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『リバーズ・エッジ』の映画論評・批評


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原作リスペクトに徹して90年代の青春が
リアルな鮮度で再生される

written by:森直人
(2018/02/14更新)

ジャンル 青春ドラマ
気分 原作が有名です
製作年/国 2018年/日本
配給 キノフィルムズ
ヘッド館 TOHOシネマズ 新宿
時間 118
公開日
監督
R15+

 


リバーズ・エッジ


4半世紀も前の90年代、インターネットも携帯電話もなかった頃の青春。それは遠い昔のはずなのに、今もひんやりと血生臭い空気を伝える近しい場所のようだ。かつて天才漫画家・岡崎京子が描いた「平坦な戦場」――愛も死も、自由もセックスも、すべてがのっぺりして手応えのない書き割りのような現実――その殺伐と虚無がスクリーンで生成され、原作と映画の精神がぴったり同期する。
 
見事な映画化だと思う。監督の行定勲をはじめとする本作のクルーは、驚くほど丁寧な仕事で原作リスペクトに徹した。この物語をノスタルジアの額縁に収めることを良しとせず、「マキセリホが海に飛びこむCM」「フリッパーズにいたオザワくん」といった台詞など、当時の時代性をしっかり反映させながら、リアルな高校生たちの日常を現在進行形で差し出していく。それは『リバーズ・エッジ』というキラーチューンを、2018年にそのままの鮮度で再生するかのような衝撃をもたらすだろう。

彼らが生きるのは、空っぽの世界。人間の欲望がきりきりと臨界点に達した果ての位相。その痛みを肌で感じ取ったかのような、若い役者たちが本当に素晴らしい。二階堂ふみ、吉沢亮、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、森川葵……彼らは一様に、ちょうど原作発表当時あたりの頃に生を受けた世代だ。演者と役のシンクロに関しては、冒頭シーンをはじめ時折挿入される登場人物たちへのインタビューパートのドキュメンタルな感触も効いている。河沿いから流れてくる風に吹かれて、再び突き付けられた鋭利な問い。エンディングに流れる岡崎の盟友、小沢健二の新曲「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」が無上に美しい。

 

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【関連作品】
リバーズ・エッジ

(C)2018 映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

 

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