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万引き家族 通常版DVD(特典なし) [DVD]
『万引き家族 通常版DVD(特典なし) [DVD]』を価格比較。★★★★(78点)『万引き家族』に対するみんなのクチコミ情報などもあります。
監督 | 是枝裕和 |
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出演 | リリー・フランキー,安藤サクラ |
発売日 | 2019年4月3日 |
定価 | 4,104円(税込) |
価格比較
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3,030円 (税込) 在庫あり。 |
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売り切れ |
商品詳細情報
販売元 | ポニーキャニオン |
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発売日 | 2019年4月3日 |
リージョン | 2 |
ディスク枚数 | 1 |
形式 | DVD |
ぴあ映画生活ユーザーによる「万引き家族」のレビュー
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斬新な視点で描く家族の在り方
2018-06-05 by
みかずき
正直、驚いた。今まで、こんな家族なんか観たことなかった。私の家族感は崩壊してしまった。本作は、極めて日本的な雰囲気で究極の家族を描いた是枝監督の渾身作である
訳あり5人家族は、祖母・初枝(樹木希林)の年金を当てにして、万引きを生活の糧にして昭和レトロ感溢れる一軒家で暮らしていた。ある日、浩(リリーフランキー)は、寒さに震えている子供・じゅり(佐々木みゆ)を見過ごせずに家に連れていく。妻の信代(安藤サクラ)はじゅりの腕の傷をみて引き取ることにする。その日を境に、家族の生活は徐々に変化していく・・・。
じゅりを加えた6人家族は貧乏だが、いつも明るい雰囲気で本音を言い合っている。演技巧者を揃えた家族の会話は、本当の家族の日常を切り取ったかのように自然で生々しい。明日はどうなるか分からない。だからこそ、彼らは、今日を悔いなく懸命に生きている。それが彼らの明るさの理由だろう。
大人4人は純粋な善人ではない。一癖も二癖もあり狡賢い面を持ち合わせている。そんな4人が紡ぎ出す家族の絆は生々しい。家族の絆は家族になれば自然にできるものではない。互いを強く想って築き上げるものだという作品メッセージに心揺さぶられる。また、本作は幼児虐待という今日的なテーマも取り入れている。幼児虐待に対する信代の台詞には説得力がある。粗野だが、全身全霊で子供を守るという強い母性が感じられて胸が熱くなる。安藤サクラの決意を滲ませた演技が秀逸。
終盤、ある事件が発覚し、そんな家族はバラバラになり独白という形で一人一人の過去と家族への想いが語られる。特に信代と翔太の台詞が、この家族の素晴らしさを端的に現わしていて心洗われる。安藤サクラの抑制の効いた凄味ある演技が出色。
本作は、打算による相互依存でできただろう家族が、毎日を共に懸命に生きることで、互いを思い遣る気持ちが芽生え、徐々に絆を深めていく物語である。斬新な視点で描いた家族の在り方が心に突き刺さる秀作である。
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あなたは何と呼ばれてたの?
2018-06-23 by
Blue Rose
とても考えさせられる映画でした。家族とは、血のつながりとは・・・。最近も世間を騒がせた児童虐待の問題を合わせて考えると、本当に切なくなってしまいます。ラストの”凛”の表情がすべてを物語っているような気がしました。
出演者のみなさんは、どなたも本当にうまかったですね〜。子役さん二人も含めて。みなさん甲乙つけがたい演技だったのですが、個人的に一番印象に残ったのは、安藤サクラさん。警察での尋問の「あなたはなんと呼ばれていたの?」のシーンの演技は、圧巻でした。あと、これはまったく別の角度からの話なのですが、松岡茉優さん、いろっぽかったです。違う意味で感動しました(笑)。リリーさんは、田中邦衛さんと印象がかぶりました(笑)。それと、あの子役の男の子、かつて柳楽優弥さんが出てきたときと同じ匂いがしました。
この作品、いかにも是枝監督作品といった感じがします。特に初期の是枝作品。社会派の作品という点でみれば「誰も知らない」を見たときと似たような思いです。いえ、進歩がないと言っているのではありません。進歩して、なおかつ是枝色が濃いと言っているのです。不易流行とでも言いましょうか(笑)。
余談ですが、私が観に行った時、映画館はウイークデーの昼間ということもあって、かなり空いていたのですが、上映寸前にオバサマ方の団体が入ってきて、私の後ろの座席にずら〜〜っと並びました。そして上映まで、予告が流れているのにペチャクチャ。これはイヤな展開になったなあと思っているうちに映画が始まりました。ところが始まって少しすると、後ろの座席は静かに・・・。オバサマ方も静かにさせる、いい映画でした(笑)。 -
大人のおままごと
2018-06-25 by
くりふ
期待薄だったが、騒がれる分過去の是枝作品と違うかも?と興味が湧いた。松岡美優のウホ〜イな場面もあるようだし…と劇場へ行ったが、エライ退屈で困ってしまった。監督の確固たる作家性には敬意を抱くし、すこし複合的な問題提起にも技を感じる。が、まったくと言っていいほど心は動かなかった。他人事で絵空事にしか思えない。
