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『孤狼の血』の映画論評・批評


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東映実録路線の盃を正統に受け継ぐ
“本当に面白い日本映画”の総力戦!

written by:森直人
(2018/05/14更新)

ジャンル バイオレンス
気分 原作が有名です
製作年/国 2018年/日本
配給 東映
ヘッド館 丸の内TOEI
時間 126
公開日
監督
R15+

 


『孤狼の血』


今年の日本映画ベストワン!の声がすでに四方八方から聞こえてくる。そりゃそうだろう。これは出力120%、さらに倍の倍といった桁違いの気合。荒ぶる東映の血、実録路線の盃を正統に受け継ぎ、冒頭の波しぶき打ち付ける三角マーク(現在のCG加工されたヴァージョンではなく、往年のロゴがそのまま復活)に忠誠を誓う形でギラギラと沸騰しているのだから!

要はこれ、堂々と深作欣二である。深作が最も脂が乗っていた頃に鳴らしたロックンロールを、全身全霊のリスペクトで踏襲した爆音の生演奏。そもそも柚月裕子の原作小説が『仁義なき戦い』や『県警対組織暴力』から多大な影響を受けているというお膳立ての完璧さ。そこから当世のコンプライアンスを無視、いや敵視する方向の破天荒な脚色が数々加わった。今は量が質を生み、スピードが熱を生むプログラムピクチャーの時代ではない。例えばワーナーのB級ギャング映画を継承・更新する形でスコセッシやマイケル・マンらが創出するようなA級のマスターピースが、“これ一本”の総力戦で立ち上がった。

耳と心が痺れるナレーションに、魂高ぶる音楽。本作は1973年に発明され、以降約5年間で鬼のように反復された実録路線の“型”をあからさまに前面化している。それをパロディの域ではなく、遊戯性すら狂熱で炙る極太の本気度で貫いた。とにかく端的に、キャスト陣が凄い。“ガミさん”こと大上を怪演するのは『シャブ極道』や『渇き。』以上のキレた猛獣ぶりを身にまとう役所広司。後輩のエリート日岡には、今年の若手俳優の顔と言っていい松坂桃李。石橋蓮司もいる。ピエール瀧もいる。竹野内豊も新境地に到達する。

はみだし刑事のキャラクターは『ダーティハリー』や『フレンチ・コネクション』から脈々と続く系譜も意識されているだろうし、『殺人の追憶』以降の韓国映画への羨望も伺える。現状を批評的に見据えたうえで、昭和の東映マークに突っこんでいく姿勢には、あえてアナログを志向するモダンな手触りがしっかりあると思う。

本当に面白い日本映画とは? これはその“答え”のひとつだ。監督は白石和彌。『凶悪』のブレイク以降、猛烈な勢いで“ルポ作家”と“映画屋”の素養を両輪駆動させてきた気鋭監督の、とりわけパワフルな突出点として2018年は長く記憶されるだろう。

 

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孤狼の血

(C)2018「孤狼の血」製作委員会

 

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