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黒沢清監督自ら手掛ける、映画『散歩する侵略者』のスピンオフドラマ

WOWOW『予兆 散歩する侵略者』特集

9月18日(月・祝)深夜0時よりWOWOWプライムにて放送(全5話/第1話無料放送)
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《概念》を奪う「侵略者」は他にもいた!
映画『散歩する侵略者』から生まれたもうひとつの恐怖

世界的に注目される鬼才にして、日本を代表する“恐怖”の創造者、黒沢清監督が、前川知大が率いる劇団「イキウメ」の同名舞台を映画化した『散歩する侵略者』。数日間、行方不明だった夫(松田龍平)が別人のように変貌して妻(長澤まさみ)のもとに帰ってきたことを導入部に、“家族”や“仕事”といった人間のさまざまな《概念》を奪う「侵略者」の存在が明らかになっていくまったく新しいエンタテインメントだ。今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でのお披露目を経て、9月9日より公開される同作品のスピンオフドラマ『予兆 散歩する侵略者』がWOWOWで放送される。

初めての“スピンオフ”ドラマに挑戦!
黒沢清が『予兆 散歩する侵略者』を語る!

自作映画のスピンオフとなる物語を、複数話から成るTVドラマで描く。長いキャリアで豊富な経験を持つ黒沢清監督にとっても、これは初めての試みとなる。この興味深い挑戦に何を考え、どう取り組んだのか。黒沢監督に語ってもらった。

――今回のようなスピンオフドラマを手がけるのは初めてですよね。

こちらからやりたいと言ったわけではなく、映画の準備が進んでいる過程で「スピンオフドラマをやりませんか?」と言われたんです。世の中にスピンオフドラマというものが存在していることは知っていましたが、今回それをやるとは予測していなかったですし、経験もなかったので戸惑いました。しかしスピンオフでやるべき方針がだんだん明快になっていって、最終的には物凄く楽しかったですね。

――映画『散歩する侵略者』はスリル、ユーモア、アクション満載の娯楽映画でしたが、ドラマ『予兆 散歩する侵略者』はごく普通の日常が侵略されていく過程が、より濃密なタッチで描かれていると感じました。

仰るとおりです。このような題材(侵略SF)なら爆破シーンをやってみたいとか、自衛隊を出してみたいとかいろんな欲が出てくるのですが、それらはすでに映画版のほうでやっていたわけです。まだ映画でやっていないことをやろうというところから出発し、最低限の登場人物と場所だけで、侵略という本当に恐ろしいことが起こっていることを表現してみようと。変な欲を出さず、その一点に集中できたことが面白かったんです。スピンオフって、やってみるもんだなと思いました(笑)。

――共同脚本で『リング』シリーズの高橋洋さんが参加しています。“高橋テイスト”が最も色濃く表れたのはどの点でしょうか。

最も強烈なのは、染谷将太さんが演じた辰雄の有り様でしょうね。辰雄は自分が悪いことに手を染めていると知りながら、どんどんそっちにはまって抜け出せなくなる。とんでもないことをしでかして、家に帰ると「どうしよう。こんなことをやってしまった!」と反省するような人物ですね。あの感じはまさに高橋テイスト。僕にはこういう人物はなかなか書けない。そんな辰雄を利用してどんどん言動をエスカレートさせていく「侵略者」(東出昌大)も高橋テイストです。僕は主に夏帆さん演じる悦子のほうを書きました。悦子が正気を保ったまま、辰雄をこっち側に引き戻す役割で「侵略者」に対抗していくようにしました。ただひとりまともな悦子は、このドラマの最後のよりどころであり、彼女が人類最後のかすかな希望のようになってほしいと思ったのです。

――このドラマの恐怖演出でとりわけ印象的なのは、画面のあちこちに出現する不気味な“白い光”です。

その光は映画版にも時折出てくるんです。「侵略者」が人間の《概念》を奪うときに、ふっと光が差し込むんですね。ドラマ版ではもっと頻繁に出てくるし、かなり狙ってやりました。理屈で説明するのは難しいですが、あの光によって街のあちこちですでに異変が起こっているという気配を表現してみたかった。

――「侵略者」が病院や工場を歩いていくと、周りの人々が為す術もなくばたばたと倒れていくシーンが圧巻でした。

ぜひともやってみたかったシーンです。たいして金もかけず、特殊効果も使わずに、とにかくすごいことが起こっていることを描くために思いついた表現なのですが、やってみて実に楽しかった。特に細かい指示は出していませんが、このシーンには倒れるアクションがうまい人とエキストラが混在しているんです。見事にバーンと倒れる人と、一瞬躊躇してからヘロヘロと倒れる人がいて、倒れ方にばらつきがあるところがいい。このドラマにおいて最もデラックスで、これぞ映画的な醍醐味が感じられる見せ場になったと思います。

――TVドラマだからといって、いつもの映画と演出を変えたりすることはなかったようですね。

まったく意識していません。むしろ映画と同じようにしたいという欲望があるし、画面サイズも通常のドラマとは違うシネマスコープで撮っています。それに先ほど話に出た“光”もそうですが、ひとつひとつの映像にいろんな見るべきところがある。そこには作者が狙って撮ったものも、偶然映り込んだものもある。今の時代はTVモニターも大きいですし、それらすべてを含めて映像作品というのは豊かなものなんだな、ということを少しでも感じてもらえるといいですね。

――まずは視聴者の人に第1話を観てもらいたいですね。最初に「侵略者」に《概念》を奪われる女性に扮した岸井ゆきのさんの凄まじい恐怖演技が、このドラマの方向性を決定づけているように思いました。

ええ、彼女にはそのことを何度も言いました。「岸井さん、このドラマのツカミはあなたの怖がり方にかかってますから」と(笑)。とても演技力がある方で、素晴らしかったです。彼女の怖がり方によって、何か恐ろしいことが起こっているんだと観る人にしっかりと伝わると思います。


取材・文:高橋諭治
撮影:中川有紀子

WOWOW『予兆 散歩する侵略者』
9月18日(月・祝)スタート(全5話・第1話無料放送)
毎週月曜深夜0時よりWOWOWプライムにて放送
毎週木曜深夜0時 WOWOWメンバーズオンデマンド先行配信中

原作:前川知大『散歩する侵略者』(角川文庫より発売中)
監督:黒沢清 脚本:高橋洋、黒沢清
出演:夏帆、染谷将太、東出昌大
   中村映里子、岸井ゆきの、安井順平、石橋けい、吉岡睦雄、大塚ヒロタ
   千葉哲也、諏訪太朗、渡辺真起子、中村まこと/大杉漣

http://www.wowow.co.jp/drama/sanpo/

(C)2017「散歩する侵略者」スピンオフ プロジェクト パートナーズ
Text:高橋諭治

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