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クリント・イーストウッド ワーナー35周年記念 35枚組BOX [DVD]

『クリント・イーストウッド ワーナー35周年記念 35枚組BOX [DVD]』を価格比較。★★★☆(74点)『硫黄島からの手紙』に対するみんなのクチコミ情報などもあります。

クリント・イーストウッド ワーナー35周年記念 35枚組BOX [DVD]
74点
出演 クリント・イーストウッド
発売日 2010年8月25日
定価 49,800円(税込)

 

価格比較

クリント・イーストウッド ワーナー35周年記念 35枚組BOX [DVD] 在庫切れ  
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商品詳細情報

販売元 ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日 2010年8月25日
リージョン 2
ディスク枚数 35
形式 DVD


ぴあ映画生活ユーザーによる「硫黄島からの手紙」のレビュー

  • 100点 素朴な傑作

    2007-02-16  by 星空のマリオネット

    イーストウッド監督の最近の映画は、人生の不条理・悲哀・死を描いたものが多いような気がします。「ミスティックリバー」、「ミリオンダラーベイビー」、「父親たちの星条旗」そして「硫黄島からの手紙」。登場人物の輝いた時、失望の時、決意の時を、慈悲深くじっと見守る監督の姿が浮かびます。

    戦争映画としての本作をどう評価するか。戦争映画には、異なった文明との衝突や狂気を描いたもの(ディアハンター、フルメタルジャケット)、激戦・戦略・勇気・ヒーローを描いたもの(プライベートライアン)、民間人の悲惨さを描いたもの(黒い雨、火垂の墓)など様々なタイプの傑作があります。
    本作では、大切なものを思い描きただ生きていたいと願いつつも、或いは泥沼に放り込まれ、或いは自死を迫られ、或いは銃弾に倒れ、死んで(=殺されて)いかざるを得なかった人々の姿を直視させられます。戦争という不条理のもと、そこにはヒロイズムや感傷的な美しさが入り込む余地はありません。残酷さと、ぼろぼろになった骸と、悲嘆にくれる仲間が残されるだけです。

    時代考証の不足や灼熱地獄の過酷さの不足等をもって、外国人監督の限界を指摘する声があります。しかし、日本人監督が日本映画として硫黄島を取り上げ上映することができるかどうか疑わしいですし、少なくてもこれだけの映画を製作することは不可能です。イーストウッドの存在があったからこそ、この誠実な映画が製作・公開され、日本人でさえも多くの人が知らない硫黄島の戦いについて、目を向かせることができたその功績は大変大きいと思います。 (ただ、時代考証等が不足していると、よく知っている人には違和感が高まり、それが映画に入り込めない原因になることも事実だと思いますが・・・)
    もう一点、当たり前のことですが、硫黄島の戦いを忠実に再現することが本作の目的ではないということです。日本人だけにではなく、先ずアメリカ人に勧善懲悪の戦争観を見直してもらうこと、さらには敵を自分達と宗教・価値観の違う理解できない異人種と見做し、戦争を正当化してはならないことを訴えることが、本作の目的の一つであったと思います。したがって、余りに悲惨な非人間的な状況設定は、日本兵の友情や愛、批判的な思考力をも埋もれさせてしまうリスクがあるのではないでしょうか。主題が変わってしますリスクです。

    以下、俳優についてです。
    二宮くんは現代の人っぽすぎるし若すぎるという感は拭えません。しかし、渡辺謙演じる栗林中将や伊原剛史演じるバロー西が、西洋とも繋がりのある進歩派の知識人であるのに対し、市井のパン屋さんである、二宮和也演じる西郷一等兵の存在の意味は大きい。即ち、小柄で頼りなさそうで愛想も良くはないけれど、いかにも日本人らしいこの普通の青年が、現代の観客との橋渡し役を担ってくれたのは嬉しいところです。いつも淡々としている彼の、孤独な兵士の死に接した際の「号泣」が耳に残ります。
    また、主演の渡辺謙は少し立派過ぎると感じましたが、手紙に小さな挿絵を描いているシーンは実に微笑ましく、一方で最期の突撃時の「万歳!」のシーンの鬼気迫る迫力には身震いがしました。

