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『アウトレイジ 最終章』の映画論評・批評


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生と死の絶妙な対比が映える極悪非道たちの
サバイバルドラマ最終章

written by:轟夕起夫
(2017/10/06更新)

ジャンル バイオレンス
気分 ハラハラドキドキ興奮します
製作年/国 2017年/日本
配給 ワーナー・ブラザース映画=オフィス北野
ヘッド館 TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
時間 104
公開日
監督
R15+

 


『アウトレイジ 最終章』


1作ごとにモードを変えながら、断続的に発表されてきた『アウトレイジ』シリーズ。この『…最終章』では冒頭、視界の奥に青い空と水平線が見え、ゆるやかな坂道を軽トラックが走っていく。思い起こせば“軽トラ”というのは『あの夏、いちばん静かな海。』(1991)や『菊次郎の夏』(1999)、『アキレスと亀』(2008)など北野映画によく出てくるものなのだが、ここで比較すべきはやはり『ソナチネ』(1993)だろう。ラストの、同じく海へと繋がるゆるやかな坂道にシンボリックに登場していたからだ。

つまり、本作のオープニングは明らかに前2作とテイストが違うのである。ビートたけしと大森南朋……主人公の大友と、彼をかくまう“張グループ”の一員・市川が韓国の済州島で釣りをし、『ソナチネ』のごとく時間つぶしを始める、手持ち無沙汰な、でもどことなく開放感を与える数ショット。これが映画全体に効いてくる! つかの間流れた大らかな“生の時間”が刷り込まれ、だからこそ以降にやってくる閉塞感、前2作さながらの裏切りと打算、殺し合いのサバイバルドラマの“物の哀れ”を際立たせるのだ。

総じて『アウトレイジ』シリーズとは、いわゆる「ヤクザ映画」ではなかった。業に満ちた人間図鑑であり、足元を掬いあうパワーゲームであり、いつの時代にも当てはまるバイオレントな寓話。物語が進むにつれ、まるで空気が薄まっていくような“窒息感覚”は、本作がシリーズ中、一番だと思う。

 

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【関連作品】
アウトレイジ 最終章

(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会

 

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