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ラスト これは反抗期の物語 ネタバレ

2015/3/16 21:22 by さくらんぼ

かぐや姫の物語

「リンゴとかメロンの形は四角?」と聞けば、おそらく、すべての人が「丸い」と答えるでしょう。

でも世の中には、四角いリンゴとかメロン、と言うものもあるのですね。

育てる過程で、四角い枠をはめるなどの細工をして成長させるらしいです。言うは易く行うは難しで、たぶん、生産者さんたちも大変なご苦労をされて作っている傑作商品なのでしょう。

でも、リンゴもメロンも自分は丸く育つのだと信じて生まれてきたはず。だから、もし彼らに口があれば、きっとその不運をぼやいたことでしょうね。

人間でも同じです。

人間には生まれながらの個性と言うものがあります。何かのレビューでも最近多用しましたが、それを「主人公」と呼んでみましょう。

赤ちゃんは、生来持つ主人公のままに生きようとして、この世に誕生するのです。それが赤ちゃんの本懐。

でも、だんだんと成長するにしたがって、親や、周りの大人たちが、人間界の常識(あるいは親独自の常識)と言う、四角い枠(あるいは歪な枠)をはめるのですね。神から見ればローカルルール(あるいは意味不明)でしょうが。

子供は最初それに反抗するのですが、大多数は負けてしまい四角に変形しまうのです。

そのバトル期の最大のものを、大人たちは「反抗期」と呼んだりします。

だから模範的な青少年(あるいは親のロボット)として育った者の心の奥底には、葬り去られた主人公が、インナーチャイルドとして哀しく眠っていることがあるのです。

映画「舞妓はレディ」と言う映画がありました。

あれは、自分から望んで変形して(あるいは戻って)いった女子の話なので、なにも問題は無いのですが、べつに舞妓さんにならなくとも、みんな、あれぐらい、生来の主人公からは変形しているのかもしれません。

さて映画「かぐや姫の物語 」。

ここには、かくや姫幼少期の描写がいっぱいありますが、それが、生来の主人公を想像させるために必要だからです。

そして後半、その主人公を葬ってまで、お嫁にならなければならないので哀しいのです。

かぐや姫は、親も健在で、はた目には順風満帆に成長をし、人もうらやむお金持ちになり、りっぱなお屋敷に住み…

でも、しょせん四角いフルーツなので、自分の人生を生きている幸福感が無かったのです。

とどめの「寒々とした縁談」と「幼馴なじみとの再会」。

彼女は哀しみのあまり、うっかり月に助けを求めました。これも念じるだけで通じる魔法遣いの悲劇ですね。月に還るとは、誕生前に戻ることであり、意訳すれば、自殺を意味するのでは。

コートの隙間から寒々とした木枯しが吹き込んでくるような哀しいお話しでした。

誰にでも、こんな話をするわけではありません。

勇気を出して話をしても、一緒に泣いてくれる親友は少ない。

なかには「それの何が不満なんだ」と、説教してくる人もいる。

でも、説教をしてもらいたくて微妙な気持ちを吐露したわけではないんですよ私は、いや、かぐや姫は。


★★★★★

 



  • 追記 ( 映画館へ行かなかった理由は ) ネタバレ

    2015/3/20 12:00 by さくらんぼ

    ジャズのピアノトリオを、都会の巨大ホールで聴いたことがあります。

    季節は冬、ちょっと風邪気味でもあったため、舞台がいっそう寒々と感じられて…あのときから、ピアノトリオは小さなライブハウスで聴くに限ると思うようになりました。

    小さな音楽・ピアノトリオは、小さなライブハウスで、酒とつまみ、タバコの煙と人いきれの中で、己の堕落!?を許しながら聴くものなのだと。

    そして、演奏が終わり、店を出て、静かな夜の、澄んだ外気で深呼吸…よどんだ邪気を吐き出すがごとく。

    これで、生きかえります。

    この懺悔の深呼吸こそが、ライブハウスのメインディッシュ、かも。

    ところで、昔、映画館で映画「ホーホケキョとなりの山田くん」を観たこともあります。感想は「絵がスカスカすぎる」でした。映画館の大画面が寒々と感じられました。

    だから、映画「かぐや姫の物語」の予告編を観たとき、「また、あのスカスカか!」と思って失望したのを覚えています。

    これが映画館へ行かなかった最大の理由。

    むかし話は、たいてい誰でも知っています。子供の頃はチープな環境でそれを読みました(あるいは聴きました)。

    だから、大人になって、大枚をはたいて、映画館で、大画面で観る以上は、超デラックスに観たかったのです。

    でも、一見スカスカでも、技術的には大変で、8年もかけて作ったらしいことを、宣伝文句で知りましたが、でもね、こんな言葉もありますよ。

    「君は学ぶべきだ。しかし、君のハードワークは演奏の中に聞こえてはならない。音楽は、あたかも風のごとく。」

    これは、昔、若き日の渡辺貞夫へ 先輩のコールマン・ホーキンスが贈ったとされるエールの言葉です。

    映画「かぐや姫の物語」。

    こんな素晴らしい作品だったのに(結果的にあの絵でもよかったです)。

    映画館で初体験できなかった悔恨のつぶやきでした。

  • 追記U ( 音楽も素晴らしい ) ネタバレ

    2018/5/16 17:50 by さくらんぼ

    クライマックスに流れる、「天人の音楽」と「いのちの記憶」。

    私の気持ちでは、この魅力が、映画の半分をしめています。

    二曲とも、初めて聴いたのに、どこか懐かしいし、「この世のものとは思えない感」も。

    その音楽に乗り、天上から、かぐや姫を連れ戻しに来る、その一団に見る権力。

    そして、記憶をリセットされた瞬間、姫が人形のように固まる哀しさ。

    人生とは、やはり「空」だったのでしょうか。

満足度データ

かぐや姫の物語
100点
45人(15%) 
90点
47人(16%) 
80点
76人(26%) 
70点
40人(14%) 
60点
39人(13%) 
50点
7人(2%) 
40点
17人(6%) 
30点
1人(0%) 
20点
5人(1%) 
10点
5人(1%) 
0点
1人(0%) 
採点者数
283人
レビュー者数
134
満足度平均
75
レビュー者満足度平均
77
ファン
30人
観たい人
125人

 

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