    最後に一言。
    本作は完璧な作品ではないと思いますが、ステレオタイプの価値観・演出と戦闘シーンの未熟さからなかなか脱却できない最近の日本の戦争映画とは、残念ながら雲泥の差があると思います。
    私は、イーストウッド監督の作品の中では、「許されざる者」と並んで、この素朴な傑作「硫黄島からの手紙」がとても好きです。

  • 100点 あまりにもささやかな幸せ

    2009-08-04  by 奈菜

    アメリカ側の視点から撮影した『父親たちの星条旗』と、二部作になっているこの作品。太平洋戦争中に実際にあった硫黄島の戦い≠ナす。本作では、日本側の視点で描かれています。
    両作品共に、過度に情緒を煽るような作り方をせず、淡々と、しかし戦争が心身に及ぼす激痛をしっかりと描いているところは、さすがイーストウッド監督だなぁと思いました。そして、イーストウッド監督は、アメリカサイドと日本サイドの両者を公平な眼差しで見つめていて、わたしは脱帽でした。

    戦争の深い闇≠ノ迫るかのように、本作の映像も終始暗いトーンで覆われていました。こうした緊張感張り詰める非日常的生活の最中に、栗林中将(渡辺謙)は家族へ手紙を書くことを指揮しますが、それはどんな気持ちだったのでしょうか。

    戦争映画しかり、戦争フォトしかり、監督や戦場の写真家はどれだけ深い闇に迫れるのか、ということが勝負どころでしょう。
    しかしその闇を描きながらも、あまりにもささやかで見過ごされてしまいそうな、普通の幸せ≠ニいうものが、どれだけ光輝いているのかをイーストウッド監督は本作で迫っているのではないでしょうか。二宮くん演じる若夫婦のささやかなシーンが、切なく輝いていました。
    『ミリオンダラー・ベイビー』でも、一瞬の光が、切なくきらめいていました。

    もう一度観るのは、勘弁願いたい作品です。
    苦手だけど、やっぱり好きな監督です。
    2009年7月5日

  • 50点 印象に残るメロディ

    2009-03-14  by マモノレ

    主題となっているメロディはとても良く、耳に残る。
    そして、音楽が印象に残る映画は内容はあまり残らないんだな〜これが。
    よくマニア受けしたB級映画で音楽だけは素晴らしいといわれることがあるけどそんな感じ。
    渡辺謙の存在感はすごいですけど。
    その分二宮君が・・・若すぎるというか、一児の父には見えない。
    本当にオーディションで通ったのか疑問ではあるけど、それ目当てで観る人が増えてるのは確かなのでよかったんでしょうね。
    あと、彼もそうだけど他の役者さんも結構噛み噛みなシーンが多々あってそのまま使われているのが気になった。
    イーストウッドは親日ではあるんだろうけど、日本語はわからないからだろうか。
    それを確認する日本人スタッフはいなかったんだろうなぁ・・・。
    渡辺謙でさえ、打ち首を叫んで止めるシーンで何言ってるかわからない箇所があるし。

    好きなシーンはラストの硫黄島ですね。
    全編色あせた質感を出した映像だったのが、パッと鮮やかになって映る島の風景は戦争が終わって平和になった事を象徴しているようでした。

    知られざる戦いを日本人に知らしめたという意味ではこの映画はとても意味のある映画だと思います。
    ・・・が、監督及び製作がアメリカでありなぜ日本ではこのような映画は製作できないのかと思うと悲しくなります。

  • 70点 日本人が作らなければいけない

    2010-12-26  by カメラマンのあっきー

    8月15日シリーズにこんなに沢山の船が出てくるシーンは無かった。
    やはりさすがにハリウッドといった規模を見せてくれる。それも本物らしく(本当には見た事がないのでよくは分からないが)見せてくれるので「うお、スゲー!」となるところが映画を観る楽しみの大きな要素の一つである。だからハリウッド映画が好きなのだ。

