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『ダンケルク』の映画論評・批評


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“時間”への異様なこだわりと、
冷静さを失わないノーランの視点

written by:斉藤博昭
(2017/09/04更新)

ジャンル 人間ドラマ
気分 ハラハラドキドキ興奮します
原題 DUNKIRK
製作年/国 2017年/米
配給 ワーナー・ブラザース映画
ヘッド館 丸の内ピカデリー
時間 106
公開日
監督

 


『ダンケルク』


ドイツ軍に包囲された40万人もの英仏連合国軍兵士の“撤退”を描くという点で、明らかに通常の戦争アクション映画とは別種のカタルシスをもたらすのが、この『ダンケルク』だ。生々しい戦場を背景にしながら、『プライベート・ライアン』や、最近の『ハクソー・リッジ』などのリアル戦闘志向とは異なり、あくまでもサバイバルや救助の描写が優先される。衝撃映像に二の足を踏む人も、余裕で受け入れられる作りになっている。

そしてこの『ダンケルク』は、クリストファー・ノーランの映像作家としての方向性が顕著に表れた一作だと言っていい。ダンケルクでのロケや本物の戦闘機を使った徹底的なリアル志向や、フィルムでの撮影もそうだが、最も印象深いのはノーランの“時間”へのこだわりだろう。陸上で脱出を試みる兵士のドラマは“1週間”、海上で兵士たちを救うドラマは“1日”、そして戦闘機のパイロットのドラマは“1時間”。それぞれの立場が経験する異なる時間の長さを、ひとつの映画の中でシンクロさせる。3カ所を同時に体感する観客は、時間の歪みを突きつけられる。このアプローチは、宇宙飛行士と地球の人々が体験する時間の流れが異なる前作『インターステラー』を想起させるだろう。ノーランによると「登場人物の主観で変わる時間の感覚を映画にしたい」とのこと。『インセプション』でも記憶の層が深くなると時間の進みが遅くなったし、出世作の『メメント』では記憶をすぐに失う主人公が、時間をさかのぼる設定だった。“時間”への異様な執着という、ノーランの作家性が、『ダンケルク』では洗練の域に達しているのだ。

さらにノーラン作品の特徴である、いい意味での“冷たさ”が全編を支配する。自己犠牲で仲間を助け、民間人による人道的救出劇も描く今作ではあるが、直球でヒューマンな感動を与えるシーンは限定的。意外なほどあっさりした死の描写もある。あくまでも冷静に、客観的な視点でそれぞれの運命を見つめており、もしかしたらそこが物足りない人もいるかもしれない。しかし、この冷たさが他の監督とは違う妙な心地よさもを生み出していくのは、さすがノーランである。

 

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