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日本・トルコ合作映画『海難1890』
2カ国間の“絆”を生んだ感動の実話とは?

実在の事件を基に日本とトルコの
固い“絆”を描く感動作

1890年に和歌山県串本町の沖合で発生した、トルコ使節団を乗せた軍艦エルトゥールル号の海難事故と、1985年に起こったテヘラン邦人救出劇を題材に、日本とトルコとの絆の深さを映し出す感動作。メガホンを執るのは前作『利休にたずねよ』がモントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞に輝いた田中光敏。内野聖陽が海難事故によるケガ人の懸命な救助活動を行った医師を、忽那汐里がそれぞれの時代に生きる女性をひとり2役で演じる。

本作を観る前に予習!
日本とトルコの絆を生んだ感動の“実話”

■エルトゥールル号海難事故とは?

1889年7月、エルトゥールル号は、乗組員650名を乗せ親善使節としてイスタンブールを出発。途中、破損や暴風雨に見舞われながら、約11か月後の1890年の6月に横浜に到着した。明治天皇への謁見を果たし、9月、横浜から帰国の途につくも、同月16日、台風の影響下に入った同号は和歌山県樫野崎沖(現:串本町)で座礁し、沈没。600名以上が嵐の海に投げ出され、500名を超える死者を出す。このとき、樫野の村民たちは3名の医師とともに、荒れ狂う高波の中に身を投じて漂流者を助け上げるなどし、総出で乗組員の救助・看護活動に奔走。奇跡的に69名の命を救う。貧しい中、自分たちの食べ物や衣類も提供した。見ず知らずの外国人を命がけで助けた、この献身的な救助活動はトルコ国民に感銘を与え、教科書にも取り上げられて、現在でも教えられている。

■テヘラン邦人救出劇とは?

イラン・イラク戦争のさなかの1985年、3月に双方による都市爆撃が開始。イランの都市テヘランの空爆も始まった。そこは在留邦人が多く住む地区であった。17日、サダム・フセインがイラン上空を「航空禁止区域」に指定し、48時間後、イラン上空を飛ぶ機に無差別攻撃を開始すると宣言。各国が救援機を飛ばすなか、イランへの定期便を持っていない日本は救援機の派遣を即断できず、300名以上がテヘランに残されてしまう。そんなとき、トルコが日本人を助けるため追加便を飛ばすことを決断。危険な任務にパイロット全員が志願した。空港にはトルコ人も詰めかけたが、トルコ航空機2機が到着すると、優先的に日本人を搭乗させ、多くのトルコ人が陸路からの脱出を選んだ。なぜ、トルコ人は日本人を助けたのか。彼らの心にはエルトゥールル号の記憶が刻まれていた。

まずはこちらの映像で予習!
『海難1890』ダイジェスト映像

日本×トルコ 国家級プロジェクト
『海難1890』のここに注目

@人種も国境も越えた“人が人を想いやる気持ち”

樫野の人々は、荒れ狂う海のなかに身を投じてまで、迷うことなく見たこともないトルコ人たちの命を救おうと懸命になった。「助けを求めている者がいるのなら、手を差し伸べる」。言葉も文化も違う外国人。そんなことは問題ではなかった。この実話を、本作はあますことなく映し出す。特に事故直後からの、村民がひとつになり、一刻を争うなかで一人でも多くの乗組員を助けようと尽力する姿が胸に迫る。そして自分たちの命もさらされながら、日本人に手を差し伸べるトルコ人たちを描くテヘラン邦人救出劇。そこにあるのは、やはり「助けを求めている人に手を」という気持ち。ふたつの実話を通じ、本作は日本とトルコの絆と真心を、今を生きる日本人に改めて伝える。ふたりの役者が2役を演じることによって、時代を結び付けていることも、さらなる感動を呼ぶ。

A壮大なスケールで描かれる一大スペクタクル!

それぞれがひとつの作品になるほど、大きなテーマのエルトゥールル号海難事故とテヘランでの救出劇。撮影監督は82年よりフランスに拠点を置く永田鉄男が担当した。『エディット・ピアフ〜愛の賛歌〜』でセザール賞撮影賞を受賞するなど、高い評価を受ける名手だ。特撮監督は佛田洋。『男たちの大和/YAMATO』『聯合艦隊司令官 山本五十六‐太平洋戦争70年目の真実‐』などを手掛けた実力派である。彼らの生み出した映像は、自分たちもその場にいる錯覚を起こす。樫野崎沖での救出シーンでは、京都撮影所に巨大プールを作り上げ、岩礁を再現。また実際の事故現場である現:串本町には当時の村のオープンセットが組まれた。トルコロケで収められたクライマックスの空港シーンには総勢約800名のエキストラが参加。壮大なスケールで描かれる映像は大画面で観ないと損だ。

B合作映画ならでは!国際色豊かなキャストの熱気がスゴイ!