    日本の俳優が日本語で話しているので日本の映画として成立している。
    でも日本では作れないという悲しい矛盾をさらけ出してくれた一作だ。
    戦争の愚かさ、悲劇を日本人こそ作り続けなければいけないのに…。

  • 80点 監督の誠実さが伝わる

    2009-08-22  by バナバナ2

    二宮君が現代からタイムスリップしたかの様な青年で、ちょっと浮いてました。あんなに饒舌なら、せめて東京の噺家さんみたいに、もっと下町言葉でしゃべる設定にしてほしかった。

    その他は、冒頭の音楽からして、一瞬ハリウッド映画というのを忘れて、日本のテレビの終戦企画ドラマと錯覚しそうな雰囲気でしたが、場面が進むにつれて、余計な感情を省いた乾いた演出は、やはり日本では撮れなかっただろうな、と思いました。

    映画からは、5日で終わると思われた戦いが、36日もどのようにもったのかとか、現実はもっと壮絶だったそうだけど、目を背けるような場面は自決のシーンくらいで、『地獄絵図』をリアルに見せるような映画ではありませんでした。

    しかし、今では日本人すら忘れているような小さな島の戦いを、日本では決してあがることがないであろうこのような企画を、わざわざアメリカから来て、日本人だけを使って(韓国人や中国人を使わずに)撮ってくれたイーストウッド監督に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

    映画を見て驚いたのは、栗林中将は二宮君が最初に守っていた場所の隊長に、「本部まで撤退して来い」と命じていましたが、あれを聞いて私は、『途中で敵に遭遇したら投降してもよい』という意味で言ったのかと思っていたんです。
    ところが、掲示板の黄金のキツネさんのスレッドを見たら、決してそうではないんですね。

    栗林中将は、優しいし、人間味のある人柄という演出だったので、やっぱりアメリカに留学してた軍人は違うんだなと思っていたら、『無駄死にはしなくていいけど、最終的には突撃して最後までお国の為に戦え』という考え方だったんですね。

    日本は、日露戦争や第一次世界大戦では、国際法を守って戦っていました。
    第一次世界大戦で、徳島県にある捕虜収容所に入れられたドイツ人たちは、国際法を守る看守の日本軍や地元民たちと交流し、国に帰ってから親日家になって「日本会」を作ったほどです。

    ところが、第二次世界大戦中の日本は、軍人だけでなく一般市民にまで、玉砕を命じられていました。
    高級将校たちは、昔は士官学校で国際法を勉強した筈なのに、いつからおかしくなってしまったのでしょう。
    世界恐慌、満州事変、5.15事件、2.26事件、これらの積み重ねでしょうか。

    アメリカに留学経験があって、バロン西とも戦場で馬の話が出来るような人でも、帝国軍人としての考えの方が上だったのですね。
    アメリカでは、捕虜になることは決して恥ずかしいことではない、と知っていても…。

    今また、世界が恐慌の中にあり、針がどっちに触れるか分からない危うさがあると思います。
    日本は、過去の過ちから学べるでしょうか?

  • 80点 アメリカ人による,日本人のための日本映画

    2006-12-21  by 未登録ユーザヘビメタさん

    1.ストーリー
    すでにご存知の通り、クリント・イーストウッド監督による硫黄島二部作のうち、日本側からの戦闘を描いたもの。先の「父親たちの星条旗」が熾烈極める上陸作戦と、たまたま摺鉢山に星条旗を立てた海兵隊員の、本国での「その後」が描かれていたのに対して、こちらはひたすら硫黄島での日本軍が描かれています。硫黄島防衛作戦における最高指揮官であった栗林中将と、召集令状によってパン屋から借り出された下っ端軍人の上下両視点から描かれているのが今作の特徴ですね。

