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『バリー・シール/アメリカをはめた男』の映画論評・批評


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才能も魅力もあるけれどギリギリ“アウト”な
トム・クルーズ

written by:村山章
(2017/10/23更新)

ジャンル 人間ドラマ
気分 ハラハラドキドキ興奮します
原題 AMERICAN MADE
製作年/国 2017年/米
配給 東宝東和
ヘッド館 TOHOシネマズ スカラ座
時間 115
公開日
監督

 


『バリー・シール/アメリカをはめた男』


ウソみたいな実話である。航空会社の腕利きパイロットがCIAにヘッドハンティング。ダミー会社を任されて空運業を始めるのだが、史上最悪の麻薬王パブロ・エスコバルの麻薬カルテルに気に入られ、任務そっちのけでコカイン密輸に精を出して大儲けするのである。

スケールはデカいが、追い風で調子に乗っているうちに手痛いしっぺ返しを食らう。そんな大物なんだか小悪党なんだかよく分からない、バリー・シールなる男の栄枯盛衰を面白おかしく描いた不謹慎極まりない伝記映画だ。そしてそんな映画にトム・クルーズが最高にハマっている、と言ったら、意外に感じられるだろうか。それとも当然だと思われるだろうか。

すっかり常人離れした能力を持つヒーローばかり演じている感があるトム・クルーズだが、役者としての魅力を象徴しているのはあの自信過剰に輝く“眼”である。どんな危険なこともつい楽しんでしまう天性のイタズラ心と、根拠もないままに人を惹きつけるあの“眼”だ。それが『ミッション:インポッシブル』のイーサン・ハントに備わると最強のスパイだが、もし考えナシのロクデナシに備わっていたらどうなるか?

まさにその答えが『バリー・シール…』だ。魅力も才能もあるけれど、本質的にはロクデナシ。危なっかしくて見ていられないが、ちょっとだけ応援してしまう。トムといえば『マグノリア』で演じた、モテモテ道を伝授する胡散臭いセミナー教祖役も素晴らしかったことを忘れるなかれ。スターのオーラを逆手に取って、トムのギリギリ“アウト”な持ち味がたっぷりと味わえる最強のブラックコメディをどうぞ。

 

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(C)Universal Pictures

 

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