車内鑑賞レビュー
2006/8/5 10:17
by
マーク・レスター
ポータブルDVDによる 車内鑑賞レビュー
通勤電車の中で、ポータブルDVDプレイヤーを使っての映画鑑賞にいそしんでいます。その日その日の、ストレートな印象を綴ってレビューとしています。
6月28日(水)
1900年のパリという時代設定を活かす、2次元的で漫画的な表現を入れ込みながら、バタバタとエンンタテインメントの世界を描いていた前半は、ユアン・マクレガーが少年のような“はしゃぎっぷり”で非常にフィットしていた。しかし一方のニコール・キッドマンはそのキャラクターからか、正直言ってちょっとした乖離感が否めなかった。ところが「悲恋」、「死」という要因が強くなった後半から、あんなに前半は光っていたユアン・マクレガーの、度量不足・貫禄不足が徐々に露呈し、陳腐な存在に見えてきてしまった。しかし、一方のニコール・キッドマンは反対に水を得た魚のように、ペシミズムを華麗に身に纏い、大立ち回りを演じていくのだ。今作はその中盤において、主役の攻守交替が劇的に成されてしまったようだ。今後この悲劇的要素が強くなっていく終盤で、ユアンがどんな挽回策を講じてくるのかが非常に楽しみだ。しかし、このままずるずるとニコールに惨敗か?との危惧を感じてしまうのだが……。
6月29日(木)
昨日はユアン・アクレガーの身の置き場の行方を心配しておりましたが、作品を全て観終った今は、そんなことなど、もうどうでもよくなってしまった。なぜなら、この映画の終盤は僕の大好きな【「現実」と「虚構」の交錯】が華々しく展開され、客観的に映画を俯瞰することなど、到底できなくなってしまったからだ。
無理やりに変更させられた劇(愛)の結末。
その劇場に、排除されていたユアンが進入。舞台で演じるニコール・キッドマンに接触。そこから展開する現実の彼らの想いと劇中劇の恋模様。その二つの恋愛がパラレルに、同一人物で同一場所でグイグイと進んでゆく。しかもふと気づくとパラレルに進行しているとばかり思っていた2つの感情の発露が、いつの間にか一つの太い線に紡ぎ上げられていたのだ。 あー、やられた!【「現実」と「虚構」の融合】に「夢見るようにねむりたい」や「陽炎座」「田園に死す」のごとく、その映画的構造に簡単にも感動させられてしまったのでありました。
総論 星3つ(星5つが満点として)。
映画的興奮は図らずも得られた。
映像効果もよく配慮されていた。
しかし、前半と後半のトーンのアンバランスは乗れなかった。しかもあんな結末。ご都合主義のお涙頂戴ものになりかねなかったのでマイナス星2つでした。
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