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『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』の映画論評・批評


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同情は求めてこないが観終わった後
きっと彼女が好きになる

written by:猿渡由紀
(2018/05/01更新)

ジャンル 人間ドラマ
気分 ハラハラドキドキ興奮します
原題 I,TONYA
製作年/国 2017年/米
配給 ショウゲート
ヘッド館 TOHOシネマズ シャンテ
時間 120
公開日
監督
PG12

 


『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』


一定年齢以上の人なら、誰でもこの名を知っているはず。ライバルのナンシー・ケリガンを蹴落とすため、元夫を使って脚をケガさせたフィギュア選手トーニャ・ハーディングの話は、当時、世界のメディアを騒がせたものだ。それから20年余り、忘れられていたこの話が映画になった。それも、ファニーで衝撃的、かつ共感できる傑作としてである。

意外にも、“あの事件”は、映画が後半に差しかかるまで、つまり観客が彼女の生い立ちを知らされるまで、出てこない。その過去は、実の母と夫によるDVの連続。暴力描写は容赦がなく、ショックに息をのんでしまうこともたびたびだ。一方で、「ナンシーなんて1回暴力を受けただけで大騒ぎしちゃって」と、ブラックな笑いにしてみせたりもする。

ホワイトトラッシュと笑い者にもされた彼女は、フィギュアというイメージを重視する世界で、ずっと差別もされてきた。そんな事実は胸を痛くさせるが、映画は決して同情を求めてはこない。それでも、勝手に揶揄をしてきた人たちは、彼女についてちょっと違う見解を持つはずだ。もしかすると、彼女を少し好きにすらなってしまうかもしれない。

 

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(C)2017 AI Film Entertainment LLC

 

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