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『判決、ふたつの希望』の映画論評・批評


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“よくできた法廷劇”を超える脚本の妙、
深いテーマに感服させられる

written by:佐藤久理子
(2018/08/29更新)

ジャンル 社会派ドラマ
原題 L'INSULTE
製作年/国 2017年/レバノン=仏
配給 ロングライド
ヘッド館 TOHOシネマズ シャンテ
時間 113
公開日
監督

 


『判決、ふたつの希望』


レバノン映画史上初めてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたというだけに、本作は抜群によくできた法廷ドラマである。その始まりは、よくあるたわいない口げんかだ。工事人ヤーセルの頭上にベランダから撒かれた水が降りかかり、住居人のトニーと口論が始まる。トニーが謝ればすぐに収まったかもしれぬものの、売り言葉に買い言葉で暴力沙汰に発展し、ついに法廷で裁きを受ける羽目になる。そしてここからが、この映画の真の醍醐味だ。裁判が進むうちに、レバノン人カトリック教徒のトニーとパレスチナ難民のヤーセルの背景が明らかになり、宗教、思想の違いが歴然となる。国家のあり方やその歴史が個人の生活をどれほど左右するかという、これは一見サスペンスの衣をまとった強烈な社会派映画なのだ。

なんでもこの物語は監督の実体験に基づいているという。いったいどこまでが“実体験”なのかは分からないが、20歳まで内戦下のレバノンで育ったドゥエイリ監督にとって、中東の複雑に絡み合った国際情勢が市民に与える影響は、嫌というほど身に沁みているはずだ。もっとも、そんな背景を知らなくても本作は十分に感動できることをつけ加えておきたい。

 

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【関連作品】
判決、ふたつの希望

(C)2017 TESSALIT PRODUCTIONS-ROUGE INTERNATIONAL-EZEKIEL FILMS-SCOPE PICTURES-DOURI FILMS/PHOTO(C) TESSALIT PRODUCTIONS-ROUGE INTERNATIONAL

 

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