    2.史実に忠実
    兄弟作もそうであったように、かなりリアルです。「父親たち」を観てから興味を持ってネットなどで予習していたのですが、大局的にはそこで学んだとおりの展開が描かれていました。ですから当然、ご都合主義的な展開もないし、「映画らしい」ドラマチックな演出もほとんど気になりません。このことはよりいっそうドキュメンタリー映画的な印象を強くします。はらはらドキドキ、と言うよりは「ああ、こんなことあったのかな」「なるほど、そういうこともあったかもしれない」というように映画を鑑賞していました。そういう意味では、多少なりとも帝国軍人気質や当時の日本の世相などについての予備知識があると(もちろん、僕もその点では理解が充分とは言えないわけですが)理解がしやすいだろうと思います。

    3.アメリカ人による日本人のための日本映画
    今作は俳優もほとんど日本人ですし、台詞も日本語なので、これがアメリカ人によるアメリカの映画だということを忘れそうになります。それだけ???な部分もなく、かつてのハリウッド映画に散見されたような偏見や誤解が皆無でした。よくぞこれだけ完璧な「日本映画」を外国人が作ったものだなと感心せざるにはいられません。一体どれだけ勉強したんだろう?この作品を作るのに要したであろうエネルギーは膨大で、日本人として、最大の敬意を表したいと思います。

    4.演技
    主役でない俳優の台詞回しに、若干不完全なところがあるようには思った(噛んでる?)ものの、それ以外には特に僕から指摘すべき点はありませんでした。主役の一人である二宮君の演技を僕は余り好きでなかったのですが、これは僕の主観的感想の域を出ませんので、おそらくほとんどの人は問題に感じないのではないでしょうか。

    5.海外での興行成績は?
    余計なお世話でしょうが、この作品の海外での受け入れられ方が気になります。何せ、完全に日本側の視点から描いた、世界的には特に有名でもない第二次世界大戦での一戦場ですから、例えば日本と直接戦わなかった欧州の国々ではどれだけの関心をひくことが出来るか。また、そこに描かれる「大和魂」をどれだけ理解することが出来るか。生きて辱めを受けるより、自決して陛下の名を汚さずに武士として美しく散る…今日の日本人にもなかなか共感できない感覚ですから、下手をすれば単にinsaneと映るかもしれません。しかしなあ、個人的には是非とも観て欲しいんですよね。つい半世紀余り前の日本が、どんな国だったかを諸外国に知ってもらいたい。それに、これだけ頑張って作った映画が興行的には失敗だった、なんてことはどうしても避けたい。

    6.その後の日本
    最後に、どうしても考えさせられること。それは、「この」現在の日本が、確かに「あの」日本という歴史の上に築かれているんだということです。「男たちの大和」でも同様に思ったのですが、僕たちは彼らが必死に守ろうとしてくれた世界をちゃんと享受しているんだろうか?
    残念ながら、一ヶ月にわたる攻防戦の末に日本軍は壊滅し、栗林中将はじめ多くの日本兵が自らの命に代えても守りたかった本土への空爆が始まりました。軒並み日本の大都市は無差別空襲を受け、2発の原子爆弾で、街が壊滅…。どれだけ無念だったことだろうと思います。きっと彼らは死んで尚、焦土と化す日本と焼かれ殺されていく日本国民を見て、申し訳ないと謝っていたんだろうな。
    そうまでして守ってくれたこの国に、僕らが今住んでるということを、改めて考えざるを得ません。

    7.おすすめ
    そんな訳で、entertainment性は皆無に近いように思えますが、しかし「観る価値」という点では是非とも映画館で観ておきたい映画です。正直、あんまり号泣するような映画ではないかもしれません。それは上に述べたように、ドラマチックな映画ではなく、飽くまで史実に忠実なドキュメンタリー風味に仕上がっているからです。でも、これはやっぱり知っておきたい自分の祖国の歴史の一ページじゃないかな。仮に映画館で観る機会を逃したとしても、DVDで観ても充分に価値のある映画だと思います。

