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『デトロイト』の映画論評・批評


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ビグローの骨太演出が、
人間の残虐な本能をもあぶり出す

written by:斉藤博昭
(2018/01/11更新)

ジャンル 人間ドラマ
原題 DETROIT
製作年/国 2017年/米
配給 ロングライド
ヘッド館 TOHOシネマズ シャンテ
時間 142
公開日
監督

 


『デトロイト』


現在のハリウッドにおいて、“骨太”な作品を撮らせたら、この人の右に出る者はいないだろう。キャスリン・ビグローのこの最新作は、まさしく彼女の作風が全面的に押し出され、激しいまでに観る者の心をざわめかせる。

1967年、デトロイトのモーテル。発砲の疑惑をかけられた黒人とその仲間たち、そして彼らを尋問する白人警官という構図は、そのまま当時のアメリカ社会の分断を表しているが、半世紀を経た今、この分断がまだ消えていないことも同時に実感させる。過去の実話を描きながら、現代への警鐘も鳴らすパワーが今作にはみなぎっているのだ。その警鐘は、ビグロー監督の臨場感重視&テンションを途切らせない演出で、さらに強度を増す。

こうした作品の場合、不条理な仕打ちを受ける側、すなわち黒人側に感情移入させるのが一般的だ。しかし、今作がよくある映画に収まらないポイントは、仕打ちを与える側の白人警官の気持ちにも観る者が本能レベルで反応してしまうこと。冷静に判断すれば、完全に警官たちは“悪”なのだが、暴走した行為を自ら止められなくなる人間の愚かさが体現され、誰もが自分の内に眠る狂気と向き合わざるをえない。最も卑劣な警官役、ウィル・ポールターの鬼気迫る演技のおかげでもあるが、ここにも監督が冷静に人間を見つめる“神の視点”が感じられる。

モラルや理屈は頭ではわかっている。でも人間は、時に周囲に流され、歯止めのきかない行動に走ってしまう。目を覆いたくなる衝撃シーンの連続とともに、人間の悪しき本能も真っ向から見据え、普遍的なテーマをはらむことに成功した一作である。

 

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【関連作品】
デトロイト

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