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『ノクターナル・アニマルズ』の映画論評・批評


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T・フォードの監督第2作は区別しない異空間演出で
観客を甘美な混沌へと誘う

written by:清藤秀人
(2017/11/01更新)

ジャンル サスペンス
気分 ハラハラドキドキ興奮します
原題 NOCTURNAL ANIMALS
製作年/国 2016年/米
配給 ビターズ・エンド=パルコ
ヘッド館 TOHOシネマズ シャンテ
時間 116
公開日
監督
PG12

 


『ノクターナル・アニマルズ』


恋人を亡くした大学教授の最期の1日を、ただひたすら甘美な映像を駆使して描いた監督デビュー作から7年。トム・フォードの空間演出は格段に成長していた。ジャンクカルチャーにどっぷり浸かるアートギャラリーのオーナー、スーザンの空虚な現実と、彼女の手元に送られて来る元夫が綴った犯罪小説が誘うリアルな虚構とを、地続き、つまり何ら演出的区別をせずに往き来しつつ、さらに、現実の時間軸を前後に移動させるという企みを、ものの見事に成功させているのだ。その意図した混沌の効果たるや!!

観客はいつしかスーザンと一緒に、不眠症に苦しむ日常を逃れて、テキサスの荒野で起きる殺人事件を目撃したり、元夫との出会いの日々に思いを馳せつつ、やがて、痛烈な結末へと突き進んでいく。まるで小説のような切れ味鋭い幕切れへと。それは正しく、映画だけに許された虚実のごった煮。シャワーやベッドシーン、死体演出に見る裸体の類似配置、スーザンのメイクの濃淡など、各空間をつなぎ、時に区別する演出の遊びにも興じながら、フォードが狙った映画的世界の完成度は高い。それを比較するなら、ブライアン・デ・パルマが最も近いのでは?

 

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(C)Universal Pictures

 

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