“血のつながらない家族”について描くことが柱となっているが、私には、亡くなった伴侶の愛人の子を引き取り、はじめ憎しみまで抱き険悪な関係となるも、蟠りが全くない家族を作り上げた知り合いがいて、その経緯の方が余程ドラマティックで、学べるし、心動かされる。
そんな個人的体験と比べると、この映画は“おままごと”を見ているようだった。万人に通じなくとも、とある事例でよいから、ここで挙げられた問題の一部でいいから、例えばこのように解決した、という物語を見せてほしかった。私には、現実に負けているとしか映らなかったので。
作りとしては、始終、作為性が鼻についてシラケた。まず、子供のセリフがわざとらしい。また、あちこちの紋切型展開を陳腐に感じる。老いた人物が意味ありげなサインを出すからあ、死ぬなと思うと次のシーンでやっぱり死んだわとかね。
本作の特徴を挙げるなら、新たな家族愛を提示したわけではなく、家族という勘違いを気付かせることなのかとは思った。まず登場人物はそれを勘違いしていて、観客も実はそうだということ。で、家族ってなんなの?と改めて問われると、失語症に陥るという問題提起。そこから社会へと問題が伝染してゆく少しの広がりは、少し面白かった。
いつもなら本筋に失望しても、松岡美優のおっぱいウホ〜イ!って喜んだりできるのだけど、本作ではそういう気も起らなかった。…おっぱいには点数献上しますけどね。
しかし、リリー・フランキーの尻を何度も見ないといけないのはキツかったなぁ…。べつに尻たくないよ、『リリーのすべて』は。 -
カンヌ受賞作に限って
2018-06-27 by
Baad
どうかと思う映画だったりするのが是枝監督の映画の特徴で、今回は最高賞だというのでさぞかしトンチキな映画なんだろうと思ってあまり期待せずに見に行きましたが、それでも悪い意味でちょっとびっくりする映画でした。
安藤さくらさんと樹木希林さんは自然な演技力を見せつけたのでこれでいいんだろうと思います。とはいえ、現実に安藤さんのような女性がいるとはあんまり思えなかった。
樹木希林さんと若い女の子の関係はちょっとありそうに思えたんですが、あとは全てが絵空事っぽかった。
あ、リリー・フランキーさんの万引きを子供に教えた理由っていうのはありそうだと思いました。
だって、最初の段階の経済状態で万引きするのは◯◯◯しかないですからね。
設定と登場人物の行動の妥当性の乖離からすると、これ、コメディーにしかならないと思うのですが、この映画見て笑うのは難しいですよね。
審査員がどこをいいと思ったのか訳がわからん。
前半は一部もっともらしい場面もあったりもしたんですが、少年役の子、こんなあほらしい映画に付き合わされて気の毒に思いました。
少年と二人の女優さんに10点ずつおまけ。
しかし、こんなチグハグな盛大な失敗作、久しぶりに見ました。 -
似非家族
2018-06-28 by
無責任な傍観者
フランス人が好みそうな話。
自分の土地を守る努力もなく、都合が悪くなると故郷を捨てて他の土地の好意に甘えて食わせてもらおうなんてクズどもが集まった難民を受け入れてるヨーロッパの状況を家族に当てはめたような感じの物語。
点数は70点かなあ。万引きを肯定することに倫理的な抵抗があるのと、男の子があまりに大人の理論を代弁してるのが気にくわない。最後のシーンも思わせ振りで小賢しい。ただ企画は意欲的です。みんな見て考えて見ましょう。大枠は面白いけど、点数を付けるのに私の感覚では良作未満です、みたいな。 -
誰も救われない
2018-06-23 by
上演が終わったあとの館内の重苦しい空気。
誰も救われないストーリー。
全編を通して陰鬱とした描写。
そしてそれらを指摘してはならないという世の雰囲気。
何を期待してこの映画を観て
どこに共感して高く評価されているのかまったく謎。
出演者の演技力に敬意を表して星2つ。 -
家族のあり方を問う
2018-06-21 by
tabula_rasa
とある一家の生活模様を描いた作品。私たちが持っている常識とか理想、社会通念を裏返しにして見せることで、家族のあり方を問うているのだと思います。
ただ私は、是枝監督の作風が苦手でして、そういう意図があるというのはわかるんですが、正直ノレなかったです。カンヌでの受賞を受けてか、大々的に公開されてはいるが、本来ならミニシアターでひっそり上映されていそうな小品。上映中イビキが聞こえてきて、この内容ならとちゅうで寝ちゃうのもわかるかなぁと。監督の作風を知っている上で観に行くのなら問題ないけど、話題作だからという理由だけで観に行くのはあまりオススメしません。
2018/06/14 TOHOシネマズ西宮OS(11) -
愛が深い
2018-06-18 by
猫ぴょん
が。
闇も深い
罪がひとつ
またひとつ
これでは露見しない訳がない
ゴールの見えない綱渡り
絶対いつか落ちてしまう
底なし沼に落ちてしまう
怒る訳でなく諭す駄菓子屋の店主にグッとくる。
子どもの心に突き刺さる。
女性捜査官の信代に対する言葉が酷い
(本人に自覚はないのだろうが)
信代の涙が悲しくツライ
爆えぐ
リン(ジュリ)ちゃんと最近のニュースの5歳の女の子が重なる。
信代の深い愛がいつまでも彼女の心に残っていることを願う。 -
窃盗家族
2019-05-15 by
EGライダー
「万引き」という言葉
いかにも軽い・・これ「窃盗」だよ。
だからタイトルは正確には『窃盗家族』
「客が買う前の商品は誰のモノではない」・・?