  • 80点 それぞれの狂気

    2006-12-30  by ペンギン

    ん〜、これは前作「父親たちの星条旗」にも増して難しい映画である。
    これ一本だけだとイーストウッドの視線の先に何が見えているのか、なかなか理解しづらい。
    確かに前作同様、これだけで作品として成り立ってはいる。
    それどころかそこら辺の映画を寄せ付けないほどの風格を保っているのは流石だ。
    しかし「星条旗」ほどこれでもかと言うほど一つのテーマに拘る姿勢が見えてこなかった。
    やはり自国と他国では思い入れも拘りも、つまりは寄り添い方が違うのかと思った。
    しかし二本揃った時に、監督の思いが鮮やかに浮かび上がる。
    私は前作のレビューで「この二部作は反戦と言うより反米であるに違いない」と書いたが、早とちりだった。
    確かに確認できたのは前作は「反米」そして今作は「反日」(昨今の政治がらみの「反日感情」とは全然違う)であると言う事だ。
    つまりイーストウッドがこの二部作で訴えているのは「反国家」だった。
    彼は、それぞれの国民が持つイデオロギーというか、スピリッツみたいなものに潜む「狂気」を浮き彫りにしてそれぞれの国民に内省を促している。
    栗林や西という国際的な視野を持つ軍人を鏡にする事で、実に効率よく旧日本軍のおよそ西洋人には理解不能な「勝つために戦略を修正することよりも、やたらと死にたがる、部下に自決を強要する」精神構造をミステリアスな狂気として提示して見せる。
    これを見たアメリカ人や他国の人々は「日本人というのはなんと不気味で恐ろしい人種なんだ」と思うだろう。
    しかしちょっと待てと。
    これも狂気なら「星条旗」で見せたアメリカの「プロパガンダに利用して自国の兵士の精神を破壊する」こともアメリカ型の狂気じゃないのか?所詮は「目糞鼻糞を笑う」に過ぎないだろうとイーストウッドは言っている。
    ここにこの作品が二部作でなければならない意味がある。
    実にフェアである。
    戦争に勝とうが負けようが「正しい国」なんか存在しないんだと、そしてそれは他国民を傷つけるだけではなく、自国民をもボロボロに傷つけているんだぞと、静かな語り口で訴える。
    そしてさらに、この二部作は今作られた事に大きな意味を持っている。
    「悪の枢軸」を駆逐して世界中の不幸な国を救う事や、美しい国を愛する事の裏には、こんなに狂気が潜んでいるとイーストウッドとスピルバーグは21世紀の我々に警告しているのだ。

    それぞれの作品に★★★★をつけたが、二本揃えば★★★★★だろう。

  • 90点 大人として・・・

    2006-12-19  by 未登録ユーザtak-mit

     この映画を観ての感想は、「大人の映画」という感想でした。
    それは、硫黄島決戦における基本的な情報は、あまりなく、
    というかまったくなく、登場人物の人間描写に注力している点から、そのように感じた。

     過度な情報提供が、考える力を奪うと私は考えるからです。
    私たちへの問いかけの映画とするなら、十分だと感じます。

    もちろん、現状の日本人の戦争知識は、監督の想像をはるかに
    上回る希薄さなので、描く必要があったかもしれませんが・・・

    約1ヶ月間に及ぶ激烈な戦闘、粉かな言い回し等が雑な点、現地の猛烈な地熱と硫黄の臭い等に代表される劣悪な環境、
    壕を設営する際の地獄以上といわれた過酷さ等は、まったく描かれていませんから、リアリティーに欠ける等の意見はあるかと思います。

    地熱に関しては、低い箇所で40度、高い場所では60度もあります。
    その割りに汗が滴り落ちていませんでしたが・・・
    備蓄していた飲用の雨水が即座に沸いてしまうほどの熱さです。
    耳を劈く、爆撃音や飛行音。(未だに帰還された方の多くは、耳が遠い方が多いそうです)また、壕を設営する際には、丸1日で約1m程度しか掘り進めなかったそうです。機会があれば、スコップでどこか問題ない場所を掘ってみてください・・・・30cmくらいから進まないですよ。
    連日の火炎放射機による襲撃で自暴自棄になってしまうほどの
    精神的圧迫・恐怖感、背後の見方からの脅迫等による絶望感。
    数え上げれば、きりが無い過酷さだったそうです。

