本兼一さんのトークショーにも出席なされたらしく、
    その御方のお話では、原作者の山本兼一さんも、又右衛門の息子から娘への変更に関しては、随分とご立腹だったらしく、何故、映画化に際して、原作通りに忠実にしてくれなかったのかと疑問を呈してられたそうですよ。

    そういう意味でも、やはり、のびたさんの仰る通りに、原作に忠実に映画化なされた方が良かったのかもしれないですね。

    しかしながら、のびたさんが今作品に高評価の採点を付けておられるのは、嬉しい限りです。

    それでは失礼致します。

  • やはり息子が良かったかな

    2009/9/27 10:53 by 出木杉のびた

    HALUさん、こんにちは。

    > 原作者の山本兼一さんも、又右衛門の息子から娘への変更に関しては、随分とご立腹だったらしく、何故、映画化に際して、原作通りに忠実にしてくれなかったのかと疑問を呈してられたそうですよ。

    原作を読み進むにつれて、やはり息子のままの方が良かったのではないかという気持ちが強くなってまいりました。

    いつも又右衛門と一緒に行動してますし、ほとんど助演男優?ですね。一人で京に南蛮寺の研究に出向いたりと、大活躍です。今後の展開はまだ分かりませんが、おそらくこの息子の成長も描かれていると予想されます。

    原作者が怒るのもよくわかります。

満足度データ

火天の城
100点
3人(3%) 
90点
6人(6%) 
80点
7人(7%) 
70点
15人(16%) 
60点
20人(21%) 
50点
16人(17%) 
40点
13人(14%) 
30点
3人(3%) 
20点
3人(3%) 
10点
4人(4%) 
0点
1人(1%) 
採点者数
91人
レビュー者数
40
満足度平均
57
レビュー者満足度平均
54
ファン
5人
観たい人
54人

 

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