ふざけるな。それは店のモノだよ!
それはともかく子役が素晴らしい。
安藤サクラや樹木希林たちの演技も素晴らしい。
演技を通り越してドキュメンタリーを観てるような錯覚さえ感じます。
印象的なのは駄菓子屋の親父(柄本明)
「妹にそんな事させるなよ」
マトモな大人が少年の心に人の道を悟らせる。
ラストはモヤモヤ感が残ります。
児童虐待の事件があっただけに。。 -
ポリコレ糞喰らえ
2019-04-30 by
アキラ
「捨てたんじゃありません、拾ったんです」パチンコ屋の駐車場に置き去りにされた赤ん坊、人知れず孤独死した老人、親の虐待によってベランダで凍える少女。現代社会に虐待され命を失った日本人。彼等がもし互いの命を拾えていたら。まるでこの腐った現代社会に虐殺された犠牲者たちのレクイエムのような、いや忘れ得ぬ怨念のような映画。極めて道徳的な誇るべき日本人の姿。法から外れて施し合う共助の関係。柄本明演じる駄菓子屋の店主は窃盗を黙認しつつ子供たちの身を案じ人の道を外れすぎないよう諭しも施しもする。それに対して子供たちは犯行によって他人を不幸にしていないかを気にして罪悪感を持ち始める。その思い遣りこそが欺瞞ではない本当の道徳。彼等の人権はそんな最低限の道徳心すら持たない銭ゲバ売国奴どもに踏み躙られ続けています。この作品を不道徳だの犯罪者の話だのネガティヴキャンペーンをした売国奴政権支持のゴミウヨこそが不道徳な犯罪者。
東洋大学で竹中平蔵に疑問を呈する呼びかけをした事で学校側から脅迫された船橋秀人氏はIWJの取材に「イデオロギーの問題じゃありません。彼らはただの犯罪者です。」と語った。ただの卑劣な犯罪者が分不相応に支配者階級であり続ける為に大御宝を虐待し、その犠牲者が更に弱い立場の子供や老人や女性や在日を虐待する。そんな現状から目を背け続ける甘え腐った大人子供と化した卑劣な大衆の在り方が売国奴政権を容認し続けエゴイスティックな保身の為の偽善とヘイト発言を繰り返す。だからこそイチローですら国民栄誉賞を蹴った。こんな連中の評価を受ける事は恥だと分っているから。
『空気人形』では無機的な情景に浅ましい男への皮肉を込めた是枝氏だが、今作では咽返るような生活臭が漂う有機的な情景に人間を描いた。これは我々日本人が失ってしまったユートピアのようでもあります。ここに描かれるのは欺瞞ではない関係。大切に思える命を素直に抱きしめられる関係。形式だけの倫理観に閉ざされた現実を踏み越えた関係。売春は体だけと云いながら心まで腐らせる職業だが、そこで演じる虚構の恋人に本当に真実はないのだろうか?そうじゃない。この社会にいじめられ深い痛みを抱え言葉を失っている男に出会えば、ひとりの人間として痛みを分け合う事もある。そこにある感情は紛れもなく真実なのだ。この共感こそが真に道徳的な本来あるべき人間の姿。
人間の尊さは泥にまみれている。どこまでも汚れてしまった中に生まれる。その輝きを清潔な環境から見下して嘲笑する輩は、どんなに生まれが良くても金を持っていても人権を持つに値しないクズに過ぎない。そんなクズからの賞賛なら願い下げです。ここに描かれる日本人のように人間の心を持った為政者からの賛辞ならば是枝さんも喜んで受けたでしょう。そうなる為には、この日本に育まれながらも社会への恩を忘れ"自由"に毒された"今だけ、金だけ、自分だけ"の私利私欲で公の秩序を害し続ける犯罪的売国奴どもから祖国を取り戻さねばならない。だから私は資本主義に抵抗したスペインのコミュニストどものシュプレヒコールを真似て今こそ本気でこの言葉を口にします。「自由くたばれ!」