    ただし、前述した史暦とは別に、硫黄島が、東京の南方1200kmに位置し、本土攻撃の拠点となりうる。それ以外に彼らが、この島をなぜ守ろうとしたのかは、当然、私たち一人ひとりが、自国の戦史及び領土の基本的知識として、当然の教養として持ちえているとして、
    描いていると考えると、余計な説明等に終始せず、考えるべきことの問いを投げかけられたように思う。

    「戦争は悲惨で繰り返してはならない」
    多くの人は、そう言います。私もそう思います。
    しかし、それだけなのか?と思う。

    劇中でも言っていました。「必ずや後に残るものたちが・・・・」
    後に残るもの、つまり、現代の私たちの生き方が問われているよ
    うに思います。

    子殺し・親殺しが横行し、汚職や不正にまみれた拝金主義の
    現在のこの国を見たとき、先の大戦でわれわれに希望の未来を託し、礎となられた多くの日本国民(あえて兵士とは、言いません)に
    顔向けのできる世の中を創らなければならないと私は、思います。

    蛇足ですが、この島での日本側戦没者は、約21000人。
    そのうち、ご遺族に遺骨が、返却された数、約8000人。
    つまり、現在、航空自衛隊・米軍等の基地しかなく、
    一般人立入禁止の硫黄島には、13000人の遺骨が
    未だ故郷に帰れずにいます。

     占領後、米軍は、遺体処理をほとんどおこなう暇なく、基地建設を
    おこなっていますので、現在も施設下に多くの遺骨があります。
    ちなみに米国は、すべての戦争の戦死者の遺族への遺骨返還を
    国費でおこなっています。

    世界第2位の経済大国となった我が国において、建前程度にしか
    遺骨回収事業が実施されていない現実。国費が足りないとは、
    諸々考慮し、思えないが・・・・このあたりから考えていく必要が無いでしょうか?

    そんなことを考えさせられる1本でした。

  • 80点 傑作

    2010-01-09  by セルン

    今の日本人には作れない作品だろうな、と思いました。

    全体を通して流れる虚無感に心揺さぶられました。
    結末が日本の敗北と分かっているからかもしれませんが、戦闘が始まる前の序盤から虚しさを感じました。
    通り一遍の感動とはまた違うような、なんともいえない気分になりました。

    今の日本人が作るとなると時代考証ばかりに気を取られ、記録映画っぽさがでて、本作品のような雰囲気は出せないだろうな、と思います。

    もちろん時代考証も重要ですが、観る映画なのですから雰囲気も大事だと思います。

  • 70点 皇軍と皇国の構造

    2011-08-17  by aakurara


    『父親たちの星条旗』の別棟ということで、どんなものかなと思いながら見てみましたが、あれ? 「建物」になってない・・・?

    立て札がふたつ。近づいてみると、それぞれ「家族」「天皇」と書いてある。

    なんか、そんな印象の作品でした。

    ただ、この「ぺらぺら感」は、逆に監督の「誠実さ」の証なのかもしれない、という気もします。「視点人物」であるサイゴーがあまりに現代的すぎる、という指摘がいくつもありますが、この映画が描いているのは、まさに「現代人」、つまり合理主義的な感性・思考をもつ者の視点から見た「皇軍」の有様であって、合理主義的な見方では、その深いところの「構造」はわからない・・・のでしょう。その「わからない」ということを、正直にわからないまま作品にした結果の「ぺらぺら感」なのではないかと。

    栗林中将の回想シーンで、パーティで拳銃をプレゼントされるところがありましたが、そこで「もし日本とアメリカとが戦争することになったら?」という話題になり、中将が「私は私の信念に従うまでです」というようなことを言う。それに対してアメリカ人のひとりが、「あなた自身の信念ですか、それともお国の信念ですか」と尋ね、中将が「それらは同じものではないのですか」と聞き返す・・・なんか、ここのやりとりが印象に残ったのですが、この作品をちゃんとした「建物」にするとしたら、「構造の種」はここにあるのではないかと思います。

    「種」を渡されたのかな・・・この「皇国」の「構造」をハッキリさせるのは日本人の仕事だよ、ということなのかもしれません。

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作品情報

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