キャストも国際色豊かな演技派がそろった。エルトゥールル号海難事故で中心となって救助を行う医師・田村を演じるのは内野聖陽。徹底した役作りを行い、村民の信頼を集め、悲惨な現場を前に人々を率いる田村をスクリーンに焼き付ける。英語でのセリフも披露しての、エルトゥールル号大尉役のケナン・エジェとの演技のぶつかり合いも見どころだ。ケナンとともに、ふたつの時代で2役を演じているのは、忽那汐里。エルトゥールル号海難事故では、過去の事故から口をきけなくなりながら、田村の右腕として必死で救助活動に向かうハルを熱演。彼女の気持ちを目と表情で見せきる。トルコロケでは、現代の日本人学校教師に扮し、日本人の家族を救おうと奔走。彼らを中心に日本、トルコのキャストが一丸となった思いがあふれている。

内野聖陽×忽那汐里 対談インタビュー!

本作はどうしてもこの物語を人々にと願った田中監督が、自ら企画し、動いて実現させた作品だ。内野も忽那もその思いを受け取った。「オファーを受けた時点で、映画化実現までにものすごい思いが込められた作品なのだということが監督から伝わってきました。すごい企画なんだと感じましたね」と内野。忽那も述懐する。「監督にお会いしたときに、作品への思いを細かく説明していただきました。最初、2役をする必要はどこにあるんですか?などと質問してしまったのですが、監督は最初からケナン演じる大尉とトルコ大使館員、私が演じたハルと日本人学校教師の役を同じ役者に演じてほしいと決めていたそうです。それらの役は血がつながっているわけではありませんが、ふたつの時代の架け橋になってほしいと」。

トルコ人には馴染み深い歴史にも関わらず、日本人はこのふたつの物語を知らない人がほとんど。田村医師を演じた内野は、こう解釈する。「日本人は恩着せがましいのを嫌いますよね。その奥ゆかしさから、エルトゥールル号の物語も声高に話してこなかったのかなと。ただ僕の役はケナン演じるムスタファに、この村の人々の心根が好きなんだとまっすぐに言うシーンがある。その辺を嫌味なく、純粋に伝える役割があると思いました」。

また忽那を「大変な現場で気持ちを保って頑張っていた。本当に立派でしたよ」と称えると、忽那も「内野さんには本当に助けていただきました。私だけではなく、人数の多い現場で、内野さんはみんなに声をかけながら現場を引っ張っていました。役への向かい方も非常にストイックで、そのことも現場を引き締めていましたね」と振り返った。

そして最後にメッセージを送る。内野は「市井の人々が、異国の人だろうと関係なく手を差し伸べたこと、そしてそのことをトルコの人々が憶えていてくださったから連鎖に繋がった。こうした心を今の日本人は忘れていると思いがちだけれど、でも僕は実際に災害にあった瞬間に日本人が見せる行動から、そうしたメンタリティは忘れられていないと思う。ぜひこの物語を大迫力の映像で知ってほしいし、きっと日本人を誇らしいと、トルコ人も素晴らしいと感じると思います」。まったく同じ思いだと頷く忽那。そしてさらなる思いを口にした。「きっかけになる作品だと思うんです。トルコに行ったらそれぞれの国の個人個人の関係ができるし、それが日本とトルコだけではなく、ほかの国々でも実現できたらいいなと思います」。

【プロフィール】

内野聖陽
1968年生まれ、神奈川県出身。'92年、文学座研究所に入所して、'93年、『街角』(NHKでドラマデビュー。'96年、『(ハル)』で映画初出演。映画、ドラマ、舞台と幅広い活躍を見せる。近年の主な出演作に、『劇場版・臨場』(12)、『家路』(14)、『罪の余白』(15)など。2016年の大河ドラマ『真田丸』(NHK)に徳川家康役で出演する。

忽那汐里
1992年生まれ、オーストラリア出身。2006年、「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞に選ばれ、2007年『3年B組 金八先生』で帰国子女役で女優デビュー。以後、映画、ドラマ、CMなど多数出演。近年の主な出演映画は、『許されざる者』(13)、『黒衣の刺客』(15)など。2016年は、連続ドラマ「鴨川食堂」(NHK・BSプレミアム/1月10日スタート)で主演、ウェイン・ワン監督作『女が眠る時』(2/27公開)ではミステリアスなヒロインを演じる。

Text:望月ふみ
(C)2015 Ertugrul Film Partners

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